見出し画像

白トリュフ祭りでトリュフ三昧

秋のイタリアはおいしいものがいっぱい。特に白トリュフは世界中のグルメの垂涎の的です。

白トリュフの産地で有名なサン・ミニアートの白トリュフ祭りに行ってきましたので、そのときの様子、そして買ってきた白トリュフを使った料理をご紹介します。


白トリュフの産地サン・ミニアートとは

白トリュフの産地といえば、イタリア・ピエモンテ州アルバが有名ですが、その次に有名なのがトスカーナ州サン・ミニアートです。

サン・ミニアートは、フィレンツェから西へ約45キロのところにある村。小高い丘にあり、こぢんまりとしている小さな村ですが、白トリュフが採れるということで、イタリアはもちろん世界にもその名をとどろかせています。

サン・ミニアートからの景色。トスカーナの風景を臨むことができます。

毎年11月2週から4週の土日に白トリュフ祭りがおこなわれ、その期間はたくさんの人でにぎわいます。

サン・ミニアートの白トリュフ祭り

サン・ミニアートの白トリュフ祭りは、村全体がお祭り会場になる一大イベントです。村のあちこちに、イベントテントや屋台が並び、どこも人でいっぱい。

村に設置されたイベントテントは大賑わい

白トリュフ祭りでは、白トリュフだけでなく、チーズやサラミ、スイーツなどのブースもたくさん出ます。メインのトリュフは、村のてっぺんにあるドゥオモ広場。とにかく上をめざして坂をのぼっていくとドゥオモ広場があります。

村のてっぺんにあるドゥオモ広場
トリュフブースは人がいっぱい

一番注目を浴びるのは生の白トリュフ。生のトリュフは、年ごとに価格が変動します。天然の産物ですので、天候に非常に左右されるためです。また、トリュフは、大きさによっても価値が変わってきます。大きくなれば大きくなるほど貴重なため、キロ当たりの価格が上がります。

大きめのトリュフは宝石のようにケースの中に入っていました

今年は白トリュフがよく採れたということで、価格は平均的とのこと。15グラム~50グラムのものが1キロ当たり2300ユーロ、50グラム以上の大きさのものが1キロ当たり3000ユーロ。昨年は、大不作だったため、1キロ当たり4500ユーロまで跳ね上がっていました。

一般市民が家庭用として買い求めやすい大きさの25グラムくらいのものは、今年は60ユーロ弱ということになります。

小さめの白トリュフ。これを買い求める人が多くいました

生白トリュフ以外にも、トリュフ塩やトリュフバター、トリュフオイル、トリュフ蜂蜜、トリュフペーストなど、トリュフを使った商品も数多くあります。トリュフ製品は、生トリュフに比べると値段も控えめで、日持ちもするため、気軽に買うことができます。

トリュフのさまざまな商品が並んでいます

トリュフブースで生白トリュフを買わなくとも、レストランやテント内のフードコートで生トリュフを堪能することができます。

生白トリュフの食べ方は、タリオリーニ・パスタにかける、または目玉焼きにかける、が定番です。

レストランでもテント内のフードコートでも、生白トリュフのタリオリーニを食べることができます。快適に食事をしたい、ワインとも合わせたいというかたはレストランで、紙皿で寒い中でもいいので節約したいというかたはテント内のフードコートで、と予算に合わせて選ぶことができます。

食材の並ぶテントでは、トリュフ入りサラミ、トリュフ入りチーズなど、トリュフ風味のものがいっぱい。お土産として買うことができるのはもちろん、パニーノ(サンドイッチ)にもしてくれるので、その場で食べることもできます。

トリュフ入りチーズやトリュフ入りソーセージ
トリュフ入りのチーズやハムをはさんでパニーノを作ってくれます

猪の生ハム、チーズ、そしてトリュフクリームの入ったスキアッチャータ(平たいフォカッチャ)のパニーノを食べました。

猪の生ハムとチーズとトリュフクリームのパニーノ

猪の生ハムはトスカーナの名物でもあります。脂肪分が少なく、濃厚な味わい。
トリュフは風味が強いので、しっかりした味わいの猪と相性がよく、チーズのクリーミーさとも相まって、とってもおいしかったです。

パニーノと一緒にワインを飲みたくなりましたが、パニーノを食べたテント内にはワインがなかったので、ワインなしでパニーノをほおばりました。


ワインは、別のテントで試飲。
白トリュフのタリオリーニに合うように造られたという白ワインを試飲しました。

白トリュフと合わせるようにワインが造られるなんてさすが白トリュフ産地

品種は、シャルドネとヴェルメンティーノのブレンド。樽香のある香りで、まろやかな味わいでした。

このワインのテントとは別に、ワイン生産者のブースがたくさん並ぶテントもありました。
グラスを購入し、サン・ミニアート周辺のワイン生産者のワインを自由に試飲できるというシステム。

思い思いに試飲ができるワインブース

焼き栗やスイーツもあり、いろいろ食べたくなる、食べ物好きにはたまらないお祭りです。

焼きたての焼き栗をその場で食べることもできます

白トリュフを食べる

私が買ったのは、栗、チーズ、トリュフバター、そして小さな生白トリュフ。

生白トリュフは、香りが命。買って数日のうちに食べるのがベターです。さっそくパスタと食べることに。

せっかくの白トリュフなので、タリオリーニを手打ちしました。

手打ちしたパスタ

白トリュフを手に取ると、白トリュフの香りが広がり、食べる前から香りに満たされました。

小さな生白トリュフ。いい香り!

そして、すりすり

白トリュフをスライサーですりすり

スライスするとさらに香りがたち、部屋が白トリュフの香りでいっぱいになりました。

レストランによっては、トリュフをかけてくれるときに、グラム数をはかり、擦った分だけの金額を支払うというところもあります。小心者の私は、たっぷりかけるとすごい金額になるのではないかと心配になって、すぐに「ストップ」といってしまいます。家だと、そんな心配をすることなく、好きなだけ擦ることができて快適です。

生白トリュフをかけるパスタのレシピは、ゆでたパスタに溶かしバターを和えるだけと、いたってシンプル。普通のバターにトリュフバターを1人につき小さじ1杯程度、パルミジャーノも1人につき小さじ1杯程度加えると、より風味が増します。

白トリュフと手打ちパスタ

白トリュフに一番合うといわれているワインは、白ワインだったら樽のきいたシャルドネ、赤ワインだったらバルバレスコ。
というわけで、トスカーナはキャンティ地区のコローニョレが造る樽熟成のシャルドネを合わせました。
バニラの香りが広がるまろやかな味わいのワインが、しっかり主張する芳香の白トリュフとぴったり。幸せのマリアージュです。

小さい白トリュフといっても、何度か楽しめる量があったので、翌日はリゾットと目玉焼きにすりすり。

翌日の白トリュフリゾット。ワインも残しておきました
最後は目玉焼きに

特に目玉焼きは、とろっとした濃厚な卵黄と白トリュフがまさに黄金の組み合わせ。白トリュフの風味が引き立ち、天に昇るようなおいしさ。

というわけで、思う存分、白トリュフを堪能することができました。

サン・ミニアートの白トリュフ祭りへ行くにあたって

サン・ミニアートは、電車とバスで行くことができます。
フィレンツェからサン・ミニアート駅までは約40分。サン・ミニアート駅から、さらにサン・ミニアート行きのバスに乗り約20分です。

白トリュフ祭りが開催される11月は、寒いです。イタリアでは秋というより冬。曇りがちで雨も多い時期のため、より寒く感じます。サン・ミニアートは標高が200メートルくらいあるので、フィレンツェより寒く、お祭りは外ですので、しっかりとした防寒が必須です。

生の白トリュフを食べるもよし、トリュフ製品を買うのもよし、トリュフ風味のパニーノを食べるのもよし、ワインを飲むのもよし、トリュフ以外のものを買ったり食べたりするのもよし、とにかくみんなが楽しむことができるイベントです。


フィレンツェ・イン・タスカでは、同行もおこなっています。
限られた時間で、効率よく街をご案内する同行サービス。ご希望のかたはぜひお問い合わせください。
同行サービスはこちらから


この記事が参加している募集

ご当地グルメ

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?