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安倍戦略三本柱(Ⅲ) ~テロ等準備罪~

安倍総理が「支持率が下がってもやるべき困難な課題」と位置付けて取り組んだ法案が以下の三本柱である。いずれも、国家安全保障の根幹に係る法律案である。

(1)特定秘密保護法
(2)平和安全法制
(3)テロ等準備罪

今回は、その第三弾。


■「テロ等準備罪」とは?

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(組織的犯罪処罰法)の第6条の2を指している。

(テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画)
第六条の二
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

e-Gov法令検索|組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律

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※e-Gov法令検索
・組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411AC0000000136


■テロ等準備罪の概要

未然にテロを防止するためにも、「テロ等準備罪」を成立させ、国際組織犯罪防止条約(TOC条約=パレルモ条約)に入る必要があった。


■「テロ等準備罪」と「共謀罪」との違い

・テロ等準備罪
「組織的犯罪集団」が、「重大な犯罪を計画」し、「その計画を実行するための準備行為」をした場合に罪に該当する。

・共謀罪
「重大な犯罪を計画」だけでも罪に該当する。


■国会における審議・採決・成立

過去、2003年・2004年・2005年と、いずれも小泉内閣の時に3度に渡って共謀罪法案が提出されたが全て廃案に終わっている。

それから12年後……

◎2017年3月21日
「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」を提出。(閣法193-64)

※主な担当大臣と担当委員長
 ・安倍晋三(内閣総理大臣)
 ・金田勝年(法務大臣)
 ・鈴木淳司(衆議院 法務委員長)
 ・秋野公造(参議院 法務委員長)


◎2017年5月19日
衆議院法務委員会で、「テロ等準備罪」が可決。


◎2017年5月23日
衆議院本会議で、「テロ等準備罪」が可決。(修正案)


◎2017年6月15日
参議院本会議で、「テロ等準備罪」が可決成立。


◎2017年7月11日
「テロ等準備罪」が施行。


■野党との格闘

どうしても法案を成立させたくないマスコミと野党は、「共謀罪」とレッテル貼りをし、
「憲法で保障された思想信条の自由を奪う法律だ!」
「監視・盗聴・密告がまかり通ってしまう社会になる!」
「上司の愚痴や悪口を言っただけで逮捕される!」
「アベの悪口や政権批判をしただけで逮捕される!」
などというデマ・デタラメばかり言っていた。

平和安全法制の時と同様、採決に移った際に、野党議員が委員長に詰め寄るシーンがあった。


■なぜ「テロ等準備罪」が必要なのか

例えば、1995年3月に起きた地下鉄サリン事件。
あの事件は、警察が事前にああいう事件を起こす可能性を察知していたが。
ところが、当時の法律では現行犯でしか逮捕や捜査ができなかったため、結果としてあのような惨事が起きてしまった。

一日も早く国際組織犯罪防止条約を締結し、テロを含む順大組織犯罪を準備行為の段階で未然に防ぎ、国際社会と連携するためにも、「テロ等準備罪」が必要である。

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