見出し画像

抗うか、受け入れるか

職場で後輩女性から「相談をしたい」と言われて話を聞いた。
関係性はそこまで深くない人なのだが、私が選ばれたのは、彼女にとって私が色々と都合がよかったからだと思う。

「聞かなきゃよかったな…」と思うような内容で、簡潔にまとめると
「社内でお付き合いしている人がいて、結婚の話も家族にまで言っていたのだが、彼氏が社内の女性から告白されたらしく、別れを切り出された」というものだった。
掘り下げると彼氏のほうもなかなかヤバい奴で、心底関わりたくないタイプなのだが、彼女のほうも頑なになっているというか、もう恋愛話ではなくなってきているなと感じる。

「結婚」に対する意地と執着。執念ともいうか。

どうしても結婚したい、という執念が怖い。
結婚てそんなにしたいものなのか。すれば幸せになるとは限らないのに。
彼女は告白してきた女性にどうしても諦めて欲しい、ということを切々と語っていた。それさえなかったら順調だったのに、と。
起こってしまったことは受け止めるしかないのだが、彼女は「結婚」というゴールのために抗い続けるようだった。受け止められないというのも事実だろうけど。
たぶんこのまま結婚できたところで、幸せにならないのはわかっていても。

彼女は一人でいるのがとても嫌らしい。彼と付き合うと車でどこへでも行けるし、一緒に居て色々なことをできるのが嬉しいのだと。
話を聞く限り、彼女は彼氏をツールとして見ているのではないかと思ってしまった。言わなかったけれど。
最初は好きだったのだと思うが、時間を経て様々なことが起きていくにつれ、結婚というゴールを達成するためのツールを失いたくないのではないか。一人でいる生き方をしてきていないから。

職場の立ち話だったし、あまり深く関わりたくもないこともあり(苦笑)多くは語らなかったけれど、一人でいる時間を見つめなおしてみると、人との付き合い方も変わると思う、と伝えてあげたかった。誰かがいることのありがたさを改めて感じることができるから。
私は一人の時間がないと生きていけないし、だからと言って他人と過ごす時間が嫌なわけではない。ありがたみを忘れないためにも、自分の時間を大切にしたい。

結局彼女に伝えたのは
「よく食べてよく眠れる体を作る努力をしなさい」
「一人でもできる趣味を持ちなさい」

のふたつ。適当そうにも聞こえるが結構真剣に考えた答え。
何が起こるにせよ、体力は精神力を補填するし、精神力がぐらついてきたときの体力は重要。
事の顛末についての結論は自分で出すしかないので、触れることはなく(触れたらますます巻き込まれそうだったし、登場人物が全員クズっぽい予感しかしなかったので)

正直な気持ちは「そんな男に振られるのは癪だから、こっちから振って嫌な気分にさせてやればいいのに」というものだったけれど、執念に取りつかれた彼女に聞く耳はなかっただろうし、言うこともなかった。

【相談】
問題の解決や物事の決定のために他者と話し合うこと。また、その話し合い。

デジタル大辞泉(小学館)

女性が「相談」という場合の8割は答え出てるけど聞いてほしい、同意して味方になってほしいだけだと思っている。「話を聞いた上で意見が欲しい」と言われる方が的確で納得できるし、冷静さを欠いてないのかなと思う。

♥が更新の励みになります。よろしくお願いします!