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【インデックス投資を始めよう】4.出口から考える投資すべき資産

皆さんの資産運用の出口はいつですか?
言い換えれば、皆さんはいつお金が必要ですか?

ここでは皆さんが資産形成を行う上で投資すべき最適な資産を確認していきます。
相場サイクルを考慮して投資すると効率的な投資ができますが、今回は投資を始めたばかりの方を対象にするため、相場状況を考慮せずに投資したケースでシュミレーションを行っていきます。

●定番の投資資産と年平均リターン・最大下落率

今回は多くの投資家が購入する以下の3つの定番投資資産の平均リターンと最大下落率を見ていきましょう。
まずはこれらの情報を頭に入れて、ポートフォリオを組むと良いでしょう。

★全世界債券
年平均リターン:約4%
暴落時の最大下落率:約20%

★全世界株式
年平均リターン:約6%
暴落時の最大下落率:約50%

★米国株式(S&P500)
年平均リターン:約7%
暴落時の最大下落率:約50%



●保有期間から考える投資資産について

投資したお金をいつ回収するかで投資すべき資産は決まってきます。
つまり、『何年間資産を寝かすことができるか』が投資すべき資産を決定する要因になるのです。

投資資産を寝かせる期間が長ければ長いほど、リスクの高いものに投資することができます。
反対に投資資産を寝かせる期間が短ければ短いほど、リスクの低いものを選ばなければなりません。
リスクの高い代表的な資産は株式やREITで、リスクの低い代表的な資産は債券です。

この2つの資産を出口までの年数によって適切に選択することで、より確実な資産形成を行うことができます。

加えて、10年以内の運用の場合は単一国ではなく地域分散型のファンドへ投資するとカントリーリスクを減らすことができます。
なぜなら単一国に投資する場合はその国の政策の影響を大きく受けるからです。世界的に株価が伸びていても、単一国だけ伸びていないこともあり得るのです。また現金化したい時に対象国のバブルが崩壊したり、大きな戦争が勃発したりして資産価値が暴落してしまう恐れもあります。
このように、基本的に単一国への投資はリスクが大きいということを覚えておきましょう。
投資すべき国の見分け方は次回の記事で詳しく説明します。

なお、リターン予測は下記のように定義します。
リターン予測=保有期間後暴落時の資産価値~保有期間後の平均資産価値

それでは保有期間ごとに確認していきましょう。


★保有期間2年

全世界債券 100%
年平均期待リターン=4%
2年後の平均資産価値=108.2%
2年後暴落時の資産価値=86.6%
リターン予測=86.6~108.2%

(※100%株式で運用した場合は56.2~112.4%)


★保有期間5年
全世界債券 100%
年平均期待リターン=4%
5年後の平均資産価値=121.7%
5年後暴落時の資産価値=97.4%
リターン予測=97.4~121.7%

(※100%株式で運用した場合は66.9~133.8%)

※全世界株式:全世界債券=25%:75%で運用した場合
年平均期待リターン=1.5%+3%=4.5%
5年後の平均資産価値=33.45%+91.28%≒124.7%
5年後暴落時の資産価値=16.7%+73.0%=89.7%
リターン予測=89.7~124.7%


★保有期間10年
全世界株式:全世界債券=50%:50%
年平均期待リターン=3%+2%=5%
10年後の平均資産価値=89.55%+74.00%≒163.6%
10年後暴落時の資産価値=44.8%+59.2%=104.0%
リターン予測=104.0~163.6%

(※100%株式で運用した場合は89.6~179.1%)


★保有期間15年
米国株式 100%
年平均期待リターン=7%
15年後の平均資産価値=275.9%
15年後暴落時の資産価値=138.0%
リターン予測=138.0~275.9%

※米国株式:全世界債券=75%:25%で運用した場合
年平均期待リターン=5.25%+1%=6.25%
15年後の平均資産価値=206.93%+45.03%≒252.0%
15年後暴落時の資産価値=103.5%+36.0%=139.5%
リターン予測=139.5~252.0%


★保有期間20年
米国株式 100%
年平均期待リターン=7%
20年後の平均資産価値=387.0%
20年後暴落時の資産価値=193.5%
リターン予測=193.5~387.0%

(※100%債券で運用した場合は175.3~219.1%)


いかがでしたでしょうか。
保有期間5年以下では主に債券、15年以上では主に株式へ投資するのが最も良い結果となりました。
今回のように数字を用いて考えるとわかりやすいですね。
投資は計画がすべてです。
まずは出口から考え、自分で考える癖をつけていきましょう。

なお、FIREを考えている方は債券または配当型ETF等を保有する必要があります。そのため、債券または配当型ETF等の比率を高める時期をあらかじめ決めておきましょう。
この方法については「11.富を加速する秘伝の書~相場サイクルと買付比率」、「12.FIREのための出口戦略~相場サイクルと売却比率」で解説します。

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