見出し画像

USBメモリに残っていた架空の国の設定がひどすぎる件

教会管轄区……2000年以上の歴史を持つ大国。公用語はイシュハ語(彼らは『女神の言語』という言い方をし、新興国イシュハ中心のこの呼び名を好まない)

 こんにちは。黒歴史です。

 小学校の頃からドラクエの影響(たぶん)で架空の世界地図に勝手にどこかで聞いたような聞いてないような国を描いていたのですが、

 昔のUSBメモリに設定が残っていました。
 ぶっちゃけひどいです。架空の国にしてもこれはねえだろう級。
 私の作品に限らず、昔は若い人のほうが残酷な話を平気で書く傾向がありました。某通信講座の小説投稿欄に殺し屋の女の子の話が採用されていました。(そして、審査する大人もそれを問題だと思っていなかった)。ああ、アナログ時代。

 今後改定する可能性100%の各国の設定から、ネタにするにもひどいものを取り上げてこの記事の文字数を稼ぎたいと思います。
 大人はこういう阿漕なことを平気でできるのです。
 ただし、他人の作品をパクるのは良くないと知っているのが大人です。
 若い?頃の自分の作品をディスってネタにするのです。


管轄区(教会があるが女神が祭られている)


・女神イライザを信奉する一神教。他の神の存在を認めていない。
・他の宗教を信仰することも認めていない。異教徒をよくつかまえて追放したり処刑したりするが、商売目的で入ってくるイシュハ人には入国許可を与えている。
・暗殺や行方不明が多い。
・警察はいるが機能していない。警察の地位は一応『貴族の下、公務員の上』である。つまり、貴族と教会関係者は逮捕できない。
・なので、治安は最悪。『6時以降は外出しないように』と言われる。夜中に襲われる確率は80%と言われている。

 襲われる確率80%です。怖いです。なんてわかりやすく子供っぽい数値設定でしょう。普通の国はここまでひどくなる前に警察じゃなくて軍隊とか機動隊が出てくるもんじゃないでしょうか。あ、そういえば私の世界、軍隊がいない。ドゥロソには昔からいるんですけど。なぜかはわかりません。
 異教徒を認めないくせに商人は大好きとかもう金目当て感にあふれていますが、残念ながらこういう国今でもありそうな気がしないでもないです。
 ちなみに、最初に書いたときは女神の名前が『ファナティ』でしたが、インドに同じ名前の神がいるのをあとで知って、慌てて改定した記憶があります。古いほうを公開当時に読んでいた人がいたとしたら、今のバージョンには違和感を感じるかもしれませんね。

・国民は貧しく、年平均3万人が餓死していると言われているが、正確な統計はとられていない。『統計』という概念がそもそもないかもしれない……。

 女神様、なぜですか、なぜ若い?ころの私の頭の中では三万人も餓死していたのですか?私、この設定を自分で書いたなんて信じられません。今だったら絶対にそういう設定にしません。でも、現実に医療を認めていない国があったらそれくらい死にそうで怖い。


イシュハ

・自称『世界一進んでいる国』だが、ノレーシュ人やキュプラ人はこの意見に賛成しない。
・イライザ教の教会に迫害された人々が北に移住したのが始まりで、500年前に管轄区から独立。
・生活水準は間違いなく世界一。買い物大好き。車大好き。ファッション大好き。北のセカンドヴィラは世界のファッションの中心地である。一応男女平等ということになっている。身分差別はないのだが、貧富の差が激しく、セレブリティと一般の市民の収入差は3400倍にもなる。

 さんぜん……よんひゃく……ばい……。
(思考停止)
 仮に貧しい人の収入を月10万円と仮定します。3400倍です。
 月収三億四千万円です。
    ……え?私、数学わからない(呆然)
 女神様、なぜですか。なぜ若い?私は数字の感覚がおかしいのですか?
 この設定もアンゲルとエレノアを書いたときは全く忘れていました。
 忘れててよかった……。

・教育水準は高く、特にアルターの大学と付属高校(アンゲルたちが通ってたあの学校)と首都の専門大学には世界中から学生が集まるが、麻薬や詐欺などの犯罪もそのあたりで集中して発生率が高い。

 これはたぶん、海外の大学のイメージでしょうね。
 実際に海外には行ってないので、映画やドラマの影響だと思います。


アケパリ

・キモノとスシの国。公用語はアケパリ語。フレイグという闘神を信奉している。他の宗教も認めているが、外国人に対して強い警戒心があり、移民は少ない。
・マンガ・アニメとハイテク機器、車が主な輸出品。
・かつては、外国で『アケパリ』という単語が男尊女卑の代名詞になるくらい女性の身分が低かったが、最近は閣僚や経営者にも女性が出て来ている。
・イシュハと戦争をして負けたが、独立は保っている。

 はい。日本です。1000%日本です。
 私が知っている日本は、住んだことがある街と、旅行で実際に行ったことがある県と、テレビなどで見たエンタメやニュースのイメージです。
 島の形はまあ、北のあの島です。

 モデルがまんま日本なので、一番描きにくい国になっています。
 ほかの国は架空の国ですが、ここだけちょっと現実が絡んでくるんです。だからここが舞台の話を書きたくても書きにくい。どうしても男尊女卑物語になるし。


ノレーシュ

・数千年の歴史を持つ王家と、大臣によって治められている。他の国とは明らかに人種の違う、褐色の肌の大柄な人々が暮らす。
・公用語はノレーシュ語だが、ほとんどの国民はイシュハ語を読み書きできる。
・ノレーシュは神話の発祥の地で、4人の神がいる。イライザ、アニタ、フレイグ、カーリーの四人の『神話』はとても人間的である。
・自由主義国家。同性愛も認められている(数は少ないらしい)
・ノレーシュ人は「イシュハよりノレーシュの方が進んでいる」と言い張っている。
・犯罪率も低く、教育水準も高い。イシュハや管轄区から留学して『そのまま帰って来ない』学生が多い。居心地がいいのだ。

 いうまでもなく、ノルウェーとは関係がありません。
 ただし、これの構想を練っていた前後に、フィンランドなどの北欧の国々が、教育水準の高さなどで日本で話題になっていたことがあるのです。
 その影響で、理想的な国にしすぎたように思います。
 この国も描きにくい国です。


キュプラ・ド・エラ

・管轄区とイシュハ、双方に国境を接する山の中にある国。
・ロンハルトに近いため、公用語はイシュハ語とロンハルト語。
・国民はほぼ全て移民か『亡命者』である。
・ビザがなくても簡単に入国できる。
・カーリー神を信奉しているが、このカーリーは『肉体は男性、精神は女性』と言われる神である。人口の8割がゲイかレズビアン。残り二割はストレートか『中性』。権利意識が強く差別に最も厳しい。

 また極端な数字が出ましたね。8割ですか。今だったらこういう数字にはしないし、そもそもこの国の設定がなぜ浮かんだのか全く覚えていません。当事者のことをほとんど知らない学生時代に決めた設定なんです。
 ただ、何でも昔から「いじめも差別も良くない」と、問題の意味も分からずに思ったり言ったりする子だったため、こういう国がないとつり合いが取れないと思ってしまったのかもしれない。
 この国の話こそ本当に書きにくい。これは当事者が書くべきというか、当事者はそもそもこんな設定の小説書かないのではないか。
 子供の考えることってわからない。昔の私自身もわからない。

 実はこの国が舞台の話があったのですが、出せません。不真面目な人にBLや良くない百合と勘違いされたくないんです。あくまで普通の人が住む国なんです。たぶん、今の世界には早すぎる設定なんです。


ロンハルト

・2000年以上続いている王家によってまとまっている。独特の歴史と世界観を持つ。女神アニタを信奉する国。
・公用語はロンハルト語。活用が多く『世界一難しい言語』と言われる。
・国民はみな自分たちが『女神アニタの子孫』つまり女神の血を引くと信じている。
・白人社会。人種差別が激しい。
・管轄区以上に身分差別が激しい(王家→貴族→その他)でもあまり問題は起きていないらしい。人々が王家を強く信頼しているためだ。違う身分同士の結婚も本人が良ければ問題ない。たいがい親が反対するのだが。
・美意識が強く、プライドが高い。自ら選択して『古来の伝統的な生活』を維持している。
・かつてはほとんどの国民が魔法を使えたが、現在は4人に一人、数が徐々に減ってきているそうだ。この魔法の存在が、逆にロンハルトの近代化を妨げているという指摘もある。

 あれ?管轄区も2000年続く国じゃなかったっけ?言葉違うのに500年前のラナの言うことは通じてるし。
 小学生の時にもうこの国の魔法使いの話を書いていたのですが、すでに空爆がある現代でした。外国に占領されていたんです。今では思い出すのも恐ろしいくらい戦争の話だったんです。きっと、子供の頃に学校やメディアで戦争責任とか戦争体験とかそんな話を聞いていたのが影響していたのだと思います。
 大人になってから何度もこの国について書こうとして失敗しています。たぶん、参考にしたヨーロッパの歴史に残酷な話が多かったからではないかと思います。外国に行けてないので実際のヨーロッパのことも、テレビや映画の画像でしか知らないのです。
 でも、小学生からなじんでいるという意味では、欧米の映画くらい親しんでしまってる国でもあるのかもしれない。それも怖いけど。


ドゥロソ

・公用語はドゥロソ語。
・女神アニタの国だが、イシュハとは神話の解釈が異なり『厳格』さも併せ持っている。イシュハと仲が悪く、慢性的に紛争を繰り返している。よく管轄区の人間に『どうして同じ女神同士で戦争するんだろう?』と不思議がられる。
・生活水準は高いが、イシュハの経済制裁のせいで物資が常に不足している。ノレーシュやアケパリとは国交がある。
・国民はみな真面目で内向的。シンプルなものを好み華美なものは嫌われる。文学や哲学が盛んである。

 たぶん、学生時代にドイツ語にかぶれていた(もう覚えてないですが)その影響で、ドイツ語圏です。たぶん。
 「ビールが好き」という設定もあります。
 なぜかイシュハと紛争ばかりしているのですが、たぶんそれも太平洋戦争の話を小さいころから聞きすぎたせいでしょう。
 じつはここの軍人とイシュハ人のヒロインの恋愛?話を若い?頃書いていたのですが、どちらも亡くなってしまうのでした。
 ハッピーエンドを描くのが苦手でした。
 あまり幸せな話を見聞きしていなかったからかもしれない。
 自分が映画を見るときは、逆に、明るい話じゃないと怖くて見れないんです。でも自分で作品を書くと暗い話になるんです。
 なんですかねこれ?


    あと、爆撃で滅びて、また極端な数字の犠牲を出している小さな国の設定も書いてあったのですが、あまりにも内容がひどいので紹介できません。
 ニュースで感覚が麻痺していたのか、何でもやたらに極端な数値なんです。

 同じ人間(私)とは思えないくらい、若ければ若いほど書いている話が悲惨です。かぼちゃが降ってくるバカ話を書けるようになったのは本当に最近です。なぜか?生活が安定したからだと思います。未だ貧困だけど。


 実は、ハングルらしき文字を使っている島国のこともちょっとだけ書いてありました。しかし、ハングルってそのまんま韓国語ですよね。しかも学生時代はまだ韓流ブームもなかったんです。韓国は半島のイメージが強く、今だと島国はちょっとありえないし、日本との関係が微妙というのもあって登場しませんでした。
 もしかしたら小説に出てこなかっただけで、アンゲルとエレノアの同級生にはハングルを書く人たちもいたのかもしれません。

 中国や中東などに似た国が出てこないのは、単純に、若いころは何も知らなかったからです。そして、今もあまりよくわかっていないからです。よくわからないのですが、勝手に想像してネタにしてはいけないような雰囲気を感じてしまうのです。本当はどの国もネタにしてはいけないのですが。

 あくまで全て私の空想、フィクションです。
 でも、やはり某現実国家たちの影響は濃いですね。私が日本に住んでいるのも当然影響するだろうし。

 アメリカや西欧の世界観に似たファンタジーが多いのは、他の国に比べれば表現の自由があり、日本人はエンタメなどである程度親しんでいるから、安心感があるのだと思います。(本当はよく知らない外国だから駄目なんでは……とか、ツッコミどころがありすぎるのですが)。韓国ドラマが好きな人は韓流に似た物語なら書けるのではないでしょうか(現地の人に見せたら絶対違和感があると思いますが)。

    ロンハルト物語に登場したカンシオンの出身国は、おそらく管轄区からはるかに南で、ロンハルトからは一番遠い所です。南に小さな国がたくさんあると記録に残っていました。なんて都合のいい設定でしょう。


 ファンタジー(あくまで私が書く日本風のですが)はやはり、自由度がありすぎて設定が暴走しやすいんですね。
 かといって、今、自分が住んでいる世界を舞台に小説が書けるかと言われると、知ってる人をネタにするのが大嫌いなので書きにくいんです。
 エッセイで他人の悪口を言うことはあっても、架空の人物に仕立てようとすると相手を理解しなくてはならず、理解すると「書かないほうがいい」という結論が出る可能性がほぼ100%。
 結局、小学校の世界観に頼ったファンタジー短編のほうが書きやすくなってしまう。


 問題だと思うのですが、今の日本を舞台に描くことには、本当に困難を感じてしまうのです。今のところは。
 体調も今年は良くなかったし、某ウイルスやもともとの病気の再発など、今年は人生の中でもかなりつらい年でした。誰にとってもそうだったと思います。

 でも、逆に言えば、人間についてこれほどいろいろなことがわかる年も今までになかったと思うのです。対処法や日常が全然違ってきている。しかも誰も避けたり逃げたりできない。


 話が大幅にそれました。
 ここに紹介したばかばかしく残酷な世界観は、私が小学生の時に遊びで書いた大陸の地図から始まり、今も私の頭の中にあります。こういう人は、日本だけでなく、世界中にいるはずです。
 先日、ダヤンのタロットカードの冊子を見る機会があったのですが、そこにも作者が描いた架空の世界地図がありました。私は勝手に同類だと思いました。思い上がりかもしれませんが。

 知ることは、傷つくことです。残念ながらそれは避けられません。
 致命的な体験は絶対に避けたほうがいい。いじめなんて避けなければいけないことの筆頭みたいなものです。
 でも、いろいろな体験をしたからこそいろんな世界の話が描ける。
 外国に行ったことがない人でも、でたらめにこういう話書けてますから、ちゃんと学んだ人ならもっといいものが描けるようになるはず。私はそう思います。だから、コロナで外出できないにしても、今の体験は絶対に覚えておいたほうがいいと思うのです。
 某イタリアの方の本みたいな結論にまたなってしまったけど。


(言い訳)
 ここに紹介した各国の設定はあまりにもヒドいので、100%の確率で改定します。次にこの世界を描く機会があればですが。
 昔のヒドい原稿も、気が向いたら誰も見ない有料で出そうかなと、今思案中です。
 






お読みいただきありがとうございます。 いただいたサポートは、学習・創作のための資料、趣味、生活費などに使わせていただきます。