見出し画像

住みよい国・幸せな国創りを目指して

画像1

謹 賀 新 年

新しい年を迎え、私たちは新次元の世界に
突入していることをおぼえざるを得ません。

私はその新次元の時代に新たな希望と願いを込めて、
今後、どのような社会生活を営むのが日本人にとって幸せなのか、
住みよい国・世界一幸せな国に半世紀以上生活し学んだ経験を通して
皆様と共に考えていきたいと願っています。

2020年は前代未聞、未曽有のコロナ禍に地球上が見舞われ、この災害からの脱出に全世界の人々が躍起となっております。

この新型コロナウィルスによる禍は今まで経験したことが無かったからと言って、誰かが何かやってくれる、目を瞑ってやり過ごせば解決する問題では決してありません。

これまでの歴史に無い未経験な事態は、世界中の幾多の多様な文化圏の人々が同じ「生存の危機」に接し、対処、解決しなければならない現実の問題に直面しているのです。



幸いにも先進医療に抜きんでた国がワクチンを開発し、EU諸国では2020年の年末から新ワクチン接種が既に開始され始めました。

「このワクチンは異文化、かつ異民族の先進国で開発されたものだから」と、例えば他文化、他民族の発展途上国の人々には、受け入れないと言えるでしょうか?
私は異文化、異民族に優劣をつけるなどとは毛頭考えてもおりません。

私の姿勢は、現代に生きる人間として、地球上のいかなる国においても、発明され、開発され、発展した良いものは可能な限り学び、可能な限り祖国でも受け入れてほしい、と願っているものです。


日本は明治維新以来、欧米先進国に追いつけ追い越せと工業面に力をそそぎ富国強兵に邁進しました。

その結果は強兵に偏り、国は決して豊かにはなりませんでした。
国破れて山河在り。
第2次大戦敗戦後は、日本国民は、国の経済発展に力を入れ、国を豊かにし、第2そして今では中国に次ぐ第3の経済大国を作り上げました。

この豊かさは欧米に学び追いつけ追い越せの結果ですが、どうしても北欧に追いつけないものがありました。

経済的に、物質的に豊かになった日本では、残念ながら忘れられてきたものがありました。それは心の豊かさを証明する社会福祉です。



一国はいろいろな国民で構成されています。
私は、国が全ての面で豊かになる、ということは、経済・物質面のみならずその国の国民、特に社会的に弱い立場にある人々、シングル家庭、貧困な状況にある人々、障がいのある人々、高齢者の方々が、この国に生まれて良かった、と心から思える国が豊かな国だと考えています。衣食足って礼節を知るも大事なことです。

私はこれまで世界に冠たる社会福祉国家デンマークに社会福祉を学びに来て以来、学び得た諸々の事柄を祖国日本に紹介してきました。

社会福祉国家は世界中すべての人々が求める理想の国家であると私は信じています。

デンマークに来た当初、その諸々の社会福祉政策は日本とは50年以上の隔たりがある、と直感したのを今でも覚えています。
そして50年後の現在はと言えば、祖国日本もそれなりに社会福祉面で発展を見せていますが、まだまだ先進社会福祉国家のそれには及ばないと言えます。

私はこの「人の幸せな生活という面で大きな隔たりがある」要因は何かと考えるときに、それは決して歴史や文化の違いによるものではなく、人が人を思う心の在り方の違いであることに気が付きました。

それはすなわち「人間性」、「思いやりのある心」という言葉に言い換えることができます。

ノーマリゼーションの提唱者で私の師であるN.E.バンクミケルセンは1970年代初頭、私の問いにこう答えました:
「ノーマリゼーションの理念とは何ですか?」
「それは崇高な理念でも哲学でもないんだ」
「では、何なのですか?」
「ノーマリゼーションはヒューマニゼーションだよ」
「はっあ~?、ヒューマニゼーション、とは何ですか?」
『人であれ』ということさ」

何と明白極まりない答えでしょうか!
この答えを聞いて、ああ、私は、何ももう学ぶことはないと思いました。地球上全ての人間が「人であれ」と、人間であれば良いだけのことです。
こんな明白なにことを理解しない人々が地球上の各地に多数存在し、人命を尊重せず、争いを起こし殺戮を繰り返しているのです。

祖国日本で社会福祉を発展充実させるには全ての日本人が「人が人を思う心=思いやり」を常に、持つよう心がければいいのです。

日本が将来、到達すべき理想社会が社会福祉国家である、と皆さんが心に命じ覚悟を持てば、日本は、先進社会福祉国家を追い越すことが出来るでしょう。
それには、一生安心して生活できる国の在り方を皆さんで自分のこととして考え、実践していくことが肝要です。

例えば、デンマークは社会福祉国家であり、世界一幸せな国であり、世界最先端を行くデジタル行政、マイナンバー制度が完全に定着しています。


そして、デンマークでは、このコロナ禍であっても、一部の例外を除いて、生活困窮者・学習継続困難者が続出するような社会問題はありません。なぜなら、国も国民もそのような問題が起こることを良しとしない、備えあれば憂いなしの社会に共生・共存しているからです。
デンマーク人の誇りは「自由な国民である」ということで、今日デンマーク人が持つ一番の宝は「自由」と言っても過言ではありません。
ほとんどのデンマーク国民が、自分たちがマイナンバーの導入によって誇りとする自由を、国から奪われ監視、管理されているなどとは微塵も思っていないでしょう。
むしろマイナンバーは「自分の生活を守る大事な鍵」のようにさえ思っているのです。

一年の計は元旦にあり。
国家百年の計は教育にあり。
そして、日本が国家問題として抱える様々な困難に加えて、新型コロナウィルスが追い打ちをかけてきました。

少子超高齢化社会となる日本。
正解はもちろんありませんが、諸外国の良い点を十分に学んだうえで、どんどん取り入れていく心構えが必要です。

私たちは100年先など悠々と待ち構えているわけには行きません。
まずは、自分がどうしたいのか、どういきたいのか。
自分がなければ、学びも、決断も、行動も、社会を築くこともできません。
自分と自分、個人と個人の集まりが社会をつくり、社会が国を創っているのです。
今年も未来社会・真の民主国家、日本国を想い対話を続けていきたいと思いますので、みなさま宜しくお願い申し上げます。


2021年1月1日     千葉忠夫


あなたがサポートしてくれた費用は、今後設立予定のオンラインフォルケホイスコーレを盛り上げるための資金源とし、共に活動していく上で必要な人件費やイベントなどに使いたいと思います。