見出し画像

フィンランド企業でのインターンシップ、女性起業家/お母さんのもとで働いて学んだこと

修士論文が忙しく前回の投稿から大変期間が空いてしまいました。
これまでの出来事を少しずつ振り返っていきたいと思います。

今回はフィンランド企業でのインターンシップについて。
アアルト大学のインターンシップバウチャーを使ってフィンランド企業でインターンシップを2022年3月から2022年6月経験しました。
インターンシップバウチャーとはアアルト大学が学生のインターン先での給料を補填することで、企業側に学生を雇いやすくしています。最大で6ヶ月バウチャーを使えます。

・ポジションゲットまでの過程
アート、コンサル、教育機関などにインターンシップを募集していないかメールを送りました。3ヶ月ほど経ってからFinnish Art Agencyというところから連絡をもらえました。その後Zoomでミーティングを行い、その場でいつから始められるのか、給料はいくら欲しいのかなどを聞かれ、数日後に正式な返事が来ました。何もかもタイミングだなと、特にフィンランドの場合は、忘れた頃に企業から返信をもらうというケースも聞いたりします。気長に構えておく必要があるかなと思いました。

Finnish Art Agencyはアートのキュレーション、アーティストのコーチングをする企業。代表のLauraはかつてフィンランドの美術館のキュレーションをやっていて、アート業界やアーティストの大変さを実感したがゆえ、自身で会社を始め、アーティストのコーチングをメインに行っています。
サイトで紹介をしてもらいました。


・実際の業務
その中での私の業務は、ワークショップの企画、展示会の企画提案、アーティストのコーチングのアシストでした。業務内容はどういったことをやりたいか、できるかを話し合って決めていきました。
最初の仕事はTorni Hotelという歴史あるヘルシンキのホテルの部屋へのアート作品の納入・壁掛け。約400部屋全てに絵をかけていきます。アート業界の裏方の仕事を体験。前職の香りといい、アートといい、華やかに見える世界の裏は結構肉体労働だなと思ったりしました。おかげで、ホテルのバウチャーをもらえたのでいいのすが!
その後は、自分の裁量で仕事をやっていくことができました。コロナ直後であったこともあり、リモートとオフィスと半々で仕事をしていました。仕事を振るというよりも、私のやりたいことに沿って何ができるかを考えてくれ、仕事を振ってくれる上司というよりも同僚に近い感覚でLauraは接してくれました。もちろんアドバイスを求めると適宜スパッとアドバイスをくれます。
フィンランド語が必要だなと思う場面もありましたが、コーチングを行っているアーティストたちも多国籍のため多くの場面では英語で仕事が行われました。

・インターンシップでの収穫
フィンランド企業で働き、生のフィンランド人の働き方を見れたことは大きな収穫でした。特に、自分の会社をやりながら、2児の母である彼女のもとで働けたことは将来のキャリアプランを考える上でとても参考になりました。9時半頃出社し、16時にきっかりにはお子さんを保育園にピックアップに行き、たまに夜仕事してるのか、メールの返信が来るような感じです。
日本ではなかなか出会うことができなかった女性起業家兼お母さん。もちろんそれぞれに大変なことがあるとは思いますが、こちらでは特に珍しいことではないため、女性だからどうこうといったような印象は受けませんでした。Lauraと女性の社会進出について話したときに、男性と同じように働く女性もいるけれど、どうしても男女の違いはあるから、それぞれの得意な分野をやっていきながら共存していくのが理想的と話していました。ジェンダーギャップ指数で2位になっている、男女平等が進んだフィンランドでもそういったことを意識しながら働く必要があるのかと気付かされました。
ただ日本と同様、世代間による子育ての認識の違いはあるらしく、地方出身の親御さんからはベビーシッターに預けることを言ったりすると、自分の手で育てるのが当たり前と言われることもあるそうです。

私のやりたい方向性と彼女の会社のビジネスの方向性が異なったため、インターンシップはLauraと話し合い継続はしないことにしました。私は継続有無の探りを入れるために幾度か探りを入れましたが、数回くりかえしたのち、回りくどいやり方はやめて、何がしたいかお互いはっきりと言おうとLauraに提案されました。とてもフィンランドらしく、クリアでシンプルなコミュニケーション。日本人の私は英語に置き換えても直接的に物事を言うことをためらってしまいますが、そんな心配を一掃してくれる、フィンランド人のはっきりとしたコミュニケーション。意思決定がとても早くスムーズだなと。気持ち良く潔い会話。
フィンランド人は寡黙と言われています。加えて、本題にすぐに入る傾向があると思います。自分の時間も相手の時間も大切にしているがゆえに時間をきっちり守る。
とはいえフィンランド人女性はおしゃべり好きが多い印象です。Lauraとはインターン後も度々お茶にいき、会社の近況、フィンランドのアート業界の裏事情を聞いたり、パートナーの相談をしたりとおしゃべりを楽しんでいます。
インターンシップを通じて、フィンランドの美術館の館長などアート業界での人脈が広がりました。今回のインターンシップは直接仕事にはつながらなかったけれど、ロールモデルを見つけたこと、ここで築いた人脈からまた人のつながりが広がっていき、時間やお金では変えれないものを得ることができました。

この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?