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アアルト大学でのバイトでの学び、フィンランド人の働き方

現在フィンランドに自費留学しています。バイトをしないと赤字のため、2021年1月からアアルト大学でのResearch Assistantというバイトを始めました。週11時間 590€/月(時給1800円ほど)。リモートでの仕事がほとんどで、自由裁量で仕事ができるので割りの良いバイトです。このバイトを通じてフィンランドについて学んだことを紹介したいと思います。

■仕事内容
仕事内容はファシリテーション、マーケティング、教育の3つの要素があります。
私の所属するプログラムNoVA(Nordic Visual Studies in Art Education)内外でのイベントの企画、SNSの更新、ウェブサイト運営、次年度の学生のためのコース設計です。イベント企画、ウェブサイト運営、SNSの更新のほとんどは私の裁量で進めることができます。
NoVAのトップの教授は今年の1月に就任したばかりなので、一緒に探ってやっていこうねと、言ってくれるので、ただ言われた仕事をやるよりやりがいがあります。

・ファシリテーション
NoVA内部でのイベントは、在学生の学びや機会をより良いものにするため、他学部とのコラボレーション、大学授業のシステム関係者を呼んで説明会を開く、さらに問題が起こった時に話し合いの場を設けることです。必修単位をクラスの半数が落としたことがあった時は、それに対してまず生徒の意見を聞き、その後どうしていくべきかを教授を含めて話し合いました。

・マーケティング
SNSの更新はNoVAへの出願者や興味を持ってくれる人を増やすために、学生の活動や日常をアップしています。また将来の志願者のために、イベント企画・実行します。

・教育
そして今受けている必修教科に対する学生たちの意見を生かして、次年度の学生のためのコース設計を教授とコース設計担当と行います。例えば、Nordicとあるのに課題の論文がイギリスやアメリカのものばかりで、もっと北欧のアート教育を学びたいという意見が多くありました。それを授業に取り入れてもらうよう教授にお願いをしたりしながら、生徒と教授の両方の立場を考えて、ことを進めなければなりません。同級生であり友人の意見を聞きすぎてもダメですし、間に入ることは難しいですが、角が立たない言い回しや裁量の取り方など、学びが多いです。

■大学組織で働くメリット
・大学内でのコネクションができる
学部の教授、IT担当者、人事担当者、キャリア担当など様々な人と仕事をするため、大学内でのコネクションができます。

・教師向けのトレーニングを受けることができる              教師向けのプレゼン研修や、オンライン授業の注意点などのトレーニングを受けることができます。

・フィンランドの教育・アート組織、企業とのコネクションができる
大学外の組織ともイベントを企画する機会があるため、そこで担当者とのコネクションができます。私の前任者は教授からそう言った組織を推薦してもらい、就職先を決めています。

・より大学院での学びが深くなる
アアルト大学について外部に発信する機会も増えるので大学の歴史や組織について知ろうというモチベーションも高まります。何より自分が何を学んだかを発信する機会が英語で増えることできちんと頭に入っていることと、入っていないことが明確になります。そこから頭に入っていないことはもう一度学び直そうと学習の質が上がります。

・英語でのディスカッションの進め方の違いを学ぶ
ディスカッションと一口で言っても時と場合により進め方が異なります。
仕事ではより目的、ステークホルダーが重視され、授業では議論を発展させるような意見、ユニークな視点が求められます。日本語であっても同じですが、それぞれの会議の目的やシチュエーションを見極めて、ディスカッションを進めていくことを学びました。

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■バイトを通してフィンランド人の働き方で気付いたこと
・本題に入るのがとても早い
最近どう?と言った会話から始まることが多いと思いますが、その雑談の時間がどの人と話してもとても短く、本題に入るまでの時間が短いです。そのためミーティングは効率よく進みます。

・時間に厳しい
フィンランド人はとても時間にとても正確です。ミーティング開始の数分前にはZoomにログインし、ミーティングが終わる数分前には終わりの準備をする人がほとんどです。予定より2分超えただけで謝られることもありました。

・休みはしっかり休む
土日祝日にメールが来ることはまずありません。しっかり休み、平日はしっかり働きます。長い休暇があるとコテージ(別荘)に行ったり、今はコテージからリモートで働いている人も多いです。

・男女平等・立場の公平性
半数以上を女性が占めていて、積極的に発言しているのをみてさすが男女平等指数第2位の国だなと。そして、性別だけではなく、立場の公平性も感じます。学生バイトであっても、学部全体の教授会議に参加でき、発言も自由にできることが何よりも驚きました。学生だから、バイトだからと色をつけるのではなく、公平に意見を聞いてくれます。私は教授が描くNoVAのビジョンに従って仕事をしていくのかと思ったら、教授に「正解はないから、NoVAのみんなと一緒に築いて行こう」、と言われモチベーションが上がりました。

勉強との両立が大変な時がありますが、働けなかった時間を次週に回したりできたり柔軟性がありとても助かっています。お金のために始めた仕事でしたが、とても尊敬できる教授と働くこともでき、フィンランド人の働き方についてお金以上の学びがあり始めてよかったです。

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