見出し画像

障害を持つアーティストと一緒に絵を描く仲間になりたい!!

絵は障害をこえる

こんにちは。建築学生兼イラストレーターの北林です。
私たちは「障害者と一緒に絵を描く対話手法」と「その関係が生まれる居場所」を作ろうとしています。

絵は言語に代替する意思疎通のツール

私は小さいころから絵を描くことが好きです。素敵な作品を生み出すことはもちろんですが、自分の気持ちを表現することを主な目的として描き続けてきました。言葉にして伝えるのは恥ずかしいけれど、絵を描くことを通じてなら自由に表現できるところが魅力です。

元人魚/ビビ(https://x.com/25251072_0147
院試の勉強で疲れて果てていた時の感情から生まれた絵

一方で、私のダウン症の弟も絵を意思疎通の道具として使っています。
弟は言葉をうまくしゃべれない分、周りの人に何かを伝えるとき、絵を描いて意思表示をすることがあります。

弟作
たぶん、好きなテレビ番組のキャラクターたち

私たち姉弟の経験から、「絵を描くこと」は、障害を越えたコミュニケーションになるのではないかと考えました。

想いが筆に表れている

浅草みらいど ユニバース(https://care-net.biz/13/asakusa-miraido/b15.php)の
利用者さんが描いた絵

障害を持つ多くの方々の作品は、まっすぐで純粋な表現が特徴です。言葉では表現しきれない思いを筆を通じて発散させているように感じます。
彼らが絵を描く目的は素敵な作品を生み出すことなのでしょうか。私には彼らが純粋に筆を通して喋っているようにも見えます。

私たちの「描けない!」を柔らかくほどいてくれるかもしれない

弟と一緒にお絵描きをしたとき

先日、弟と一緒に絵を描く機会がありました。水彩絵の具を渡し、「自由に一緒に描こう」と伝えて描き始めました。
私はいつも通りの画風の女の子を描いていましたが、向かいで弟が迷いなく謎の図形や線を引いている姿を見て、気づいたらその筆跡を真似していました。

一緒に描いた絵

私たちは絵を描くときにどうしても「上手に描かなければいけない」と思ってしまいます。いきなり紙とペンを渡されて何か描いて!と言われたら、怖くて何も描ける気がしませんよね。

しかし、弟と一緒に絵を描いているとき、弟の筆跡を真似している間だけ、自分の中から上手い下手の評価軸が消え、ただ単純に線を描くことを楽しめていることに気が付きました。

上手い下手の評価軸の中で絵を見る・描く私たちにとって、その軸から逸脱する体験は貴重です。これにより、絵を描くことにコンプレックスを抱える人たちが「表現する」という新しい楽しみを見つけるきっかけになります。

一緒に描くことで私たちは言語を使わない対話を行うことができます。
言語だと築けない関係を、絵を描くことを通じて生み出せるのです!

不思議とリードされているような感覚。それがとっても心地のいい体験でした。

対話型お絵描きツール Enoniwa

Enoniwa(絵の庭)

誰もが表現そのものを楽しみながら一緒に絵を描くことができる、対話型お絵描きツールを考えました。

①対話の手法

■筆跡を追いかける

動画

障害を持つアーティストたちが絵を描く過程の筆跡を録画します。
その動画内の「動く筆跡」を頼りに、私たちは遊ぶように線を描きます

■レイヤーが重なる

様々な人のレイヤーが重なる
  • 障害者から生まれた「動く筆跡レイヤー」が一番下に存在します。私たちはその上に自分のレイヤーを作り、動く筆跡と一緒に線を描きます。この時、障害者と自分のレイヤーだけでなく、別の人のレイヤーも表示することが可能です。

  • 動画は一定の速度でループし続けます。

  • 動く筆跡を真似して一緒に〇を描いてみたり、なぞってみたり、色塗りをしたり、障害者の筆跡を足掛かりに様々な表現方法を試すことができます。

時間をかけて、様々な人が一枚の絵に対して手を加えて育てていく。
そのような意味から、Enoniwa(絵の庭)と名付けました。

対話型お絵描きでみんなが表現者に!

このツールによって、障害者と私たちの関係に新しい選択肢を作ります。

障害者のアートを商品化・額縁化することで消費に繋げる

障害者の社会参加が求められている現代において、両者をつなぐ架け橋として注目されているのがアートです。
そして現状、アートの生産者(障害者)と消費者(私たち)のような関係が築かれており、障害者の社会参加や工賃の向上、障害理解に繋がる

Enoniwaが描く未来

その一方で、前述のとおり、私たちはアート(=絵を描くこと)を対話の道具として捉えています。Enoniwaで一緒に絵を描く体験をすることで、一緒に表現しあう仲間=対等な関係を少しずつ築くことができると思います。

「素晴らしい作品を生み出すアーティスト!」というリスペクトを持った接し方はもちろん必要ですが、それだけでなく、「一緒に絵を描く友達!」のようなナチュラルな関係を築ける機会があってもいいのではないでしょうか。

障害者を表現者として捉え、みんなで一緒に表現し合う機会を私たちが作る
ことで、世の中はもっと創造性に満ち溢れると信じています。
みなさん、一緒に絵を描きませんか?

プロジェクトメンバー募集中です!

Enoniwaプロジェクトを一緒に進めてくれる人を絶賛大募集中です。
少しでも興味を持った方がいればSNS等でお声がけください!
以下メールでもOKです。
vivi25251072[ ]gmail.com ※[]内は@にしてください
#アート #福祉#建築#プログラミング#コミュニケーションデザイン

※プログラミングできる方、ジェネラティブアートに興味のある方…助けてください…(エンジニア班の人出が足りていません)

ASIBA FES2024 開催決定!

【ASIBA FES 2024】
「そのまなざしは『イマ』を超えるか」

建築・都市領域から未来を描き出そうとする若者が集まるASIBA FES。目の前の現実に挑戦するASIBAメンバーのまなざしは、この世界をどのように捉え、どこへ向かいたいと願うのか。ASIBA2期に参加した19のプロジェクトがそれぞれの言葉で、モノで、体験で、その先に見出した社会の輪郭を共有します。世代を越えて、組織を越えて、「イマ」の社会を越えて、ともにまなざしの先へ。複数の未来が交錯する場で、お会いしましょう。

当日はEnoniwaの体験ができるブースを用意します!
気になった方は是非お越しください!

日時:7/6(土) 12:00-20:00 ※途中入退場可
場所:温故創新の森 NOVARE (https://maps.app.goo.gl/EwKcC26QUyZ7qLyx8)
内容:ブース展示、ワークショップ、ファイナルピッチ、若手対談、NOVAREツアー、他

▼参加申し込みはこちら

Enoniwa 北林


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?