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穴の空いた靴下繕って、お前を育ててる〜お金の呪い〜

小学校低学年の頃でした。
祖母は祖父と喧嘩し、子分(笑)の母とわたしを引き連れてストやってたんです。
古くて暗くて狭い離れに移り、わたしは不満たらたらでした。
なんせ寒いし(笑)こたつに入ってるしかないけど、寝転べば硬い畳で体が落ち着かない。本もないし寝転んでるしかない。ちょっと動いたりその辺を見回れば「うるさい」が飛んでくる。昼からほぼ寝てる母と祖母は、ちょっとした足音で「うるさい」と唸りを上げました。走ってたわけではない、抜き足差し足歩いていてもうるさいが飛んでくる。
そしてとうとうかんしゃくを起こしました。
「もうやだ!おうちかえる!!」と。
祖母は活火山なので、そこから先はお決まりの大噴火。
じいさんと生きていけ、お前の面倒はみない、この恩知らず…3時間ほどにわたる大噴火。
その中で飛び出した言葉。
「穴の空いた靴下繕って履いてでもお前を育ててやっているのに!!」
頼んでないしそこまでしないといけないような経済状態でもない、あなたが買う国産牛をアメリカ産とかオーストラリア産に変えたら靴下ぐらい買える…でも祖母の中ではそういうことではなかったようで。
育ててもらった恩を返せ、というのは毎日のように囁かれる言葉で。
本や文具や服は恥ずかしくないようにと惜しげもなく与える一方で、遊びに行った帰りにお小遣いでお土産にエッグタルトを買ったら無駄遣い、お金の使い道を知らない子ども、と言われる。
わたしが買いたいもの、欲しいものは否定しまくる。
中学生の頃だったか、友達とのお出かけに、金具の錆びた、おもちゃのような鞄しかなかったけど、買ってほしいと言えずに、でもその鞄で行くのは恥ずかしくて、前日にボロボロ泣き出したこともありました。
おねだりというのがとにかくできなかった。生活必需品以外をほしいと言ってはいけないと思っていた。
わたしは祖母や母に困窮させてるお荷物…そんな考えが、こんな出来事たちを通して完成しちゃったような気がします。



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