僕は青色だった



あの子はいつもの曲がり角から微笑んでみせた。
彼女の首元できらりと光る水滴が僕を泳がせる。
彼女はこちらへ全速力でやってくる。
僕の水滴がおでこから頬をつたって首元へ流れる。
夏がとうとうやってきたのだ。
どんどんと大きくなる彼女に僕の心臓はどんどんうるさくなった。
心臓の音が鼓膜を突き破りそうになった瞬間、誰かを呼ぶ声がして、彼女は通り過ぎていった。
美しかった。
しばらく立ち尽くしていると、視線の先には透明の彼女がいた。
僕は思いっきり反対方向に階段を駆け降りた。























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