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🦗掌の中にまだ残りたるばつたの香色褪せぬよう君へ忍ぶ足 【短歌〜解説ポエム付〜】

お〜いお茶3年連続佳作特別賞受賞俳句歌人の粕谷経です。
毎年世界中から200万句が集まる中ペットボトルに載る佳作特別賞以上は2,000句のみ激戦の1000倍を3年連続突破しています!


亡くなった双子の兄への挽歌(短歌)シリーズ



掌の中にまだ残りたるばつたの香
色褪せぬよう君へ忍ぶ足


解説ポエム

少し雨の匂いのする広い草原。
君は足が濡れるから嫌だよと不機嫌に頬を膨らませている。

僕が持っていないゲームの世界の中にいる。
何度か君から説明を受けた世界は、僕にはよくわからないなと言ったら、
怒りっぽい君はとても怒っていた。


今思い出すとなんだかおかしな二人の会話。


僕は一人で草原に出かける。
僕の身体の半分を隠すくらいに草は伸びている。

まるで海の沖に身を進めていくサーファーみたいに。


僕は君とは違う世界に入る。
僕は君とは違う世界に居る。


でも、僕は背中に君の視線を感じる。
きっと君は僕をみている。


なんでわかるか、わかるかい?
僕は君の優しさを世界で一番知っているからさ。


草原の中で僕は君へのプレゼントを探す。
いくつかの小さな花たちを摘んでいたら何かが頬にぺチョンってついた。


そいつが逃げてしまわないように
ゆっくり掌で覆ったんだ


そいつが逃げてしまわないように
ゆっくり掌で包む



雨を含んだ匂いとバッタの香りが逃げてしまわないように
優しくふわっと包む


そんな香りが逃げてしまわないように
色褪せてしまわないように慎重に


僕は君との距離を忍足で埋めていく


少しニヤニヤしながら
逃げないように真剣な顔と交互に変えながら




最後まで読んでいただきありがとうございました!!!!

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粕谷 経

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