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恵みの島、奄美 9

ホテルで私は4時半からの、フリーのヨガクラスに参加することにする。そのあと温泉だ。夫は4時にまず温泉を利用し、その後、有料のマッサージを受けるという。

部屋には、着心地がよいという部屋着が用意されており、レストラン以外の場所では、その部屋着で過ごして構わないという。ヨガも部屋着で参加していいし、当然温泉にも部屋着で向かって構わないらしい。
ちなみに部屋には、お茶やコーヒーなど、一式が備え付けられており、黒糖かりんとうのおやつもある。冷蔵庫の中もフリードリンクで、ジュースやお茶のほか、オリオンビール2本も含まれている。

お茶コーナー
もうすでにオリオンビールを一本飲んだ後



4時前になると、夫は温泉(露天風呂)に向かい、私は4時を過ぎると、お風呂の準備をして海辺に向かう。ホテルのすぐ目の前が海なので、ヨガクラスが始まるまで、少し海辺を歩いてみようと思ったのだ。
そうこうしているうちに程なく、ヨガクラスの開始時刻になる。屋外のウッドデッキにはヨガマットが2枚あったので、参加者が2人いるのかと思っていたら、参加者は私一人だった。もっとも、私は冬休みを取って旅行しているが、普通の会社員は月曜からは仕事なので、宿泊者じたいがそう多くはないのだろう。
ヨガは30分間のクラスだった。私好みの、のんびりしたアーサナのクラスだったので、楽しめた。何より奄美の気候が、暑すぎず寒すぎず非常に快適だった。加えて、海を見ながら、波の音を聞きながらのアーサナが、なんとも言えず気持ちよかった。講師の先生が私と同郷であることもわかり、地元の話でも盛り上がった。先生に、
「30分のクラスでなければ、この海辺でしばらくただシャバアーサナ(死者のポーズ。力を抜いてただ横たわる)していたいでしょう?」
という、もっともな指摘を受ける。しかし私は温泉に浸かって、6時に食事に向かわなくてはならないので、世界でいちばん好きなポーズであるシャバアーサナは我慢して、温泉に向かう。こんなところでまで、時間に追われている!

温泉から上がると、ほとんど休む間もなく食事の時間になる。
旅行代金に食事は含まれていなかったので、ホテルの食事を別途予約していた。食事は、和食かイタリアンを選ぶことができたのだが、前の日が和食だったので、イタリアンを頼んだ。
割合高級なホテルだったので、食事料金は一人当たり13200円だった(むろん飲み物は別)。高いものは美味しくて当たり前なので、13200円であることを考えると、点は辛くなるが、素材は新鮮だし、間違いなく美味しいことは美味しかった。
ただ、あとで知ったことだが、ここを普通に一休などの予約サイトで予約をすると、2食を付けても今の時期、平日だと1人1泊40000円しないようだ。その値段なら、十分に満足できる内容だと思う(今回私は旅行代理店を通したので高くついた)。

奄美産鮮魚のカルパッチョ
季節野菜のサラダ仕立て黒オリーブ風味
ササミのコトレッタと
空豆と百合根の焼きリゾット
夷守ポークスペアリブのラグーと
ホウレンソウのスパゲッティーニ
鹿児島県産鯛のポワレとカリフラワーのスープ 
黒キャベツのソテー
鹿児島黒牛もも肉の炭火焼き
金柑のソース



ちなみに奄美大島には、外国人観光客はほとんど来ないらしい。外国人は奄美を通り越して沖縄まで行ってしまうのだそうだ。
それはそうだろう。旅行フリークで沖縄には何度も行っている私でも、奄美には初めて来ているのだから。奄美には私のような、沖縄から流れてきた国内客がやってきているらしい。
しかしそれゆえに荒らされておらず、とてもよい。時として整備も足りていないが、考えようによっては、そういう手慣れていない感じも、この島のよさだと言えるだろう。〈10に続く〉

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