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恵みの島、奄美 2

奄美大島には、自由旅行でやってきた。航空券とレンタカーとホテルの手配だけ旅行代理店にやってもらって、あとは自由行動である。

しかしよく確認しなかったので、飛行機は直行便じゃなかった。おいおい、待ってくれよ、と私は思う。そんなに遠くに行くわけじゃないのに、乗り継ぎなんてしてたら、時間がもったいないじゃないか。
しかし全ては後の祭りだった。だって私がそれを知ったのは、最終行程表でのことだ。今さらどうしようもない。
しかも直行便でないことが災いしたのか、飛行機の出発時刻は羽田発朝7時20分だ。最寄り駅から始発で行くと、乗り換えが1回で済むもっとも楽なルートで、6時過ぎには空港に着く。しかし次の電車は30分後、もしくは、乗り換え回数の多い経路で遠回りして向かうしかない。
飛行機旅行で、あまりギリギリに到着するのはスリリングに過ぎるので、始発を選択した。しかし始発って。どこのスパルタ旅行だ⁈

そんなわけで奄美には、11時前に到着した。あんまり嬉しくない。だってのんびり旅行派としては、頑張って観光なんかしたくない。おまけに雨が降っているのだ。早くホテルに入りたいのに、チェックインはどこのホテルでも、たいがい3時ではないか!

空港に着くと、まずはレンタカーを借りる。車なんて極力運転したくはないのだが、島には鉄道がないのだから仕方ない。
レンタカーを借りて出発しようとすると、なぜか店に移動式パン屋がパンを売りに来ていたのでとても興味深く、つい買ってしまいそうになる。しかしそこはぐっと我慢する。
朝ごはんは羽田空港でパンを齧っただけだったから、お腹がすいた、と王子様(夫)が言う。だから私たちはまず、お昼ごはんを食べに行くことにする。旅行会社が昼ごはんのクーポンを、1枚プレゼントしてくれたのだ。奄美名物鶏飯。名前は聞いたことがある。滞在中に好きなタイミングで使えばいいらしいが、到着日にさっそくそこでお昼を食べることにする。
ナビによれば、空港から車で30分弱で店まで到着するらしい。ところが思ったより早く店に着く。
ナビが喋らないものだから、一度店を通り過ぎてしまって、バックしなくてはならなかった。あとでナビの設定を変えなくてはならない。喋らないナビなんて、単なる地図ではないか!

けいはんひさ倉は、ガイドブックなどにも出ているし、地元めいた店なのかと思っていたら、(地元めいた店なのかもしれないが)昔のドライブインみたいな風情だ。駐車場もあって、店も結構広いので、待たなきゃ入れないなんてことはない。クーポンで提供されるものは鶏飯であるらしいが、王子様はちゃっかりと、運転手を目の前に、ビールを頼む。

お店の外観


鶏飯は、ごはんとスープと具が別々にやってくる。ごはんをよそってその上に具を乗せ、スープをかけて食べるらしい。
はっきり言って、鶏飯がどういうものか知らないので、美味しいのかどうか判断のしようがないが、肝心の鶏肉はパサパサしているようにも思える。しかしかけ汁のスープが非常に美味しいのと、さらさらとしていてお茶漬けみたいで、トータル的に考えると、なかなか美味しいと言ってよいだろう。

お昼を終えてもまだ12時半。ホテルにチェックインするには早すぎる。しかし雨も降っているので、少なくとも屋外を観光したいという気持ちにはなれない。私たちはホテルにアタックしてみることにした。なにせこっちは始発で来ているのだ。休めるものなら少し休みたい。〈3に続く〉

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