『ボウリング・フォー・コロンバイン』と犯罪者予備軍だと決めつけられるオタク
僕が無差別殺人事件を起こして捕まった時。
自宅にアニメや漫画やゲームなどは一切なく、サッカーグッズしかなかったら。
マスコミはどうやって僕のことをテレビで紹介するのでしょうか?
世間はやたらとオタクを敵対視している。
ワイドショーを見るたびに「凶悪犯=アニメオタク」だという方程式をみんなに植え付けたがっている。強い信念を感じさせるのです。
今回ご紹介するドキュメンタリー映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」なのですが。
コロンバイン高校銃乱射事件を元に、アメリカがいかに銃にまみれた国なのか。
世間やメディアでは、事件をおこした少年達の原因をアニメや、映画、ゲーム、音楽などのアーティストたちのせいにしていく中。
「でも、犯人の少年たちは事件前にボウリングをやってたから、原因はボウリングにあるんじゃね?」と。
原因をそちらの方から探していこうとするのです。ドキュメンタリー映画は数あれど、ここまで挑戦的な内容は珍しいと思う。
オタクが世間に対して言いがちな皮肉「はいはい、ゲームのせいゲームのせい」を映画にしたような悪ノリを感じるのですが。
それを、アメリカという暴力的な国で生まれ育った監督が撮ったというのが興味深い。
内容としては、説教臭いものではなく、あくまでもコミカルかつユーモアを交えて、アメリカの成り立ちや銃の歴史を説明してくれるので、楽しみながらすっと頭の中に入っていく。偏差値40の僕でも理解できる。
中でも、ミュージシャンのマリリン・マンソンがインタビューに応じる場面は必見です。
「もし、コロンバインの犯人の少年たちに何か言うことができたら、なんて言う?」と聞かれると。
「何も言わない。彼らが言いたいことを聞いてあげる。そんなこと誰も彼らのためにしてあげなかったと思うから。」
なんか、彼が一番まともな対応をしているのが、皮肉というか、なんというか……。
いかに権威のある大人たちが見当違いな教育をしているのか、突き付けられてるみたいで面白いんですよね。
ものすごく有名な映画なので、敢えて僕が紹介する必要性があったのか大いに疑問だったのですが。
世間がアニメオタクに対して文句を言ってくるので、僕も一言言い返さないと気が済まなかったのです。
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