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囚われを捨てるのが賢者の選択

今回は、株式会社らしさラボの代表取締役である伊庭正康氏の著書
「すべてを手にする人が捨てている41のこと」
という本の内容を紹介します。

今の自分を変えようと、資格や語学の勉強に励んでいる方も
いらっしゃるかもしれません。
しかし、それは果たして心の底からやりたいことなのでしょうか・・・
もしそうでなければ、あなたはもう頑張るべきでないというのが
著者の主張です。

私たちは、ちょっとした囚われを捨てるだけで、今とは全く別の世界で
輝くことができるそうです。
本の内容を通して、人生を好転させていくための秘訣を
教えてもらいましょう。






人が苦手という思い込みを捨てる

口下手で、人と会話をするのが苦手という人もいると思います。
そんな人たちが初対面の人とときには、
「緊張していることを悟られないだろうか」と焦ってしまい、
無理にでもちゃんとした人を演じようとしてしまいます。

しかし、結局は思ったようにいかず落ち込んでしまうのです。
でも本当は、照れ屋で口下手であることを気にする必要はありません。
話をすることが苦手なら、頑張って話そうとする必要はありません。
会話が続かなくて迷惑をかけてしまっていると思う必要もありません。
実際に迷惑をかけているのは、自分の話題ばかりを一方的に
話してくるような人だったりします。

口下手な人は、ちゃんと話せる人だと見られるように
取り繕うのではなくて、照れ屋であることを活かして
聞き上手に徹すると好感度が上がります。

「賢者は聞き、愚者は語る」という格言があるように、
話が上手いとか、口下手であるということは、生きていく上では
実はどうでもいいことですから、上手な聞き役に回ることで
相手からの信頼を得やすくなります。


それではここで、聞き上手になるためのコツを伝授します。
日常生活などで誰かと会話をするときに、相手の話にうまく
反応できるかどうか不安であるという人は、
ぜひ使ってみてください。

・どうして?
・どんな?
・どのように?

この3つの「ど」を使って質問するだけです。
これを心掛けていれば、変な間が空いたり、すぐに会話が途切れて
気まずくなるのを防ぎ、どこまでも会話が広がります。





NOと言えない自分を捨てる

誘われたら「NO」とは言えないとか、飲み会に誘われたら少しでも
顔を出しておくべきなのかと思ってしまう・・・・
そんな風に悩んでいる方が、結構多いのではないでしょうか。

人付き合いは大切ですから、断りづらいという気持ちは
分かりますが、気乗りしないのに全ての誘いを受けていると、
いずれあなたは大切なものを失ってしまうことになるでしょう。
体や心を壊してしまってからでは手遅れになってしまうので、
はっきりと断ることも重要です。

相手から、「付き合いが悪いなぁ」と思われずに
うまく断りたい場合は、「Yes&Ifで断る」という方法で
解決します。

例えば、「お誘いありがとうございます、今日は時間が無いので、
明日でしたら・・・・」というように、一旦肯定した後で
さらりと代替案を出すのが Yes&If です。

他にも、「Yes&Bat法」というのもありますが、コミュニケーションの
本などでよく紹介されているので、聞いたことがあるかもしれません。
これは、「お誘いありがとうございます、ただ今日は・・・・」と、
一旦肯定した後に反論するという流れになります。
もちろんこれも悪くないのですが、Yes&If の方が
スマートだと思いませんか?

多少文脈がおかしくても整うようになっていますで、お互いが
気持ちよく終わるためには Yes&If を実践してみてください。





「今の一万円」を捨てる

皆さんは、節約家と聞けばどのように思いますか。
「節約家=ケチ」というイメージを持っている人も
いるかもしれませんが、今ここでそのイメージを
正しておきましょう。
節約家とケチは、似ているようで全く違います。

節約家はムダを省き、残ったお金を大切な物事に回す人のことで、
節約家の人は、人生を豊かにするお金の使い方を
きちんと理解できています。
喜んでもらえるのであれば、他人にお金を使うことを
無駄だとは思わずに、自分の未来のための投資ならば
大胆な判断をします。

一方で、ケチというのは目先の得を重要視し、大切な物事であっても
出し惜しみをする人のことを言うのです。
他人のためにも、自分の未来のためにもお金を使おうとしません。
はっきり言いますが、そのようなケチな人には、お金も人も
寄ってこないので注意が必要です。

毎月使えるお金は人それぞれですから、たくさん寄付を
しなさいとか、そういうことを言っている訳ではありません。
もし今の所持金が1万円あったとしたら、そのうちの千円を
自分の未来のため、あるいは誰かのために使います。
もちろん500円でもOKですが、あなたのできる範囲で、
目先の得以外の物事にお金を使うのです。



お金の使い方ひとつで、人生は大きく変わります。
一例として、年金で暮らしている、ある老夫婦のエピソードを
紹介します。
その夫婦は、ある時あるディーラーの営業マンから
国産の小型車を買いました。
その営業マンの対応が素晴らしかったらしく、老夫婦はその方に
感謝の気持ちを込めて1万円のネクタイをプレゼントしました。
営業マンはとても驚き、こんなに嬉しいことはないと喜んでくれました。
この時、老夫婦の財布からは1万円が消えましたが、ケチな人なら
こう思うでしょう・・・・

「車を購入して売上に貢献したんだから、わざわざそんなお金を
ドブに捨てるようなことまでしなくても良いのに」

それでも、老夫婦にとってはこれが正しいお金の使い方なので、
本人たちは満足しているのです。
そして、そんな彼らには不思議なことがよく起こると言います。
例えば、駅まで歩いている途中で、スッと目の前に車が止まり、
「乗ってくださいよ」と声を掛けられたり、
家を建てようかと迷っていた時に、大工が集まってきて、
好意で家を建ててくれるという提案があり、建材費と手間賃だけで
家が建ったそうです。

彼らは、自分たちのためだけにお金を使っていないので、
新たな循環が生まれ、他人に与えた喜びや、自分の将来への投資が、
時を経て戻ってきているのです。

上手な節約を知れば人生はうまくいきますので、これまでの自分が
どうだったか考えてみて、これからは節約家を目指して
いってほしいと思います。





栄光浴(えいこうよく)を捨てる

自分のことを良く見せようと思ってしまうのが人間の性です。

しかし、その感情を捨てることが出来るようになった暁に、
あなたは人から愛されるようになります。
心理学の言葉で、栄光浴という考え方があります。
欲深いの「欲」ではなく、日光浴の「浴」と書きますが、
他人の栄光や、ブランドなどの威光を浴びるということで、
それらが自分と関係があると誇示し、自尊感情を高めていく
心理のことを言います。

皆さんにも思い当たる節がありませんか?
例えば、著名人と一緒に写った写真、高級ホテルやレストランでの
食事風景など、自分のイケてる感じを誰かに見てほしい・・・・
イイねボタンを押してほしい・・・・

はっきり言いますが、これらの栄光浴は今すぐ捨てるべきです。
相手から反応をもらえた時は確かに気持ちよくて、自尊感情を
満たせたように感じるかもしれませんが、
すぐにぽっかりと穴が開くことになってしまうのです。

栄光をひけらかされた周りの人は、あなたとの関係上
「すごいね」という以外の選択肢が無いだけです。
その反応を真に受けて、悦に浸るのは一瞬のことですから、
高揚感はすぐに冷めてしまい、不安が襲ってきます。
それは、本当の自信に裏付けられた自尊感情ではないからです。

そして中毒にかかったように、日光浴に行くように、
栄光浴に出かけては、ふとした時に寂しさを感じるということを
繰り返してしまいます。
人の関心を引こうとする栄光浴は、自傷行為と
似ているところがあります。

わざわざそのような事をして自分の存在を確かめようと
しなくても、周りの人たちは「ありのまま」のあなたを
受け入れてくれるはずなのです。
その事実を知ることこそが、本物の自信を
作り上げていくための近道です。





「弱音を吐かない」という美意識を捨てる

例えば、「辛いのはお前だけじゃないんだ」とか、
「我慢しなさい」とか、「泣き言を言うな」とか・・・・
子供の頃からこのように言われてきた人は
多いのではないでしょうか。

特に、長男、長女などは「お兄ちゃんなんだから・・・」
「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」などと
言われたことがあるでしょう。
こんなことを言われ続けていると、自然と弱音を吐いては
いけないと思ってしまいます。

しかし、どんなに辛いことがあっても弱音を吐かない、
弱い自分は見せないということでは、いつか自分の心が
壊れてしまう時が来るかもしれません。
ですから今日からは、もうそんな風に思わなくて大丈夫です。

弱音を吐いた方が、人生上手くいくというエピソードが
あるので紹介します。
あるソフトウェア会社を営むAさんは、従業員30人程度の
小さな会社ですが、経営は極めて順調です。
しかし、創業当時のAさんは、ソフトウェアどころか
エクセルの数式設定すらまともにできなかったと言います。
それなのになぜ、ソフトウェア会社を立ち上げることに
成功したのか、理由は簡単です。
それはAさんの元に、Aさんが苦手なことを代わりに
やってくれる人が集まったからです。

Aさんのことを慕うソフトウェアが得意な人、経理に強い人、
営業ができる人まで現れ、さらにその人たちが
別の優秀な人を呼ぶようになったのです。
全てを一人で抱え込むのではなく、苦手なことは得意な人に
任せるべきだということを、皆さんも聞いたことが
あると思います。

しかし、あなたが苦手なことをカバーしてくれる人が
周りにいないのであれば、頼ることはできません。
Aさんを慕う人が、なぜ次々に集まったのでしょうか?

・・・・・・

それは、「Aさんがよく弱音を吐く人間だから」だったのです。


・やりたい事があるけど、自分一人では出来ないんだ
・困っている、助けてほしい

といった具合に、出来ないことは出来ないとはっきり言って、
困っていることを素直に言うのです。
「弱音を吐くな」と自分に言い聞かせていると、こんなことで
人に頼ってはいけないと思い、結果独りで苦しむことに
なってしまいます。

また、弱音を吐かない人というのは注意をしていない限り、
どうしても人に厳しくなりがちになってしまい、
それが結果的に人を遠ざけてしまいます。
人生では、弱音を吐けた方が絶対に良いので、他人を信じて
お願いするという信頼関係が、チーム(組織)で
行動するにあたっては重要なことになります。

困っているとか、助けてほしいという弱音を素直に口にすると、
あなたを信頼している人が集まってきて、
協力してくれるでしょう。
弱音を吐くことは人に頼る力であり、大切なスキルの一つなのです。





常に自分が決める

ここまで捨てることの大切さを書いてきましたが、
最後に捨ててはいけない事について取り上げます。
それは、「常に自分が決める」ということです。

「周りの人もそうだから、私もそうするよ」とか、
「あの人がこう言ったから私もそうする」というのは、
日本人によくある考え方だと思います。

自分の頭でいろいろ考えた末に、結局みんなが選んだ方向へ
行くことになったのなら良いです。
しかし、普通はこっちだからということだけを基準として
自分の行く方向を決める姿勢では、間違いなく途中で
困ることになります。

あると期待していた道が無かった・・・
以前あった道が、今はもうなくなっていた・・・
自分の頭で考えない人は、「みんなはどうするんだろうか?」と、
人が選んだ答えの中から自分の道を選ぶことになります。
それしか選択肢を持っていないのです。

しかし、みんなと同じことをしている先に、
成功を見出すことは難しいでしょう。
それで成功できるのなら、すでにみんな成功者になっています。
時には、人と反対の方向に向かうこともあるかもしれないし、
「そんなやり方は無謀だからやめておけ」と止められるかもしれません。
でも、そのアドバイスに根拠なんて何一つないのです。
自分の頭で考えて決めることが出来る人は、そうでない人よりも
多くの選択肢を見つけることができます。

自分で決めるので、自分にとって最も歩きやすい道を
選ぶことが出来るし、誰よりも早く目的地に辿り着くことも
可能でしょう。
もちろん、憧れている人や尊敬している人の意見を参考に
するなと言っている訳ではありませんが、それを鵜呑みにして
自分の頭で考えることを怠ってはいけません。
どんなアドバイスよりも、自分で考えたその事実が、
あなたにとって最も大切なこととなるのです。

「常に自分が決めるということ」
これだけは捨ててはならないと指摘しておきます。



41個全てを書いている訳ではありませんから、ここまで読んで
いただいて、この本が気に入ったという人は、
書店でお買い求めください。


終わり

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