（４４）　犯人探し

tonk@第四章

こんばんは．今日もお疲れ様でした．
今日は予期せぬ残業があり，改めて新幹線で通勤してよかったと感じています．

さて，今日はこんなことがありました
「AさんがDさんに悪口言いました」
と急にぼくに報告するBさん．
Aさんは，言ってないといいます．
「いや，言った！」
と，Bさんは怒ってます．
Aさんに聞いたら，言ってないといいます
Dさんと，周りにいる子供みんなに聞いても，言ってなかったと言いました。

その後，AさんはBさんに
「言ってないけど，怒らせてごめんね」
と言いました．
Bさんは，首を横に振って，教室から出て行きました。

Aさんは，泣き出しました。

ぼくの憶測ですが
Bさんは，多分，これまで，叱られてばかりきていたと思います．
だから，他人のあらを探して，その子が叱られることを望んでいるように思えます．
Aさんは，極度に他人の評価を気にしているように感じます．日々の生活でも，自分のしたいことはいつも後回し，ゆずることがいいこと，我慢することがいいこと．そう思っているような気がします．

ぼくは，Aさんに
「本当に言ってないんだね？」と聞くと
Aさんは頷きました．
「どうして涙が出てきたんだろう」
Aさんは
「Bさんが許してくれなくて，怒ったから」
と言いました。
「大切なのは，自分だよ？自分がしてないって言えるなら，それでいいの．Bさんに伝わらなくても，自分ができることをしたから，それでOK」
とぼくは言いました。
そこにCさんがいたので
「Cさん，Bさんが怒ったときって，Cさんはいつもどうしてる？」
と聞きました。
「Bさんが怒ってるとき，ぼくは何もしません．そして，Bさんは，すぐ，忘れています」
と答えました
「ほら，Bさんは怒っているときは，何もしないほうがいいみたいよ．またあとで，Bさんの様子を見て，どうしたいか，考えようね？」
Bさんは頷きました。

「先生」
昼休み，Aさんが来ました。
「Bさんとのこと，もう大丈夫になりました」
笑顔のAさんがそこにいました．
「そうなんだね．Aさん，昼休み，何したい？」
「ドッジボールの練習したい」
そこから二人で練習しました．そこに，数人，一緒にやりたいとやってきて，楽しい昼休みになりました．

「犯人探し」
というタイトルにしたのは
以前のぼくだったら，こうしていたからです．
言ってない，言った，勘違いした．嘘を言った．
白黒はっきりつける指導をしていたと思います．
でも，そうじゃなくて
「他人は変えられない，起きたことに，自分はどう対応したいのか．」
休職中に学んだ，このマインドセットで臨み，多分，この指導でよかったと思っています．
Bさんに，誤解をときたいところですが，今のBさんを，いくら問いただしても，説得しても，納得は絶対しないと思います．
Aさんは，自分が否定されたと少しでも感じると，一瞬で殻に閉じこもるからです．授業で，答えを間違った自分や，問題の意味を理解できない自分を，認めることが，まだ難しいからです．そして，その話を，それから一度もしなかったAさんは，たぶん，もう，忘れています．

日々，いろんなことがあります．
休職で自分を見つめる経験をして，本当によかったです．
明日は心理士さんとのセッションです．
復職してからは，１週間に１回で予約を入れ
ぼくの指導や感情，思考のフィードバックをしています．
この話を明日，しようと思います．


疲れました。
ふーっと
大きなためいきをひとつ

今日も，生きてるだけで十分．