工藤哲大

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最近の記事

クルマ好きに贈るエッセイその2

今回は、最近のトレンド、電気自動車(EV)について書く。 中国が国策でEVに肩入れしており、日本も欧米も価格競争力では、とてもかなわない。トヨタも中国企業と手を結ぶ動きを見せている。 EVは温室効果ガスを出さないから、環境に優しい、というキャッチフレーズで、カーボン・ニュートラルの申し子のように扱われている。 果たしてそうであろうか。EVは大量のバッテリーを必要とするが、この生産に大量の電気が使われる。EV1台作るのに、ガソリン車の2倍以

    • お酒好きに贈るエッセイその2「エビスがうまいね」

      ビールを取り巻く環境も変わった。キリン、アサヒ、サッポロ、サントリーの4大メーカーのほか、クラフトビールが全国各地で造られるようになった。 私個人的にはエビスビールが好きだ。100パーセントモルトの原料と、アロマホップの苦み。コクがあって、のどごしがまろやかだ。 ただ、生のエビスビールを置いている店が極端に少なく、仕方なく缶ビールで味わうことになる。 でも、どうしてだろう。缶ビールの味があまりおいしくないのだ。逆に生だと、以前は毛

      • 黄金の80年代~洋楽の系譜~②

        TOTOで目覚めた私のロック魂に、さらに火をつけたのがFОREIGNER(フォリナー)。 「ジュークボックス・ヒーロー」「アージェント」などノリの良いサウンドが、心に響いた。とにかくカッコいいのである。 個人的に好きなのが「ガール・ライク・ユー」。珠玉のロックバラードで、ルー・グラムのボーカルが高音域まで伸び、美しいメロディを奏でる。 当時はまだLPレコードの時代。お金のなかった私は、レンタルレコード屋に通い、借りてきたレコードをカセット

        • 黄金の80年代~洋楽の系譜~①

          1980年代は、僕にとっての「洋楽黄金期」だった。 1981年、高校2年生になって間もなく、友人の影響でロックに出会う。TOTO(トト)が、私の洋楽初体験のグループとなった。 当時流行りのウオークマンから流れてくる「グッバイ・エレノア」。16ビートのサウンドは、とても新鮮で、刺激的だったことを今も鮮明に覚えている。 ギタリストのスティーブ・ルカサーは、ギター・キッズからの支持が高く、色あせない。 個人的には、ボーカルのボビー・キ

        クルマ好きに贈るエッセイその2

          クルマ好きに贈るエッセイその1「日本車のデザインについて」

          クルマについてエッセイを書くことにした。 第一回のテーマは「日本車のデザインについて」。 最近の日本車は、デザインレスなクルマばかりで、つまらない。 いわゆる「トヨタ顔」「ホンダ顔」など、そのメーカーのクルマとすぐにわかるデザインを主流にしていた時代もあったが、いまはそれもほとんど消え失せた。 セダンタイプのファミリーカーがどんどんなくなり、売れ筋のSUVがラインナップの中心を占める現状だ。 スポー

          クルマ好きに贈るエッセイその1「日本車のデザインについて」

          お酒好きに贈るエッセイその1 「とりあえずビール」

          今回から定期的に、お酒に関するエッセイを書いてみようと思う。 その1回目として、「とりあえずビール」で行ってみる。 のんべえはもちろん、お酒に弱い方でも、最初はビールから始める人が多いのではないだろうか? それで「とりあえずビール」がお約束のように交わされる。 お酒全般が好きな私も、「とりあえずビール」の口だ。 さて、昭和から平成に元号が替わるころ、ビール業界で「ドライ戦争」が勃発した。アサ

          お酒好きに贈るエッセイその1 「とりあえずビール」

          コラム「日本人のIQは世界一?!」

          日本人のIQ(知能指数)が、いくつかのデータで世界一だと発表されている。 たとえば、フィンランドのある企業が行ったIQテストで、ランキング1位に輝いた。平均IQは112.31と、高い数値をマークしている。ちなみに2位は台湾、3位はハンガリーだった。 この結果は、日本人として誇らしいが、ある意味当然のこととも思える。 何しろ漢字・ひらがな・カタカナという3つの文字を、子供のころから当たり前のように操る民族なのである。この難しい日本語を使いこ

          コラム「日本人のIQは世界一?!」

          陛下、そろそろ京都へお帰り下さい

          天皇陛下をはじめ、皇室ご一家がお住まいになる皇居。徳川幕府代々の将軍の居城だった江戸城こそ、皇居の建てられている場所なのだが、みなさんはご存じですか? 武家の居城に天皇がお住まいになるというミスマッチ。違和感を抱くのは私だけか。「天皇陛下万歳」と叫ぶ右翼も、この不可思議に異を唱える輩はなぜかいないのである。 皇室が京都に遷都されて以来、ずっと京都に天皇はいらっしゃった。鎌倉や室町、江戸に幕府が移っても、京都にお住まいの天皇の権威は衰えなかった。天皇

          陛下、そろそろ京都へお帰り下さい

          エッセイー「富士山は世界一の山だ」

          富士山は日本一、いや世界一の山だ。 世界広しと言えど、富士山ほど美しい山があるだろうか。 すそからなだらかに描かれる曲線は、破綻なく頂上に向かう。見事なまでの円錐形は、四方八方どこから見てもほとんど変わらない姿を誇っている。 周りに山はなく、ポツンとそびえ立つ、そんな富士山のたたずまいは、形容しがたい美しさだ。 この威容を奇跡と言わずして何と呼ぶのか。 四季折々の日本の風景が、富士山を一年中装う。

          エッセイー「富士山は世界一の山だ」

          視点ー「カーボン・ニュートラル」に潜むウソ 後編 『EVは善玉か』

          「カーボン・ニュートラル」を実現するために、多くのパーセンテージを占める自動車産業。その流れから、二酸化炭素をまき散らすガソリン車を廃止し、電気自動車(EV)にシフトする動きが加速している。 日本では、トヨタをはじめ多くのメーカーが、ハイブリッド車に重点を置いてきたため、EVの普及は遅れている。しかし、世界的に見るとEVは確実にシェアを伸ばしている。 特に中国の躍進ぶりが目立つ。国の方針としてEV生産に力を入れ、補助金を出して価格を安くするなど、テ

          視点ー「カーボン・ニュートラル」に潜むウソ 後編 『EVは善玉か』

          視点ー「カーボン・ニュートラル」に潜むウソ 前編

          地球温暖化が叫ばれるようになって久しい。我々の生活から発生する二酸化炭素が、温室効果ガスとなって地球温暖化を促進。環境にマイナスに働くという、「二酸化炭素悪玉論」だ。 「カーボン・ニュートラル」とは、カーボン(炭素)をニュートラル(中立)にする、即ち温室効果ガスの排出量と、吸収・除去量をプラスマイナスゼロにしようという考え方である。 日本では、2020年10月に菅首相が「2050年にカーボン・ニュートラルを実現する」と宣言。経済界もバックアップし、

          視点ー「カーボン・ニュートラル」に潜むウソ 前編

          オラオラ~阪神ファンがまかり通る

          昨年、38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガース。岡田監督は、シーズン前から「ARE(アレ)=優勝」を掲げ、流行語になると同時に願いを叶えた。 今年は「アレンパ(連覇)」を合言葉に、球団初の連覇を目指すが、ファンのみならず解説者たちも「今年のトラも強い。連覇は間違いない」と太鼓判を押すのだ。 果たしてどうだろう。そんなに上手く事は運ばないのでは? 今シーズンに向けての補強がほとんど出来なかったうえ、現有戦力の積み上げを目指しているが、思うほ

          オラオラ~阪神ファンがまかり通る

          スタジオジブリー実は間違い

          宮崎駿監督が立ち上げた映像制作会社「スタジオジブリ」。実はこのジブリという言葉、間違って使われていることをご存知だろうか? 正しくはギブリ。「GHIBLI」と綴るイタリア語で、サハラ砂漠に吹く熱風を意味する。第2次世界大戦中に使用された、イタリアの軍用偵察・爆撃機にも名付けられ、飛行機マニアの宮崎監督が日本のアニメーション界に熱風を起こそうという思いから、ネーミングしたという。 ところが、宮崎監督はイタリア語が得意ではなく、勘違いから「ジブリ」と読

          スタジオジブリー実は間違い

          エッセイ「あ~あ、マイナーなアメフト」

          私は、アメリカンフットボールをこよなく愛している。大学時代にアメフト部でプレイしていたこともあり、ときどき周囲に話を振るのだが、これがどうもいけない。 「ラグビーしてはったんですか?」。(ちゃうちゃう、アメフトや)。「スクラム組むやつでっしゃろ?」。(それはラグビーや)。心の中で突っ込みを入れるものの、やっぱりアメフトの認知度は極度に低いのだ。 だいたい、ラグビーとアメフトってルールも違うし、まったく別物のスポーツ。ボールが楕円形という共通点はあるが、

          エッセイ「あ~あ、マイナーなアメフト」

          エッセイー塩味(えんみ)ってなに味?

          最近気になることがある。料理番組や、芸能人が出演するグルメ番組などで使われる日本語についてだ。 「この焼き魚、塩味(えんみ)がちょうどいい」。「チーズケーキの塩味(えんみ)が申し分ない」。など、「えんみ」のオンパレードがその筆頭だ。 確かに、言葉としては間違っていないが、どうもひっかかる。塩味(しおあじ)や塩気(しおけ)など、従来の言葉で十分ではないか。特にお笑い芸人が、流行り言葉のように「塩味(えんみ)」をまき散らしている。 その言葉の響き、

          エッセイー塩味(えんみ)ってなに味?

          エッセイ―「大坂なおみって日本人?」

          ここ数年、心に引っかかっていることがある。女子プロテニスプレイヤーの大坂なおみ選手についてである。 彼女は全米、全豪などグランドスラムを何度も制し、世界ランキング1位にも輝いた実力者。しかし、マスメディアが大きく取り上げるたびに、ずっと違和感を感じていた。 「やりましたー。日本人の大坂なおみ選手が全米オープンで優勝しました」。そんなアナウンスが流れるたびに、「大坂なおみって日本人なの?」という疑問が沸くのだ。 見た目は黒人で、流ちょうな英語とは

          エッセイ―「大坂なおみって日本人?」