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帰り道で出会った、なんだか惹かれる彼女



通勤に使う駅の地下に、アメリカンドッグを食べながら青い表紙の文庫本を読んでいる、スーツ姿のメガネの女の子がいた。


家路に着いた、その先で出会った

僕が通勤に使うその駅は、特急が止まって色々な副線に繋がるいわゆる″ハブ″の要素を持つ駅だ。


帰りの電車はそこで止まる。僕は乗り換えて自宅に向かう。

ホームから階段で地下に降りると、20メートルほどの通路がある。地上の線路をくぐり、ホームに繋がっている通路だ。


その通路の突き当たりには5段くらいの階段があり、踊り場の右側にホームへ繋がる階段が伸びている。


その踊り場は5メートル四方ほどで、右に曲がるという都合上、左奥の角は誰も通過しない。


その角に、彼女はいた。

飯を食い、本を読むことが、生きるということだ。

少しフレア気味の黒いパンツスーツを着て、片足に体重をかけてアメリカンドックを頬張りながら、青い表紙の文庫本を片手に読んでいた。


少し気だるげなんだけれど、周りに流されない強さを放って立っている。


人の流れから外れて、本を読み、飯を食う。


はしたないと思う人もいるだろうが、僕は彼女のことを素敵だと思った。




彼女も僕と同じ電車を待っているのだろうか。


今から家に帰るのだろうか。


それともエネルギーを補給して、またどこかへ向かうのだろうか。


はたまた誰かを待っているのだろうか。



そんなことを考えながら、僕は我が家に向かう電車に乗り込んだ。





彼女はいったい何を読んでいたのだろう。

僕の好きな本ならいいなと、そう思う。



この記事はとある実験のために書きました。
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