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kaz68
帰り道で出会った、なんだか惹かれる彼女
通勤に使う駅の地下に、アメリカンドッグを食べながら青い表紙の文庫本を読んでいる、スーツ姿のメガネの女の子がいた。
家路に着いた、その先で出会った
僕が通勤に使うその駅は、特急が止まって色々な副線に繋がるいわゆる″ハブ″の要素を持つ駅だ。
帰りの電車はそこで止まる。僕は乗り換えて自宅に向かう。
ホームから階段で地下に降りると、20メートルほどの通路がある。地上の線路をくぐり、ホームに繋がっている通路だ。
その通路の突き当たりには5段くらいの階段があり、踊り場の右側にホームへ繋がる階段が伸びている。
その踊り場は5メートル四方ほどで、右に曲がるという都合上、左奥の角は誰も通過しない。
その角に、彼女はいた。
飯を食い、本を読むことが、生きるということだ。
少しフレア気味の黒いパンツスーツを着て、片足に体重をかけてアメリカンドックを頬張りながら、青い表紙の文庫本を片手に読んでいた。
少し気だるげなんだけれど、周りに流されない強さを放って立っている。
人の流れから外れて、本を読み、飯を食う。
はしたないと思う人もいるだろうが、僕は彼女のことを素敵だと思った。
彼女も僕と同じ電車を待っているのだろうか。
今から家に帰るのだろうか。
それともエネルギーを補給して、またどこかへ向かうのだろうか。
はたまた誰かを待っているのだろうか。
そんなことを考えながら、僕は我が家に向かう電車に乗り込んだ。
彼女はいったい何を読んでいたのだろう。
僕の好きな本ならいいなと、そう思う。
この記事はとある実験のために書きました。
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