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アドボカシー実践に必要な2つの成長

vol.0020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kenkokyoiku/25/2/25_107/_pdf

Ⅰ.アドボカシーとは
1つは、Ad=towards or to(何かに向かって)、もう一つは、Vocation=calling or to call (呼びかける)である。植村らはこれを受け、「アド・ボカシー」とは「声のする方へ」と言う意味を持ち、「求めの声」に応じて、支援することこそが、アドボカシーの本来の意味であろう、と述べている。
アドボカシー実践に不可欠な原則は「現場」にいあわえること(being there)である。

Ⅳ 健康課題解決の先にあるもの
2011年にHunberらが提案している新たな健康の定義によれば、健康とは「社会的、身体的、感情的な困難に直面した時、それに適応し自己管理できる能力である」。つまり障害が残っていたとしても、それに適応できていれば、健康である。その健康を用いて目指せる音はある。ヘルスプロモーションが目指すのは完璧な健康そのものではない。その時到達し得ている健康レベルに適応し、人生において何を達成し得るか?そこに心を配る

目指すべきは生活の質(QOL)である。その先にあるウェルビーイングである。

ポジティブ心理学の第一人者マーティン・セリグマンによれば、幸福理論だけでは物足りない。セリグマンによる幸福理論は、3つの要素からなる。
第1がポジティブ感情、楽しみ、心地よさ、自分が感じる「快の人生」、
第2がエンゲージメント、音楽との一体感、没我の感覚、フロー状態にある「充実した人生」
最後が意味や意義、自分より大きいと信じるものに属し、そこに使える「有意義な人生」である。
セリグマンによるウェルビーイングの定義ではこの幸福理論の3つの要素に2つの要素が加わる
1つは達成、一時的に苦労したとしても(あるいは不幸を味わったとしても)、それをばねにして大きな達成感を得ること、
もう一つは関係性、自分だけではなく「他者」に親切にすること、他者との関係性を高め、自分の人生だけではなく、地球上の持続的幸福度を増やすことである。

Ⅴ  アドボカシー実践のために必要な2つの成長
ロバート・キーガンは言う。大人になってからでも私たちはまだまだ成長できる。と。その可能性を追求し、実証されてきた理論が成人発達理論である。
この理論には5つの発達段階がある。
第1が具体的思考段階、成人期以前の段階であり、具体的な物事を思考する段階である。抽象的な概念を把握するのがまだ難しい段階である。
成人発達理論は第2段階から始まる。
最初に来るのが、利己的段階、成人の約10%がここに属している。一言で言えば、自己チュー、他者は自己にとっての道具、他者の立場を無視している段階である。
第3段階は慣習性段階、成人人口の約70%を占め、最も多い、いわゆる指示待ち人間、他者に依存して意思決定をする段階である。
第4段階は自己主導段階、成人人口の約20%であり、この段階に到達すれば、自らの行動基準に詩が立って行動できるようになる。自己成長に関心があり、課題達成力も強い。しかし、他者の成長には関心を示さない。
最後が相互発達段階である。成人人口の約1%未満であり、この段階に到達するのは至難の業である。

今日の私の面白Point:目指すのは完璧な健康そのものではない
「障害が残っていたとしても、それに適応できていれば、健康」なのだ。完璧な健康を目指したらきっと不健康になってしまうだろう。
私が感じるポイントはいつも「適応」。「主体的」に「適応」していくことが大事な気がする。

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