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【お金の絵本#21】せかいいちしあわせなクマのぬいぐるみ

 お金について子どもに教えたいけれど、時間もないし、どうやって教えれば良いか分からない、という方でも家庭ですぐにできる「絵本の読み聞かせ」。お金に関連する絵本をフィナンシェの会では紹介しています。
 今回のテーマは「買った物とお金はどこに行くの?」です。

 ご紹介する本はこちら。
「せかいいちしあわせなクマのぬいぐるみ」
文: サム・マクブラットニィ
絵: サム・アッシャー
訳: 吉上 恭太
出版社: 徳間書店

 女の子が自分のお小遣いで買ったくまのぬいぐるみ。ひょんなことから女の子の手を離れてしまい、様々な人の家を渡ることになります。時にはリサイクル店に売られたり、チャリティショップに譲られたり…。ぬいぐるみはボロボロになっていき、女の子の少ないお小遣いでも買えるくらいの値段になります。でも、最後の最後でぬいぐるみはどのくらいの値段で売れたのか、そしてそれを買ったのは誰か、ぜひ読んでみて確かめてみてください。

◾️買ったものも、買った時のお金もグルグルと世の中を巡っている

 このお話で鍵となるのは2つ。ひとつは、くまのぬいぐるみは、初めの女の子に買われたあと、駅やお店、男の子のお家、双子のお家…とお店の品物として、子どものおもちゃとして、世の中を回り続けている、という点。私たちが買ったものも、フリマアプリで売れば他の人の手元に行き、リサイクルすれば別のものに生まれ変わり、捨てればゴミとなって自然にかえれば土にもなるし、そうでなければ有害なゴミとなったり…と地球からなくなることはありません。お金も同様ですよね?お店で渡したお金がその家族に渡り、時には環境に良くないことをする会社にも渡ってしまう…。まさにフィナンシェの会で伝えたいお金の流れそのもの。

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 そしてふたつめは、物の価値が変わりゆくということ。初めに買われたぬいぐるみの値段から、ボロボロになって価値は下がり、最後は綺麗に繕ってもらった結果高い価値になる。古い物でもゴミとして捨てるなら価値は下がるけど、丁寧に扱ったり修理することで価値が高くなることもある。そんなことをこの絵本は気付かせてくれます。

■ 読みながら子どもと話そう

読んだ後、お子さまにこんな質問をしてみてはいかがでしょうか?
・(売り買いされる度に)ぬいぐるみはいくらで売られた/買われたと思う?
・チャリティショップってどんなところだろう?
・どうして最後にメアリー・ローズはたくさんお金を払ったの?
・今大切にしている物が自分の手から離れたら、どんな旅をすると思う? お金だったらどうかな?

* * *

 フィナンシェの会では、子どもと一緒にお金を学べる絵本をご紹介しています。過去に紹介した絵本はリンクからまとめてご覧いただけます。noteのフォローも宜しければぜひ ♪



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