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広汎性発達障害(PDD)の特性とは?

今回は広汎性発達障害とはどういった障害なのか、どういった特徴があるのかを解説していきたいと思います。

■広汎性発達障害とは?

広汎性発達障害はPDDと呼ばれ、その障害は主に言動・行動の全般において社会生活に影響を及ぼす障害のことです。

これまで広汎性発達障害の診断は
・「レット障害」
・「小児期崩壊性障害」
・「自閉症」
・「アスペルガー症候群」
・「特定不能の広汎性発達障害」
を含むものとされていました。

しかし今はレット障害は遺伝性障害であり発達障害から除外されたため、
広汎性発達障害はレット障害を除くすべての障害名を
自閉症スペクトラム障害(ASD)」という名称に統合されています。

■広汎性発達障害(PDD)と自閉症スペクトラム障害(ASD)の関係性

広汎性発達障害(PDD)と自閉症スペクトラム障害(ASD)の定義はよく似ていることから、違いがよくわからないという声もあります。

結論を行ってしまえばこの2種類の障害は同じものです。

2013年に公表された「DSM-5」と呼ばれる診断基準によって判断されたものは自閉症スペクトラム障害(ASD)と呼ばれるというだけです。

■広汎性発達障害(PDD)の特徴

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■コミュニケーションの特徴

広汎性発達障害(PDD)は、コミュニケーション面に問題を抱えることが多くあります。

他者への反応性や関心の偏りが見られ、他人の情緒を読み取る能力に欠け、言葉やジェスチャーといった手段を使うことが難しいとされています。

広汎性発達障害(PDD)はコミュニケーション能力や意思伝達が難しく、その場の雰囲気や人の表情が読めないといった特徴が見られます。

うつやADHD(多動性障害)などとも別のものです。

▽見たまま、感じたままに発言する

小学生くらいの年齢になると、社会生活の中で人の外見や様子を判断して「それは言ってはいけない事だ」という暗黙のルールを認識し始めますが、広汎性発達障害がある場合は大人になっても見て感じたまま言葉にしてしまい、その理解が難しいとされています。

「今日は真っ直ぐ帰ってきてね」と言われても「角を曲がらないと帰れないよ」と真面目に答えるように、遠回しなやりとりや言葉の含み、比喩などそのまま意味が伝わらない言葉を広汎性発達障害の方は推し量る力が弱いのです。

このような認識の違いから、仕事面などで広汎性発達障害の方は障害がない方とのトラブルに発展しやすいとされています。

▽独特の話し方・話の聞き方

広汎性発達障害(PDD)は話し方に特徴が強く出ることが多いです。

アナウンサーのニュースの読み上げのような話し方で、育った地域独特の方言やイントネーションが使われません。

また、広汎性発達障害の方は話し出すと相手の反応を気にせず延々と話し続けますが、簡単な言葉にも複雑な言い回しをするため、シンプルに伝えることが苦手とされています。

逆に広汎性発達障害の方が話を聞く際は、少しでも腑に落ちない事があればその点に固執したり、興味のない話題だと途中でもその場から離れてしまうこともあります。

■想像力の特徴

▽興味や関心が極端

興味のあることと無関心なことへの反応が極端な面があるのが広汎性発達障害の方の特徴の1つです。

興味のあることに関しては年齢を問わず極端に高い記憶力や能力、集中力を発揮するため、学業も優秀な成績で大学まで卒業することもあります。

▽変化を嫌い、法則性を好む

いつも使う道が工事で通行止めになったり、天候などでやむを得ない日程の変更が起きた時など、状況や立場を変える、場を理解するといった面で広汎性発達障害の方は問題を抱えることが多いです。

広汎性発達障害の方は全体の把握や行動の切り替えが苦手であるため、変化による不安や恐怖が大きくなりパニックに陥る場合もあります。

一方で法則性・一貫性のあることは好み、絵や記号、数字を順序立てて覚えたりするという行動が得意という傾向が広汎性発達障害の方には見られます。

■感覚の特異性

▽感覚の過敏と欠如に関する苦悩

広汎性発達障害(PDD)の人の90%に味覚、触覚、臭覚、聴覚、視覚のなんらかに感覚過敏がみられ、生活面で困難に直面する事例があります。

食べ物だと臭いは大丈夫でも食感が苦手なら極端な偏食になり、お風呂のシャワーの音やトイレを流す音にも負担を感じたり、木漏れ日や電光掲示板を飽きることなく見続けたりと日々の暮らしの中で刺激を強く感じやすいのです。

普通の人が「そういうものだ」と気にしない事に対して、広汎性発達障害(PDD)の人は必要な要素だけど拾うという能力に障害があり、敏感に感じるのです。

■広汎性発達障害(PDD)の人が働く前に知ってほしい事

広汎性発達障害は見た目ではわからず、障害として需要されにくいという点もあり、特に子供は多感な時期にもあたる為「個性」と考えがちではっきりとした判断が難しいとされています。

大人になるまでの学生の期間においてもIQが高いタイプの広汎性発達障害の方は成績もよく、社会での活躍に期待されることから障害が見落とされ、社会人になった時に生きづらさを感じることも見受けられます。

そんな中、これまで「非常識だ」などの非難を受けることが多かったことから、就職や仕事場でのトラブルから働くことが困難になり「自分にできる仕事はない」と考え、諦めてしまうケースになりがちですが、広汎性発達障害だからと言って諦める必要はありません。

実際に広汎性発達障害などの発達障害を抱えながら活躍している人は少なくありません。

しかし、広汎性発達障害の方など発達障害がある人が自分一人だけで(再)就職活動をしたり、就労移行支援といったサポートを受けずに仕事を見つけるのはなかなか困難なことです。

一人でできる仕事があれば良いのですが、他の障害がない方とうまく働いていくにはサポートやトレーニング必要?。

広汎性発達障害など発達障害がある人が仕事について自立するために必要なことは、専門的な就労移行支援制度を利用しコミュニケーションのコツや物事の捉え方など、就労に必要なスキルを体得することをおすすめします。

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