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【デジタル時代のリスキリングの大本命】データをビジネス・投資に応用する型④ 予測:ビジネス編

④予測

予測の原理・原則は、影響を与える因子を見つけ、それぞれがどの程度影響するのかを明確にすることである。ビジネスでも投資でも、予測の構造を見つけ出すことができると、心に平静が訪れる。

予測したいのは、ビジネスなら収益や売上、株式投資なら株価がその主たる対象となるだろう。どうやったらうまく予測できるのか、ビジネス、投資の順に見ていこう。

◆ビジネス編「実務家に人気」

 ビジネスでの予測については、保険商品の設計、小売業における需要予測、マーケティング領域における消費者行動の予測、さらにはスポーツの領域でもセイバーメトリクス※43など幅広い業界・領域において、その考え方が活用されている。

その予測の中で最も有名と思われるのは、BtoBビジネスにおける売上予測である。この領域はすでに確立されており、売上は見込み案件の金額から高い確度で予測できることがわかっている。

データに強い企業は予測の構造を用いて、先読み経営を実現している。具体的には、まず見込み案件の金額から期末の売上の予測をする。もし売上目標を下回っていることがわかった場合には、見込み案件を適切な量を積み増す活動をする。さらに、案件の積み上げに限界があるとわかった場合には、売上はあきらめ、コスト削減に注力して、最終的に収益を確保するように、日々のビジネス活動を変更する。

このようなかたちで、予測によりビジネスマネジメントの質を高めることができている。 

それでは、具体的にどうやって予測をしているのか?

ここでは実務家に人気の重回帰分析を例にとり、その予測の手法を見ていきたい。本書では、すでに重回帰分析の結果を示している。それは第1章でOECD諸国の金融資産データを分析して算出した、金融資産の方程式である。 

金融資産 = - 62,925 + 5 × 可処分所得 + 9,093 × 投資好き指数

この式を見るとわかるが、まず結果がわかりやすい。そして説明もしやすい。ここで重要なポイントが2つある。

1つ目は、そもそも何を予測するかである。この式の場合、経済的自立で最も重要な指標である金融資産を予測している。まずは、ビジネスシーンに応じて解く価値がある大事なものを、解く対象として設定することが重要である。

2つ目は、どのデータを使うかである。世にはデータがいくらでもある。一方、本当にほしいデータはなかったりする。さらに、自分の仮説を検証するために都合のいいデータのみを使うのも、よろしくない。ここでの基本原則は、恣意性を排除しながら、現状のベストを尽くすことである。

具体的には、予測に関連しそうで手に入るデータは、網羅的にすべて使うことだ。その中で、まずは現状できうる最高の予測モデルをつくる。そして、新たなよいデータを入手できたら、それらを使ってモデルをアップデートしていく。そのくりかえしを、いかに早く行えるかが勝負となる。

重回帰分析には、ぜひ多くの方にトライいただきたい。具体的なやり方については、『EXCELビジネス統計分析[ビジテク]』(著:末吉正成,末吉美喜、出版社:翔泳社)と、『1億人のための統計解析 エクセルを最強の武器にする』(著:西内啓、出版社:日経BP)の2冊が大変わかりやすく、かつ特別な統計ツールなしにEXCELだけでできるので、オススメである。

自分独自の視点で解くべきものを見つけ、それを時間をかけずに今手に入るデータで解いてみる。それがあなた独自の意見を磨くことになり、結果、労働収入の増加につながる。


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