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【番外編】ふたりは並んでいたのか?

前回の投稿で紹介しました、前橋の様々な話題を取り扱うフリーペーパー(前橋新聞 me bu ku)が、駅前ロータリーの「建設と平和の像」(分部順治作)に関する追加記事の作成で写真を募集していたので、拙ブログも僭越ながら参加させていただき、新しい記事で採用していただきました。

まだ噴水が完成する前(噴水の通水式は1965年:昭和40年 筆者が生まれる1年前)の貴重な写真や、初めて目にする「建設と平和の像」除幕式の模様とされる大変興味深い写真が紹介されていていましたが、この写真に「並ぶ男女の像」のキャプションがあり、衝立を挟んで背中合わせのおなじみの像しか知らない筆者は、「当初は並んで配置されていたのか!」と注目して読んでいたのですが、よくよく写真を見るうち「果たしてふたりは並んでいたのだろうか?」と言う疑問が湧いてきました。

記事中の写真を引用・加工すると著作権的にアレなので、手書きのイメージ画像で説明しますが、二体が並んでいる様に見えるのは、「平和の像(女)」の影が衝立に投影されたものではないか、衝立の向こうに「建設の像(男)」の右腕と思われるものも見えます。

筆者のイメージ

百歩譲って記事が書く通り二体が並んでいたとしたら、背の高い像の右腕は天を指していると思うのですが、写真の背の高い像の右腕は下にさがっています。

並んだ「建設と平和の像」(2016年3月撮影)

如何せん不鮮明な古い画像しかなく、もしかしたら本当に並んでいたのかも知れませんが、上記の理由から筆者は「除幕式の時点で二体の像は背中合わせだったのでは」と、フリーペーパー編集部へ意見を送っています。

この件について編集部では、関係者の証言を集めているようなので、引き続き今後の展開に注目したいと思います。


2024年1月5日追記
昨秋、群馬県立図書館2階の群馬資料コーナーにおいて、昭和28年11月20日に挙行された「戦災復興記念塔除幕式」の模様を伝える地元紙:上毛新聞の縮刷版(翌21日朝刊3頁目)および、元国鉄職員で郷土史家の平田一夫氏がまとめられた「わた史の前橋駅百年」の59頁に掲載されている同式典の写真(出典不明)で、男女の像は当初から衝立を挟んで背中合わせに建立されている(並んでいない)ことを確認しました。
(著作権の関係から記事の転載は控えます。気になる方は、ぜひ県立図書館でご確認をお願いします。)


2023年1月16日追加
除幕式とされる写真の撮影位置から少し東側に回り込んでいますが、筆者が撮影した写真をスマホアプリ「けしはん道場」で加工してみました。

「建設と平和の像」(1981年5月下旬撮影の写真を加工)

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