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『ゴールデンカムイ』/映画感想文

言わずとしれた大ヒット漫画の実写映画化。
うるさいヲタク達の期待にこたえることはできるのか。

1. あらすじ

北海道のどこかに隠された埋蔵金をめぐり、一獲千金を夢見たやつらが暴れまくるアクション&アイヌお勉強エンターテイメント。

2. 点数

72点

とにかく原作に忠実。
冒頭の戦争シーンは気合入りまくり。真っ白の雪景色などロケハンも見事。

実写化なんてやめとけ勢の批判を封じ込めるだけのクオリティを見せてくれた。

3. 感想

漫画を読まない男

私は滅多に漫画を読まない。
読むとしても無料版だったり他人から借りたり。
乞食っぷりは譲れない。

こんな男が、ゴールデンカムイだけは熱心に読んでいた(これも他人から借りパクしたのだが)。
時代背景や入れ墨の設定が面白く、アイヌにここまで踏み込んた作品は珍しい。


しかし順調だったページをめくる指が止まった。

獣●シーンがあったから。

作者と編集者に怒りを覚えた。
これがおもろいとでも思ったんか?
読む気が失せて静かに去った。

その後数年して、最終巻記念で電子版全話無料キャンペーンをやっていたので、ここでも乞食っぷりを発動し、意地で最終話まで走りきった。


映画から話が逸れてしまったが、言いたかったのは、ゴールデンカムイには大きな魅力があるものの、それを打ち砕くだけのリスクもあるということ。

実写化の難しさ

実写化の度に繰り返される「原作リスペクトが足りない!」論争。
年々ヲタクからの要求ハードルが上がっている。
制作側はそのハードルを上回れるかどうかのプレッシャーと戦う。

本作はかなり原作リスペクトを意識しているなという印象。
ここまで丁寧に進めていくのかと序盤は面食らった。
意地悪な言い方をすれば、オリジナリティがないとも言えるが、大ヒット漫画が原作なのだから余計なオリジナリティは不要だ。

はじめの数巻をほぼそのままになぞりながら、映像の迫力が求められるシーン(戦争、大自然、格闘)に力を注ぎこんでいる。

実写化という難しいミッションを失敗しないように安全策をとりながら、視覚的な迫力を保ったバランス感覚は秀逸。

的確なキャスト陣

すべてのキャストが的確。
人選に人選を重ねてきたのがわかる。

・山田杏奈(アシㇼパ)
かわいい。天性のロリ顔だが凛とした強い目線も持ち、役柄にぴったり。
変顔ギャグパートも今後スケールアップしていくでしょう。

・玉木宏(鶴見中尉)
あのイケオジがここまでしっかりキモくなれるとは。
のだめの千秋センパイが脳汁垂らすとはね、役者ってすごい。


初見の方にも配慮して背景説明が丁寧にされています。
続編が何作か続くのはほぼ確実なので、乗り遅れないためにはぜひみておきましょう。

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