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『ひとごろし』/映画感想文

記念映画祭シリーズ続きます。

優作映画の中でもかなりマイナー。
低予算でさくっと作ったんだろうな。
タイトルのおどろおどろしさとは正反対に、終始コメディ調。

1. あらすじ

主人公は福井藩の末端武士。臆病者で周りからバカにされている。

剣の達人が藩内の暗殺集団をボッコボコに返り討ちにして、藩のお尋ね者に。
討伐に誰も名乗りを上げない中、臆病者が一念発起して立候補して任命されるが、果たして討伐は達成できるのか。

2. 点数

51点

採点難しいってば。
短時間の軽い作品としては悪くないがカタルシスはない。
名作と言うには遠く及ばず、厳しい点数に。

3. 感想

弱者の戦い方

主人公は弱者。
だから強者と真っ向から戦っても勝てるわけがない。
勝てるための方策をトンチをきかせて考えました!というのがテーマ。

『ひとごろし~!』

と敵の行く先々で連呼して、社会的に孤立させる&精神を疲弊させる。
敵はイライラを募らせて神経衰弱。

これ、現代でいえばネット上の誹謗中傷に近い。
意外と古典的ないじめ方なんだなと再確認。

松田優作の無駄遣い

松田優作が圧倒的弱者というのは新鮮味があっていいのだが、
引きの画になるとやはりスタイルのよさが目立ってしまい、弱者感がない。
画に説得力がない。

かといって、肉体派ハードボイルドばかりでは飽きるのもたしか。
意外性を狙うのか、王道で攻めるのか。

役者のマネジメントは難しい。

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