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Bounty Dog【Science.Not,Magic】

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遠く、でもいずれ来るだろうこの世界の未来を先に走る、とある別の世界。人間達が覇権を握るその世界は、人間以外の全ての存在が滅びようとしていた。事態を重くみた人間は、『絶滅危惧種』達…
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2024年3月の記事一覧

Bounty Dog【Science.Not,Magic】12-13

12

 カイ・ディスペルは、念願のトマトを食べた。本当は大きなトマトを大口で丸齧りしたかったが、文句吐きは我儘でエゴイスチックで、スーパーハイパー最低な行為である。加えて誰かに善意で物を貰ったのに相手の前で平然と文句を吐く行為は、肉体から魂までの全てがスーパーハイパーウルトラ、ミラクルスペシャルアルティメット、ダサい。
 陸鮫の歯で開封された細切れトマトの缶詰が、焚き火の上で煮立っている。鼬は移

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】10-11

10

 味方を囮にして犠牲にする事も、策略の内だった。最後の脱走亜人はロープを引っ張ってから離すと同時に岩陰から飛び出して、計画に組み込んでいた道具を拾った。
 鮫の亜人が生え変わらせて口から落とした、鋸のような大きな歯を地面から1本手に入れる。ついでに猫の亜人が鮫を調理中に地面に置いていた、人間の道具も1つ拾って手に掴み持った。
 “彼”は足が遅く持久力も無いが、瞬発的に動く事に関しては狼の亜

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】9

9

 カイ・ディスペルが倒れている岩の隙間の横を通って、ヒュウラとリングは地面に落ちている羽根を追っていた。羽根は大型の鳥のモノで、1枚ずつ縦に並んで置かれている。あからさまに分かりやすい罠だった。
 あからさまに分かりやすい罠だが、2体の亜人は共に何も考えずに追い続けていた。片方は本当に何も考えていない。もう片方は、必要を感じなかったのでワザと何も考えていなかった。
『あからさまに分かりやすい

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】6-8

6

 4品目の料理は、3品目と同じく冷菜だった。但し盛り付け方が下手過ぎて、料理を見ると漏れなく食欲が失せる。
 料理名は『人間の叩きのめし活き造り(ノンカット丸ごと地面直置き・添え物無し)』。量は1人前だけだった。調理者が拳のみを使って行った調理中に放った憤怒の念の悍ましさに、他の珍味ハンター達は怖気付いて皆、逃亡した。
 腫れ上がり過ぎて原型を殆ど留めていない、気絶している活き造り人間の顔か

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】4-5

4

 某大国の人間達は、動物並みに素早かった獲物Aを取り逃した。『超天才頭脳少年の香草焼き』は諦める。代わりに見付けた獲物B&Cに狙いを定めると、調味料と薬味を詰めたスチール製箱と刃物を手に、第2回珍味食材狩りを開始した。
 人間達は近付いてくる獲物の姿を見ながら、作って食べる珍味料理を考える。獲物Cは燻製サラダにしようと思った。そして獲物Bは、定番の味噌鍋にすると決めた。

『犬鍋ね、ヒュウラ

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】2-3

2

 中央大陸は、リングの生まれ故郷だ。此の大陸は極々平凡な小国も幾つか点在するが、大陸の殆どを”独特の価値観”を持った人間達が暮らしている巨大国家が占めている。
 此の巨大国家は幾千年も積み上げていた己の国の文化や歴史的価値が高い文明遺産を、超大量の自国の人間達の命ごと破壊と焚書をして唐突に喪失させたり、百人以上死亡する大事故が起きても生存者の救出活動を一切せずに現場一帯を大量の土で埋めて事故

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Bounty Dog【Science.Not,Magic】1

 1度目の騒動が発生した日は、8月の上旬だった。

 カイ・ディスペルは死に掛けていた。腰に抱えた爆弾が爆発寸前になっている訳では無く、腰に本と菓子を交互に乗せられて『ディスペルタワー』が建築されている訳でもない。腰と真逆の方向に付いている部分が限界間近になっていた。彼は空腹で死に掛けていた。
 北東大陸上部の寒村から”原子”を探して三千里以上1人旅を続けている此の少年は、鎖骨までの長さがある水色

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