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「市民の声で 生まれ育った武蔵野市をより魅力的に」【東京都・武蔵野市】 さこうもみさんに政治に挑戦する思いを聞いてみた!

こんにちは!FIFTYS PROJECTです。
『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー#19
「なぜ政治に挑戦しようと思ったの?」「どんな政治家を目指しているの?」本日2本目のインタビュー記事では、武蔵野市のさこうもみさんに気になることをインタビューしてきました。

さこうさんポートレート

さこうさんのバックグラウンドと政治に関心をもったきっかけを教えて下さい。

 2017年から5年間、CAMPFIREという国内最大規模のクラウドファンディング企業で、社会課題の解決に特化したクラウドファンディング「GoodMorning」の立ち上げから子会社の経営まで携わってきました。クラウドファンディングは「お金を集めるツール」と思われている方が多いですが、実は社会的なムーブメントを大きくするときにPRをしたり、世論を形成するときに使われるパターンも多くて。
 例えば、私がサポートした「スタディクーポン」という子どもたちの塾代格差に取り組んだプロジェクト。お金を集める目的ももちろんありましたが、教育格差は学校の中だけのものではなく、学校外教育、特に受験の際の塾の費用が出せるかどうかが大きく影響していることを知ってもらうことができました。さらに、そのプロジェクトは一度のクラウドファンディングだけに留まらず、翌年には行政で予算化され、区の施策として継続されることになりました。
 その経験から、クラウドファンディングだけでは変えられないものや、政治が動かないと変えられないものがあり、ルール自体を変える必要性を痛感すると同時に、私たちは政治や行政を変える力を持っていると信じることができるようになりました。このように、ビジネスの領域で社会課題の解決に取り組みながらも、政治という領域でできることもたくさんあるはず、いつかチャレンジしたい、という思いも持ってきました。

クラウドファンディング
「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことを指しています。

クラウドファンディングとは?|種類やメリット・デメリットなど基礎知識を一挙にご紹介

市議会への挑戦を決めたきっかけはなんでしたか?

 自分が挑戦しようと決心したのは、コロナ禍を経てというのが大きかったので、この2年くらいです。「補償が出なくて人件費や家賃が払えず、どうしようもなくクラウドファンディングでお金を集める」という飲食店やクラブの人たち、「夏休みに給食がなく栄養が不足してしまう子どもたちがいる、週一度の子ども食堂では足りないからお金を集める」など、悲鳴とも感じられるようなプロジェクトを支援しながら、この状況っておかしいよなと感じました。
 足りていないのは補償であって、公助が間に合わないなかで一事業者や善意をもった個人が自分たちでお金を集めなくてはならない状況は違うと思うようになりました。「(公助ではなく)クラウドファンディングでやればいいじゃん」と政治が言うのなら、そう言わない政治を自分がつくりたいと思い、具体的に市議会への挑戦を考え始めました。

今回の挑戦にあたっての葛藤や不安はありましたか?

 あまり大きな不安は感じませんでした。自分が活動している地元武蔵野市で、心の支えになった出来事があります。武蔵野市の現職の市議の方で任期中に出産している方がいるんです。これに対して市長も他の市議もポジティブな反応をされていること、議会のうち女性が40%以上を占めていることも、自分自身がこの年齢で議員を目指そうとしたときに、チャレンジしやすい環境がそろっていると感じました。前職の時から議員の方と直接お話をする機会があったり、学生時代からの知人が議員をしていたり、、知らない仕事ではなかったことも、理由の一つかなと思っています。
 ただやっぱり、小さいことでいえば難しいと思うことはもちろんあります。例えば、自分の政治団体を立ち上げるための拠点を探している際、いくつかシェアオフィスに問い合わせをしたら「政治、宗教、アダルト、暴力団はお断り」という返信が次々と返ってきて全部断られるということがあって、「あ、政治団体はその並びに入るんだな」と。一番最初のハードルはそこでした。
 

ー無所属で活動することについてはいかがでしょうか。
 政党に所属する方とは違って、選挙のノウハウなどを誰かが全部教えてくれる環境がないので大変な部分もありますが、「どのマイクが一番音声がよさそうかな」「ショート丈のコートで外に立ってみたら寒かったからロングダウンにしよう」と、ちょっとずつ分からないなりに工夫してやれています。また、聴覚過敏の人にとってストレスにならない音量に抑えたい、環境負荷を抑えたいから車は使わない、自分もスタッフのメンバーも睡眠時間は絶対に削らないなど、自分たちで考えて活動しているからこそ、活動におけるルールなどもつくってチャレンジできる楽しさがあります。
 もちろん、すべて1人で完結しているわけではなく、手を差し伸べてくださる方もたくさんいます。「実は昔議員をやっていた」という人に知り合えたり、周りの人が繋いでくれたり、本当にいろんな方に助けてもらいながらやれているので、すごく心強いです。

駅での街宣で声をかけてくれた市民の方とお話し中。

政治家になったら実現したいことはどんなことでしょう?

 ジェンダー問題、気候危機・気候変動、若者の政治参加、マイノリティの権利、そして貧困や格差の問題です。これまでの仕事でも取り組んできたことなのでそこは変わらずにやっていきたいと思っています。
 たとえば気候危機に関しては、「気候市民会議」が武蔵野市で去年から始まっていて、そこでの活動を街のあり方、行政のあり方に反映できるような運用を行っていきたいです。ジェンダーの問題については、公教育での性教育の充実をまずやっていきたいと思っているところです。自分の体について自分で決めていくこと、学校で学ぶ環境が整っていることが重要だなと考えています。ユースクリニックもできるといいですね。

ユースクリニック
10代から20代のユースを対象とした、健康に関する様々な悩みを相談できる場所。心身の悩みのほか、学校や家庭での悩みを相談できるところが多い。

ー 貧困の問題にはどのようなきっかけで取り組んでいるのですか?
 いろいろな背景を持つ友だちと過ごした公立中学校での経験が、貧困・格差の問題を目の当たりにし、私自身が社会問題に興味をもつきっかけになりました。
 高校受験の時、経済的な事情から都立高校にしか進学ができないため、実力よりいくつもレベルを下げた高校を受験をしなくてはいけない子がいたり、塾に行ける子と行けない子がいたり。同じ学校に通っていても、近くで暮らしていても、それまで同じように部活をしたり、机を並べて授業を受けていても、教育を受ける機会が家の経済状況によって左右されてしまう、そこには大きな大きな格差があることを知りました。
 この経験は、自分が社会課題に目を向け始めた原体験の一つであり、貧困・格差の問題は自分にとってとても大切なテーマです。

具体的に何をしていきたいですか?

 武蔵野市は比較的投票率の高い地域で、前回の市議選の投票率は全体だと40%後半なんですが、20代は25%くらいで。20代の人が地域の政治になかなか参加もできていない現状をどう盛り上げていけるか考えていきたいと思っています。
 具体的には、政治参加の入り口として「むさしのダイアログ」という小さなイベントを地域で毎週開催しています。地域のこと、政治のこと、私たちの生活の中での困りごとなど、テーマを決めてお話をする会をしています。これを選挙後も定期開催することで、政治への入り口をなるべく簡単なものにしたいです。困ったことがあったら言いに行ける場所、政治家が普段何をしているか聞ける場所があることがまず大事だなと思っています。

さこうさんならではの強みはなんですか?

 私の大きな強みは、今までクラウドファンディングを通じて3000件を超える社会課題の解決を目指すプロジェクトを支援してきて、一人の声が社会を前に進める力になることを知っていることです。その変え方・やり方もたくさん見てきたので、地域をどう前に動かしていくかのアイデア・知識・繋がりが豊富だと思っています。
 もう1つは、これまで30年ほど過ごした地元武蔵野市で挑戦するので、どんな歴史の中で地域が変わってきたのか、少しですが知っていることです。武蔵野の街をたくさん歩いてきたので、街の過去を知った上でアップデートしていくことができます。武蔵野市が魅力的な街であり続けるためにはどうしたらいいか考え、街の人たちと一緒に行動していきたいです。
 市政に挑戦するなら、自分自身がすごく大切に思っている武蔵野市しかないなと思っていたので、迷いはなかったです。

地域のカフェで「むさしのダイアログ」を開催。
一方的なコミュニケーションではなく対話を大切にしています。 

武蔵野市の魅力はどんなところですか?

 緑が多いところ、市民参加が盛んなところが武蔵野市の強さだと思っています。たとえば、コミュニティバスが走っていたり、未就学児が過ごす場所が私が幼児の頃からあったりとか。地域の人たちが必要だと声を上げてきた結果、そういうものがきちんと実装されてきた街だということを見てきました。それが武蔵野市の強さであり、魅力につながっているんだと思います。吉祥寺、三鷹、武蔵境それぞれの駅に個性があって、本当にたのしい、大好きな街です。

今後、どのような活動を行っていきたいですか?

 「私はやりたくない」ではなく「私でもできるかもしれない」といろんな人が感じられる活動をしたいと思っています。私が議員を目指すことを考えたときに、女性議員で子どもがいるよ、任期中に出産したよという人が「大丈夫。あなたでもできるよ」と背中を押してくれたので、選挙に向けた活動自体が誰かの背中を押すことができればと思っています。お金がなくても、地域のつながりがそこまでなくても、費やせる時間がなくても、体力が人並み以下でもできる選挙って何だろうと考えながらやっていきたいと思っています、実際私は体力もないし毎日9時間寝るので(笑)

ボランティアのメンバーも選挙ははじめて。
手探りしながらの活動。

最後に、読者へ一言お願いします!

 今回、選挙にチャレンジしてみようと思って動くなかで、政治との関わり方って選挙に出るだけ、投票に行くだけでは全然ないことに改めて気づいたんですよね。
 クラウドファンディングに参加してみる、陳情に行ってみる、興味のある裁判に傍聴に行ってみる、気になる記事をSNSでシェアしてみる。さらに自分の身近な人が選挙に出るとなったら、ちょっとボランティアでお手伝いしてみるとか。たとえば、私は駅前でチラシ配りをしているんですけど、「チラシ配りました」という写真を自撮りするのが難しくて、誰かがきて写真を撮ってくれるとすごく助かります。
 そうやって選挙に出る人のちょっとしたサポート、写真1枚撮るだけでも政治への関わり方の入り口になると思うので、できる一歩をなんでもいいのでチャレンジするだけで見える景色が変わるかもしれないと思います。ぜひ写真撮りに来てくれたら嬉しいです!

インタビューを終えて
「私たちは社会を変えることができる」という希望をいただいたインタビューでした。ビジネスから政治へ転換するさこうさんのチャレンジが楽しみです!(ななみ)
前職で感じたモヤモヤをそのままにしないよう行動しているさこうさん、素敵です!私も大好きな武蔵野市をより暮らしやすいまちにしてくれる予感がします…!(ちな)
取材・執筆:ちな、ななみ
取材日:2023年1月24日

さこうもみ(基本情報)
1994年2月2日生まれ。国際基督教大学卒業後、株式会社CAMPFIREにて子会社GoodMorningの代表を務める。現在は地元である武蔵野市にて、「むさしのダイアログ」を主催。「豊かな公助と共助」を掲げ、武蔵野市議会に挑戦予定。

さこうさんについてもっと知るには?✨
・Twitter:@SAKOMOMI
・Instagram:sakomomi
公式LINE
・facebook:さこうもみ

さこうもみのボランティア募集(FIFTYS PROJECT)↓

『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー#19では、武蔵野市のさこうもみさんにお話を伺いました。さこうさんが気になった方は、ぜひさこうさんの発信も覗いてみてください👀✨
次回もお楽しみに!✨

FIFTYS PROJECTとは?
私たちは政治分野のジェンダー不平等の解消を目指し、20代・30代の女性(トランス女性を含む)やノンバイナリー、Xジェンダー等の方に対して2023年4月統一地方選をはじめとした地方議会議員選挙への立候補を呼びかけ、一緒に支援するムーブメントをつくろうと活動しています。

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