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こんにちは、学生メンバーのあおいです。
7月も終わりに近づき、外に出たくないくらい暑い日が続いていますね。
6月の定例会では、FIFTYS PROJECTに所属する議員の方々の多くが一般質問を行いました。
定例会は主に6月、9月、12月、3月に行われていますが、新人議員の多くは任期がスタートしてすぐの6月議会で初質問に立つことが多いそうです!✨✨

今回FIFTYS PROJECTが支援する議員から質問を行ったのは合計19人
こちらのpdfから各議員の質問内容や議会傍聴のリンクに飛べますので、推し議員の一般質問まだ観れてなかった!という方などぜひご活用ください。

質問内容は多岐に渡り、ジェンダー政策から子育て支援、移民政策、気候変動対策まで様々です。可能であれば全員分取り上げたいところですが、FIFTYS PROJECTは政治分野のジェンダー平等を第一に掲げていますので、今回はジェンダー関連政策についての一般質問を行った議員を主にフォーカスして報告させていただきます!


富士見町議会議員の西あきこさん

西さんは今回、
(1)「すずらんVIパートナーシップふじみ」の計画について
(2)男女共同参画の視点やパートナーシップ宣誓制度から見た婚活支援について
(3)「こども基本法」を受けた今後の教育施策の展開について
の3点を質問されていました!
質問内容も素敵でしたが、その前に話していた議会に立つ理由についての意思表明がこれは是非とも共有せねば!!と思ったので以下に書き起こしました。


該当部(1:11~)

「私がここに立つことの理由をお話ししてから質問に移ります
私は移住者で既婚で子どもがいない元教員です。
富士見町という町は移住し、たった6年しか経っていない女性が町議会議員という仕事を選ぼうとした時、それを後押ししてくださる方がいる街です。」〜以下中略〜

「移住者であってもなくても、区民であってもなくても 、結婚していてもいなくても、子どもがいてもいなくてもこれまでの人生経験に関わらず女性でも男性でもまたはその他の性別であっても、また障がいがあってもなくても
25歳以上であれば 挑戦しようとした時に、
被選挙権を持つ誰もが挑戦することができ、それを後押ししてくれる町だと思います。」

注釈:ここでいう「区民」とは、自治会員(町内会に所属している人)を指します。

下諏訪町議会議員の竹元かんなさんなども話していましたが、今回の統一地方選挙でジェンダー平等政策を後押ししていきたいと考える、多様なアイデンティティを持った人が議員になる、議会の場に存在し重要性を証明することの意義はまさにここにあると思いました。特に地方では移住者が政治を志すことが難しい現状がある中で、より開けた議会作りのために自分が中に入って変えようとする西さんの姿はめちゃめちゃかっこいいですし、沢山の方がエンパワーメントされるだろうとしみじみしじみと感じました。🐚

質問内容では、富士見町で行う婚活事業について、(24:11~)
「婚活支援事業の目的が少子化対策であるのか、一定のニーズはあるものの、そこには女性が子供を産む産まないの権利を他者から強制されない生殖の権利が前提にあるべき
また「子供を産むことの前提に結婚があるという価値観は時代に合わない」という指摘や、「町の婚活事業が異性婚を前提とした場合、性の多様性の観点においてそこで保証されない人々をどのようにサポートしていくか」
などといった指摘をされていました!

婚活事業や子育て政策において、政府や自治体から配られるパンフレットに性差別的な内容や女性のみに家事育児の負担が大きいことを前提としたものや、性的マイノリティが排除されていることが残念ながらよくある中で、(最近だと尾道市の妊婦さん向けパンフレットはあまりに酷すぎて、目玉がこぼれ落ちるかと思いました🥺)
当事者の立場に立った視点で行うように、時代にあった感覚を持つ議員が掛け合っていくことは、当事者により負担を大きくし、社会から排除される感覚を持たせないためにもとても重要ですね。🔥🔥

他の質問も詳しくみたい方は、ぜひ動画をご覧ください!


旭川市議会議員 小林ゆうきさん

小林さんの質問内容は以下の通りです!

(1)旭川市議会議員選挙の投票率について
  第20回統一地方選挙における旭川市議会議員選挙の投票率について
 投票率向上のための施策等について
 投票する権利の保障等について
(2)ヤングケアラーに対する支援事業について
 本事業の概要について
 本市におけるヤングケアラーの状況と実態把握等について
 子どもの権利を守る、子どもが主体の支援の在り方等について
 ヤングケアラーに関する本市の認識等について
(3)不安を抱える女性に対する相談支援事業について
 本事業の概要について
 女性相談窓口との差別化と連携等について
 本事業の利用状況等について
 アウトリーチの方策等について

日本のジェンダーギャップ指数が146カ国中125位であること、
都道府県別では北海道は教育と行政の分野で最下位、経済分野では45位であることを挙げた上で、
女性に対する相談支援事業についての内容、予算の質問から
事業を利用する当事者の実態把握に関する
かなり細かい質問まで丁寧に行っていました。
その上で現在の事業の課題(アウトリーチ型として十分に機能できていない点など)
を洗い出し、より当事者が利用しやすい状況を作り、他自治体の例を挙げてサポートに繋げていくために具体的にどのようにしていくべきかまで明確に話されていました。

小林さん自身が支援を受ける側の当事者目線を持っており、旭川市で若年女性のサポート団体を立ち上げた経験があることから、質問内容がとても具体的で、課題点を鋭く指摘していたこと、何より必ずこの問題をより改善するという強い意志がビシバシと伝わってきて、旭川市の困難を抱える当事者にとって小林さんの存在は本当に心強いだろうなと思いました。
(31:55~)


SNSで途中で胃が痛くなって大変だったと話していましたが、全くそんなことを感じさせない話しぶりでしたし、あまりにも質問が上手すぎて1人でPCの前で沸いてしまいました、、!!🥹🥹❤️
自分の質問だけでなく、答弁のどのような点が不十分か、良かった点についても再質問の際にまとめて話されていたのも本当にすごかったです〜〜!!

他の議会と比較して旭川市は一問一答形式なので、質問と回答の流れが追いやすいので市民サイドもとても興味深く聞けるのではないでしょうか!!


武蔵野市議会議員 さこうもみさん


さこうさんは
SRHR(性と生殖に関する健康と権利)を実現する支援と教育・市民参加による気候危機対策等について
・予期せぬ妊娠と、その支援体制について
・性教育及び若者の性に関する相談について
・「男女平等の視点に立った市刊行物等の表現の手引き」について
・気候市民会議について
・気候危機打開武蔵野市民活動プランについて
についての質問でした!

さこうさんは武蔵野市議会議員の中で唯一の20代であり、若者の視点に立った政治という点でも重要な質問をたくさんされていました!

「日本での人工妊娠中絶は年間約15万件で減少傾向にはあるものの、妊娠に関する相談窓口では、コロナ期間に新規相談者、特に10代の相談者が増加したこと」を挙げ、予期せぬ妊娠とその支援体制の把握人数や推移などについて質問し、
また性教育に関しても「ジェンダー平等について主体的に学習することができる包括的性教育の重要性」について訴えていました。(4:00~)

更に、ユースクリニック(スウェーデン発祥であり、若者に特化したクリニック&無料で利用が可能)の提案を行っており、武蔵野市で性に関する悩みを気軽に行える場所ができたらとても素敵だな〜と思いました✨✨🫶(36:00~)

また、武蔵野市では再質問が複数回可能であるようでしたが、その際に明確に答えていなかった部分をしっかりと詰めていた部分が印象的でした!

下諏訪町議会議員 竹元かんなさん

竹元さんの質問内容は以下の4つです!
(1)子どもの権利・教育・子育ての課題について
(2)ジェンダーギャップ是正について
(3)町民が参加する町政に向けた取り組みについて
(4)観光振興について


ジェンダーギャップ是正に関しての質問は(24:15~)からで、

下諏訪町におけるパートナーシップ制度の導入についての進捗状況
職場職員の男女格差、給与の差異について
賃金格差への具体的取り組み

を軸に質問をされていらっしゃいました。

地方から都心へ多くの女性が移住していく傾向がある中、地方で顕著な固定的な性別役割分担や女性の非正規雇用の多さを原因に上げ、雇用の賃金引き上げ、ケアワーカーの待遇改善の要求を求めるとともに、
取り上げた問題について女性個人の課題から社会課題として認識へシフトしていくことの重要性を訴えていました!

今回の一般質問のベースには、
2022年末に内閣府男女共同参画局から全国の自治体に向けて「地方公共団体における職員の給与の男女の差異の算出及び公表の方法」という通知が出された経緯があります。この通知によって、2023年6月末までに2022年度の各自治体の職員における男女の賃金格差の公表が義務付けられました。すでに301人以上の従業員がいる民間の企業には公表が義務付けられていますが、中央省庁や自治体などでも同様の取り組みが始まります。あらゆる職場にて男女格差を解消していくための重要な一歩です。
各自治体がHP等で公表しているはずなのでぜひ調べてみてください!

内閣府男女共同参画局が出した自治体職員の男女の賃金格差に関する詳細のpdfはこちらです!↓💓
https://www.gender.go.jp/policy/suishin_low_r4kaisei/pdf/05.pdf


6月議会を振り返って

今回様々な地域の議会傍聴を、オンライン、現地両方でまとめましたが、議会によって配信形態もアクセスの仕方も異なっていたり、一人一人の持ち時間が10分から50分以上まで幅広い時間の違いがある中で、公約に掲げていた政策や政治意思がぶれない質問だったと思います!

同世代の当事者の方々が議会に存在すること、当事者でなくても声を拾い上げる意思を明確に持つ人が議会の場に立つ、当たり前のことのようで、全くそうではなかった日本の地方議会が少しづつ変わっていくことを肌感覚で実感しますし、その波を更に押し上げるために、FIFTYS PROJECTが支えの1つになっていければとも思います。

応援している政治家がいたり、積極的に投票に行く人でも、なかなか地方議会の傍聴はしない人、またはできない人が多いのが実態だと思います。ですが、投票して終わりなのではなく、ぜひ公約に掲げていたことに違いは無いか、議会の場で何を訴えているのかちゃんと見ていて欲しいです。

例えば、直接議会を見に行って初めて、録画に残らない形で議員へのハラスメントが行われているだとか、長い議会の時間中に水分補給さえできないだとか、質問時間が極端に短いだとかの不思議なルールがあることに気づくことができます。
また、動画を観てみると、議員の質問に答える自治体職員や市区町村長のほとんどが男性です。そういった状況に対峙した時に、私たち市民の存在はより公平で、開かれた議会を作る上でとても大きな役割を担うはずです。

そして、議員に対してポジティブに応援するだけではなく、「監視をする」、簡単なことではありませんが、違うと感じた時に意見できる対等な関係性を作っていかなければならないと思います。

政治家は私たちより上の存在でも、下の存在でもなく、「市民の代わりに政治を行う1人の人間」でしかありません。ですが、政治家という職業に就いた時点で「大きな権力」を持つ存在になるのです。今回FIFTYS PROJECTから当選された方々ももちろん当てはまります。
政治家という立場で、権力を持つ人間がそれを正しく行使することは簡単ではない
と思います。
だからこそシスターフッドで連帯しながらも、時には市民が「ご恩」や「親しみやすさ」と切り離して言いたいことはどんどん突っ込んでいって、本当の意味での「信頼関係」を構築していく、「推しは自分で育てる」という感覚を広げていきたいです!


だいぶまとめがながーくなってしまいましたが、地元に推せる議員がいなくても、日本全国を見渡せば、ジェンダー平等のために、性的マイノリティの権利のために本気で取り組んでいる議員さんが沢山いる事を今後も発信していけたらと思います!
9月の議会報告も、お楽しみに〜!

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