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20代女性地方議員の皆さんに聞いてみた!政治家になるってどんな感じ?

こんにちは!FIFTYS PROJECTです!
先日、「私たちの人生に「政治家」になる選択肢を!〜20代で政治家になるってどんな感じ?深掘りTALK TIME! 」を開催しました。
今回はそのイベント内容の書き起こしをもとに、20代女性地方議員の皆さんのお話を皆さんにお伝えします!

FIFTYS PROJECTとは?
私たちは政治分野のジェンダー不平等の解消を目指し、20代・30代の女性(トランス女性を含む)やノンバイナリー、Xジェンダー等の方に対して2023年4月統一地方選をはじめとした地方議会議員選挙への立候補を呼びかけ、一緒に支援するムーブメントをつくろうと活動しています。

今回のゲストは、20代女性地方議員のかとうまいさん(盛岡市議会議員)、中野裕子さん(津市議会議員)、橋本ゆきさん(渋谷区議会議員)、諸岡えみさん(小牧市議会議員)。実は日本でたった15人しかいない*20代女性地方議員。その中から4名もの皆さんに集まっていただきました!
聞き手はFIFTYS PROJECT代表ももと副代表和子。バックグラウンドや議員のやりがい・難しさなどについて、ざっくばらんにお話しいただきました!
(*2021年7月時点のデータです)

【自己紹介と政治家になった理由】
かとうまいさん(盛岡市議会議員)

死ぬまでにやりたいことは「生き甲斐のある世界をつくる」こと。LGBTQ+ 当事者やアライの居場所づくりと啓発活動をする中で政治参画の必要性を感じ、25歳で立候補・当選。議員になって一番実現したかったという同性パートナーシップ制度は、盛岡市では来年5月までに導入予定。
中野裕子さん(津市議会議員)

大学卒業後1年間は派遣社員として働き、知床では半年間リゾートバイトを経験。衆院選の結果に絶望した直後に共産党からのオファーを受け、26歳で立候補・当選。子どもの頃から感じていた生きづらさや社会への疑問は政治で解決できると気づき、高校生の頃から議員になりたいと思っていた。
橋本ゆきさん(渋谷区議会議員)
東大生・高学歴アイドルとして討論番組や選挙関連番組に出演。知識を身につけたいと思い入塾した小池百合子政治塾での経験や、大学時代の友人やアイドル仲間とのやりとりなどから、社会よくしたいという想いが徐々に「コップに水が溜まっていった」ようだった。そして26歳で立候補・当選。
諸岡えみさん(小牧市議会議員)
東日本大震災で生活が一変してしまう様子を見たことから、自分が住む自治体や社会の仕組みに関心をもった。高校卒業後、学生運動団体デモスクラティアの設立や議員秘書を経験。生きづらさに寄り添う政治、ライフステージに応じた声に応える政治家が必要だと感じ、25歳のときに立候補・当選。

【政治家になるまで】選挙について聞いてみた!

Q. 立候補を伝えたときの周りの反応は?

  • 中野さん:政治的に右寄りの父がやってみなよ!と好感触。母は2〜3日寝込んだらしい…(笑)。選挙にも行かなかった母が今は国会中継を見るように。祖母は共産党大嫌いだけど活動はお応援してくれている。

  • かとうさん:母は「ドッキリでしょ??」と(笑)しかし、決めたことなら応援すると言ってくれた。

  • 諸岡さん:母は2015年に無所属で出馬しており、少し特殊。祖母などには「もう少し早く伝えて欲しかった」と、父には「やりたいことならやってみなさい」と言われた。

  • 橋本さん:事務所の社長やファンの方、親は「いつかそうだと思ってた!」と。選挙をきっかけにより仲良くなった人がいた一方で、友人からの距離を感じたことも。「プラ・マイ・プラス」ではあったがマイナスがあったことがショックではあった。


Q. 選挙の準備にかかったお金や時間は?

  • 橋本さん:事務所費用などを極力も抑えても、約250万円かかった。活動は12月末頃から始めた。お金をかければ1週間程度で終わるポスティングはボランティアの人が2ヶ月かけてやってくれた。自分を知ってもらうため、ひたすら駅に立ち、支え合っていた地方議員のみなさんと「始発終電キャンペーン(始発から10時、17時から終電まで役に立つ!)」も。

  • かとうさん: 100万円単位ではかかっている。「自由の女神になりたい。政治を通して皆さんの可能性を解放したい。」とNYで出馬を決意したのが選挙の約7週間前。グラフィックデザイナーなので、名刺や看板も自分でデザインし、ビラ配りは親戚や同僚に手伝ってもらった「あっという間の選挙戦」。SNSと記者会見で立候補表明後、Google formでボランティア募集もした。

  • 諸岡さん:100万単位のお金がかかったが、党(諸岡さんは立憲民主党から出馬)が出してくれたため、持ち出しは50万程度と記憶。周知期間が1ヶ月と短かったため、とにかくビラをまいた。

  • 中野さん:党(中野さんは共産党から出馬)が負担したため持ち出し金はゼロ。党からの立候補のオファーを承諾し、北海道から帰ってきてからは、撮影、ビラ配り、戸別訪問(約100件)、街頭演説…と急ピッチで準備を進め、実質的に50日で選挙に臨んだ。

(もも)政治家のなりかたは色々。意外とギリギリな人、選択肢に出会ってそのまま流れで決意という人もいるんですね。つまり来年の統一地方選にまだ間に合いますね・・・!!✨

Q. 協力してくれる人は何ヶ月前からどのように集めた?

  • 橋本さん:選挙の4ヶ月間前から活動を開始し、仲間集めは2ヶ月前から。友人・知人への声かけや、SNSで人員募集も。

  • 中野さん:チームは揃っていたが候補者がいない状態だったため、選挙の1ヶ月半前に出馬を表明したが、チームは準備できていた。これは党に入るメリットかも。

  • かとうさん:ずっと盛岡で暮らしてきたため、地元の友人・知人が多く、ポスター貼りなどを手伝ってもらった。

  • 諸岡さん:政党から出たため党の助けが大きかったが、地元の友人・知人にも手伝ってもらった。

(もも)お金をかけるか、人を集めるか…🤔
「私たちの人生に「政治家」になる選択肢を!〜政治家になるってどんな感じ?深掘りTALK TIME! 第1回」でも鎌倉市議の藤本あさこさんから同じような話がありました。こちらのイベント報告もぜひご覧ください💡
https://note.com/fiftys_project/n/nd30ced52dc7a 

Q. 個人情報の保護や「アンチ」の存在など、出馬の際に不安だったことは?

  • 橋本さん:個人情報については不安だったが、実際覚悟していた通り。家や電話、ラインアットへの誹謗中傷を受けた。政策の実現や応援の言葉で「相殺!」と思えるが…。

  • 中野さん:被害防止のため、自宅の代わりに事務所の住所や電話番号を公開したのは有効だった。また、セクハラ・票ハラは「運よく」受けなかったが、それが当たり前になるといいなと思う。

その他、夜の事務所にて一人で作業中に怖い思いをした経験や、分かりやすい「若い女性」をアピールすることでエイジズムやルッキズムに苦しんだ経験なども共有いただきました。政治家や政治家を目指す人たちが、「若い女性」であることが原因で嫌な思い・辛い経験をすることがない社会を願うと同時に、支援者としてもサポート・ケアできることがないか考えいきたいですね。

【政治家になってから】実際どう?

Q. やりたいことはどのくらいできてる?想像とのギャップは?

  • 橋本さん:区長与党会派にいたからかもしれないが、「できることがかなり多い」。4年間で100個くらい提案できた!議会では、当事者がいないと話題は軽視されがちな傾向があるが、自分が当事者として参加していることで、その話題が軽視されず、理解・共感が生まれるため、やりがいに感じる。意外だったのは、議会以外の時間が多く、自然に仕事が湧いてくるわけではないこと。

  • かとうさん:予想に反してできなかったのは、プライドパレードやいろんな人との直接の交流がコロナ禍で制限されたこと。一方、議員の「公共性の高さ」、議員だからこその信頼感により、悩みや思いを相談してもらえる機会が増え、やりがいに直結している。

  • 諸岡さん:一般質問での提案。できること・できないことあるが、自分で調査。学校での主権者教育やジェンダーに関する講演など。ニュースレターでできたことを市民に発信したり、YouTubeで活動報告など。やりがいはある一方で、会派を離脱後、無会派であることで入ってくる情報が遅いなどの不平等を経験し、議会の改革は必要だと感じる。

  • 中野さん:一人会派であるため、一人でできることは少なく、一人だけで反対討論をしているようなもの。ただ、学校長との面会など、議員だからできることもある。政策でまとまれるところは仲間を作り、一つでも政策を通したい。

他にも、市長vs議会なのか、議会の中での市長派vs反市長派なのかという特徴の違いや、現場に出ること・現場に頼む(≒負担をかける)ことの可否、議会の雰囲気など、自治体によって事情や特徴は様々なのだということが皆さんのお話からよくわかりました💡
また、議会以外の時間は自分から仕事を探しにいく個人事業主のような働き方だということ、与野党関係の中での難しさや超党派でのチームプレーの発揮など、皆さんが頷く共感ポイントもたくさん出てきました。

Q. 任期が終わったら、続けたい?

  • 諸岡さん:2期目もやるつもり。ライフステージに応じた声を届けられる限りは頑張りたいが、大学で学んでまた政治の世界に戻ってくるかも。政界への出入りのしやすさも、議会の風通しをよくするための施策の一つだと思う。

  • 中野さん:今はこのまま議員をやっていたい。ただ、共産党議員という経歴だけで次の就職難しい気も…。そのとき次第。

  • 橋本さん:夢は渋谷区長! 50代でやり残したことなく政治家を引退し、自分ができることやっていきたい。…と考えると「政治家どっぷり」になりそう!(笑)

  • かとうさん:じゃあ私はいつか盛岡市長になろうと思います(笑)

(もも)女性の首長が増えてほしい、未来が楽しみ🧡

【最後に】
地方議員サポートのため、私たちに何ができるか聞いてみました!

SNS更新などの広報担当や、動画編集(字幕つける)作業をしてくれる人がいたらありがたいとのこと。また活動に同伴して写真撮影やチラシ配りをしてくれる人も募集中だそうです。

(もも)応援したい人がいたら、一旦何かやってみると政治家を身近に感じられたりするのかもしれません!

イベント終了後、参加者の皆さんからは「政治家の存在を近く感じた」「勇気やエネルギーをもらった」という感想に加え、「統一地方選に挑戦してみたくなった」「出馬を後押しされた」「自分も頑張れるところがあるのではないかと思った」「ボランティアをやってみようと思った」といった立候補や支援活動に前向きな声もたくさんいただきました!😳
FIFTYS PROJECTはそんな皆さんをしっかりとサポートできるよう、さらに活動を加速していきます!✨

【立候補を予定・検討している方へ】

FIFTYS  PROJECTでは現在、立候補を予定または検討している20代・30代の女性(トランス女性も含む)、Xジェンダー、ノンバイナリー等の方で、ジェンダー平等実現を目指している方と面談をさせてもらっています。ご関心あればぜひお申し込みください!
また、周りに「ぜひこの人に政治家になって欲しい!」という人がいたらFIFTYS  PROJECTを広めてもらえると嬉しいです。

【クラウドファンディングご協力の御礼】

10月31日にクラウドファンディングが終了し、640名もの方から、7,517,498円の支援をいただきました。皆さんの様々な思いを胸に、大切に使わせていただきます。ご支援誠にありがとうございました!
日本の政治におけるジェンダー平等の実現、簡単な道ではありませんが、これからもぜひ見守ったり、参加したり、一緒に歩んでいただけると大変心強く思います😌
引き続き、FIFTYS PROJECTをよろしくお願いいたします!💚💜💚

執筆:はな

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