旅の思い出 6
エクスアンプロヴァンスからシルヴァカンヌ修道院へはバスで近くまで行ける。バス停で色んな人に話しかけて、バスに乗る。この日は行き過ぎてしまって、終着駅についてしまう。とても小さな町で、ここどこだって感じになった。町で見かけた人に声をかけていくと、いつの間にかおばさんの家で、またお茶をご馳走になった。その人は介護士か何かのようで、一緒にお爺さんの介助をして、其の後、おばさんが来るまで送ってくれた。おばさんはスランス語しかしゃべらなかったが、英語も分かるようだった。おしゃべりが好きなようで、何を話したか覚えていないがフランス語わからないの?じゃあ色々教えてあげるよというようなことを話した気がする。
おばさんに修道院の門まで送ってもらい、中に入る。
お客は自分以外いなくて、静かな石造りの建物です。
内部は白い空間に西日が差しこんでいてた。回廊と聖堂をぐるぐる回ってカメラで写真を撮ったり、ノートに色々書き込んでいった。カメラはデジカメでなくてフィルムだったのでその時の写真をここに載せればいいんですが、やり方はあると思うので、後から載せておきます。この南仏の、遺跡の本も買って帰りました。町から道路を走っていると、修道院と同じような造りの住宅が所々にあって、この地域の伝統の石造の作り方をしていて今でも現役の家もあるようでした。
石と鋳型れた窓から入る光。コルビジェや安藤忠雄が求める空間がそこにはあるようだったが、その二人とは違う。現代のように快適な生活ではなく、清貧というわけではないか求道者たちが、祈りをささげる空間。内部は家具などもなく当時の生活はわからないですが、それなりに裕福だったのではないかと思う。これだけの建物と敷地があれば、多くの修道院がするように、オリーブオイル、お菓子、はちみつなどを生産して、里ものとの交易を通じて、お金を稼いでいたはずと思った。どんな活動にもかかるものはかかる。きれいごとで、寄付だけでは、そもそも自由な活動はできず、出資者の言うことを聞かなければならないからだ。寒かったけれど、色々妄想しながら内部をうろつく。回廊は修復中で足場がかかっていた。古いけれど、内部空間は、昨日切り出されたのかと思うほど、きれいな状態に見えた。
バスの時間が来てので、町に戻ってエクスの町を少し歩いた。この町はとにかく高いとマリ人技師が盛んに言っていた。大きな町ではないけれど、こじゃれた雰囲気であとから知ったけれど、それなりに日本人もいるようだった。今もいるのかもしれない。女性が多いようだった。クリスマスシーズンで、欧州はオレンジの電球色の光のみの電飾が帰って、クリスマスのわくわく感を上げてくれる。冬はこのくらいの光がよく合う。家族で過ごす人たちが寒いのに楽しそうに歩いていた。
適当な異邦人である自分にはフランスの習慣や、現地の人の生活は見えない部分が多い。事実婚が多いというのも、パリとか都会だけの話で、南仏までくれば、しっかりと結婚してみたいな、日本の田舎の親戚同士のような付き合いもあるだろう。それでも、クリスマスはどこの国の人も、何か冬の寒さをうまく乗り越える人の知恵なのかもしれない。寒いけれど、人のぬくもりや、暖かさをかえって意識できるような。適当に入ったお店で、食材と安いワインを買って宿で簡単に食事を済ませた。明日はいよいよセナンク修道院に行くと早めに眠りついた。
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