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スポーツ法学@オンライン第9週 模擬裁判で通常授業が終わりコロナ禍でもプラスに捉えたい卒業研究

3学期の名物企画(試験)である模擬裁判が実施され、9月から始まった授業も全て終了。残すは卒業研究のみとなり、その一環としてのインタビュー取材では学生であることのメリットを感じまくりました。
※その後の6/9(火)提出だった筆記テストに追われて今回の更新が遅れました。筆記テストについては次回の更新時に紹介します。

そもそも模擬裁判とは

これまでの授業で学んだことを模擬裁判という形で発揮することが求められました。オリンピック派遣選手(3人)を決める最終選考会での出来事および代表選考について裁判で争うため、クラスを以下の7組に分けました。

・CAS(スポーツ仲裁裁判所)陪審団
・アスリートA(最終選考会を負傷欠場したもののメダル最有力候補)
・アスリートB(最終選考会1位も後のドーピング検査で陽性反応)
・アスリートD(タイムは最終選考会3位も、ビデオ判定で結果が覆り代表落ち)
・アスリートE(最終選考会4位もビデオ判定で覆った競技結果によって代表入り)
・某国競技連盟
・WADA(世界アンチドーピング機構)
※なお、最終選考会2位のアスリートCは特に争うことが無いので当裁判の対象外。

世界アンチドーピング機構として断じて許さぬ

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事前打合せがしやすいように時差が近い者同士で組まれ、私はフィリピン人と韓国人2人との4人組に。時差が1時間しかないのでスケジュールを合わせやすいだけでなく、日々少しずつでも調べ事をする姿勢やホウレンソウなどなど作業の進め方も似た者同士だったのでとてもやりやすかったです(国民性なのか個々の性格なのかは不明ですが)。

そんな私たちはドーピング違反に該当する成分が含まれる心不全の治療薬を服用していたことの事前申告を怠ったアスリートBの五輪派遣を取り下げることを目標としました。CAS(スポーツ仲裁裁判所)に訴えたことは以下の通りです。

・国内大会である最終選考会に対してWADAは影響力を与える権限は無いと某国連盟は主張するが、国際大会に出場する選手を決める大会であることを考慮すると必ずしもそうではない。
・アスリートBの五輪派遣取り消し。同選手はドーピング違反に該当する成分が含まれる治療薬の使用特例(TUE)を事前申請していないので情状酌量の余地はない。

事前にクラス全体に共有された事実だけに基づいて争うので私たちは試合開始前から圧倒的に有利な状況でした。とはいえ何が起こるか分からないのが裁判。主張次第で流れが変わるとも言われる(裁判は生き物だというセリフを聞いた覚えがあります)ので、アスリートBから想定される反論をどう対処すべきかなど細部まで事前に話し合いました。

5時間もの長期戦の末…

各グループが15分ずつ主張したり、その後の作戦タイムや反論する時間を含めると、なんと5時間にも及んだ裁判の結果は以下の通りです。

アスリートA
過去の経歴から五輪本番で大活躍して某国全体に歓喜をもたらす可能性が非常に高いことを主張したものの、選考会を欠場したので選考対象外。
アスリートB
まさかのオリジナルストーリーを新たに披露するというルール無視のギャンブルが見事に失敗。代表選考外のみならず2年間の出場停止処分を受ける。
五輪選考選手(3人)
アスリートC、D、Eが選出。ビデオ判定の有効性を争っていたDとEにとっては双方が代表チームに選出されるという驚きの結果オーライな展開に。

私たちは過去の判例などを基に4年間の出場停止処分を主張したので2年間の出場停止は要求が通らなかったように見えるものの、今回の裁判の目的であった「アスリートBの五輪派遣の取り消し」を達成できたので結果オーライでした。

立場が異なったらどうしていたか

私たちは最終選考会が「”原則として”五輪派遣選手を判断する大会」であるので、その「原則」を突いたAは五輪に派遣されると予想していました。続く2人目は条件を満たしているC、最後の1枠をDとEがビデオ判定の有効性で争うと思っていました。

しかしAとBが代表落ちとなったがためにC・D・Eが代表入りしたことから、ビデオ判定の有効性についての裁判官の見解を知ることができなかった消化不良感(私が聞き逃しただけかも?)が。とはいえ準備期間の打合せやCASのデータベースから過去の判例を漁っては新しい発見もあった楽しいひと時でした。

また、2018年ワールドカップのゲレーロのような展開になってしまったらWADAの範疇外となるので、自分たちのやることに集中したのが奏功した裁判でした。

そして終了後にグループ内で「逆に自分たちがBだったらどうしてた?」という話題になり、「罪を認めて謝りまくっては減刑を乞い、出場停止は五輪本番の後にしてもらう展開を目指す」という方向で落ち着きました。

コロナ禍による取材形態の変化を実感

全体授業が終わったので7月中旬の卒業研究の発表会と、開催時期未定の卒業式を除き、今回の模擬裁判がクラス全体が集まる(といってもオンラインですが)最後の機会でした。

試験を2つ残しているものの卒業研究に向けたラストスパートな1か月なので、競技連盟や大会主催者などへのインタビュー取材を続々と実施しています。もちろん全員が違う国々にいるのでZoomで実施するのですが、取材対象者もリモートワークもしくは半リモートな方ばかりなので取材時間が確保しやいというメリットを発見。

これがもしスイスにいた場合だと、取材対象者のオフィスに赴く必要があったりしたのかと思うとオンライン取材はかなり時間を節約できるなと(オフィス訪問も楽しいのですが)。しかも月額2,000円ほどでZoomの40分制限が解除され、文字起こし様に録画・録音も可能。

何よりも入学前から話したかった方に1時間~1時間半も取材できた時に学生の特権を実感しました。前職時代にアスリートや関係者を含めて何度か取材をさせて頂きましたが、さすがにこんなにも長時間の取材は未体験だったのでここぞとばかりに質問しまくりました。

そしてあと2週間ほどで第1稿を書き上げようとしているので引き続き時間との戦いが続きます。人生の中で学生として過ごす最後の1か月なので(のハズ)悔いなく卒業できるようガンバります!

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1985年神戸生、地元は横浜。関東とアジア諸国で育ち、98年W杯から現地観戦を継続中。大阪のCS局で10年半勤め、日本で再度W杯を開催するには本丸へと思い2019年9月FIFAマスターに入学、2020年7月修了予定。連絡先はtaizouchida @ホッとメール.comです。