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ミラノ第7週 初のCL観戦からのマンCの状況を調べてたら大学が閉鎖されました

今週は前職時代に出会った友人がミラノを訪問してくださいました。そして欧州サッカー連盟(以下UEFA)が設けるファイナンシャルフェアプレー(以下FFP)を違反したとしてマンチェスターシティがUEFA主催大会から2年間の出場停止処分と罰金を科され、クラス内でもこの話題で持ちきりでした。また、猛威を振るうコロナウイルスがイタリアは特にミラノにも被害をもたらし、遂に私たちFIFAマスターが拠点としているボッコーニ大学も明日から1週間閉鎖されることになりました。

欧州チャンピオンズリーグ観戦での「そりゃそうだよな」

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初めての欧州チャンピオンズリーグ(以下CL)観戦はイタリアのアタランタとスペインのバレンシアの対戦でした。ミラノ近隣のベルガモを本拠地とするアタランタは普段使用している試合会場「スタディオ・アトレティ・アズーリ・ディターリア」がCLが定める基準に満たなたいため、今回の試合はミラノのサンシーロで開催されました。

そして前職時代に大変お世話になった友人がCLに合わせて休暇を取り訪問して下さり、共にスタジアムへ。試合は4−1とクラブ史上初の決勝トーナメント進出を果たしたアタランタが先勝。歴史的な一戦を観戦できた喜びはもちろん、私の肌感覚では2002年の日韓W杯辺りから「世界最高峰の大会」がW杯からCLになった理由についても納得しました。

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大会で得られる賞金が国内リーグよりも大きいため、過密日程の中で多くのチームがCLを優先して選手をやりくりしています。そうすると試合の競技レベルも国内リーグよりもCLの方が高くなり、この循環がCLの価値向上及びCL参加チームと不参加チームの資金格差と戦力格差を促し国内リーグの空洞化をもたらしております。

私は”日常”の国内リーグが、極一部の強豪チームが参加する”非日常”のCLより価値が低くなることはまずいのではと思っておりましたが、単純に強豪チーム同士のハイレベルな試合を観戦してみると「そりゃ非日常の方がおもしろいよな」と思わざるを得ないと感じました。

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そしてCL内でも欧州の頂点に君臨するレアルマドリーやバルセロナを筆頭とするメガクラブと他のチーム(ポルトガルやフランス、オランダ勢など)との格差が広がっています。そのメガクラブたちが「欧州スーパーリーグ(仮称)」と言うメガクラブのみの大会を設立しようと動いているのですが、現実的に現在のCLに多くの恩恵をもたらしているのはメガクラブであることは事実であるものの「これ以上メガクラブが富を独占するのはいかがなものか」と考えています。

クラスメイトたちとは欧州スーパーリーグ設立が止められないのであれば、むしろ参加チームだけでなく、不参加チームにも資金的な恩恵をもたらす仕組みづくりをすべきと話しています。その仕組みがどう言うものかは具体的な話はしておりませんが、現状のCLが既にスーパーリーグ化してきているのでどう”発展”するのか注目しています。

アタランタはミラノ勢を追い越すのか

若手選手の育成に定評があり、ビッグクラブへの選手売却益から大きな収入を得てはクラブ経営を成り立たせていた印象が強かったアタランタ。しかし最近では以下フットボリスタさんの記事の通り、状況が変わってきているようです。

アタランタの年次報告書は発見できたものの、イタリア語かつテキストではなかったため、Google翻訳にかけられず分析はできませんでした。とはいえ英文ではありますが、以下の記事によるとアタランタの経営状況は良好だそうです。

CLの結果次第という不確定要素は多々ありますが、経営状況が良好なアタランタが昨年のアヤックス並の躍進を遂げたら多くの賞金を手に入れることになります。すると負債の精算などに回す必要がなく、選手なのか若手の育成なのか新スタジアムへの追加投資なのか、何はともあれ負債まみれのACミランとは異なり”前向きな投資”ができます。

インテルミラノの財務や戦力状況はACミランよりも良好ですが、これまで「買われる側」だったアタランタが今季CLの結果次第ではイタリアのビッグクラブの仲間入りを果たすかもしれません。その後の投資手法こそ「永続的な成長」に必要なので注視する必要がありますが、セリエAが楽しみになったCL観戦でもありました。

そしてアタランタの応援はガンバ大阪と共通の歌が多くて熱かったです。詳細は熱烈サポーターであるこ〜さんのブログをぜひご参照ください!

マンチェスターシティが違反したとされるFFPとは

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私たちFIFAマスター生が1学期にレスターを拠点としていた際に訪れたマンチェスター・シティ(マンC)が欧州サッカー連盟(UEFA)が定める規則(ファイナンシャルフェアプレー”FFP”)を犯したとして、UEFAが主宰する国際大会(CLなど)から2年間の出場停止処分と罰金を科されました。マンCはUEFAの判断が不当だとしてスイスのスポーツ仲裁裁判所に訴える予定です。

FFPことファイナンシャルフェアプレーとは「持続可能な経営を実現するために設けられた規則」です。私も会計の授業で学んだのですが、要は「お金の使い道とその出所を明記」しなければいけないところをUEFA曰くマンCはルール違反を犯したとのこと。ちなみに本件の詳細はフットボールチャンネルさんとナンバーさんが非常にわかりやすくまとめて下さっているのでご参照ください。

本件が発表された際にはクラスメイトたちとも多くの議論をしましたが、その結論は「何が正しいかは分からないけれど、果たしてマンCがどのように潔白を主張するのかを注目しよう」でした。公になってしまった「手口」は果たして事実なのか、そして事実ならばUEFAのみならず英国プレミアリーグもマンCにどのような罰を下すことになるのか。

また、情報源がハッキングによって公にされたことも議論になっています。不法行為によって入手された情報を元にUEFAは罰を下すことの是非ですが、これは情報が「不法行為によって入手された」ことと「真実か否か」は、本件が公になってしまった時点で切り離して考える必要があるとも話し合いました。

上記フットボールチャンネルさんの記事にも登場しているポルトガル人ハッカーのルイ・ピント氏については卒業研究でも調べています。そして4月からスイスにてスポーツ法学を中心に学ぶ際に本件を法律の側面から詳しく学ぶ予定なので、本noteでもお伝えできればと思っております。

本件の記事は色々と拝読させてもらいましたが、丁寧に説明して下さっている記事が多々あったので以下もぜひご参照ください。授業やテスト対策のノートを読み返してみたものの、以下記事の方が分かりやすくてテスト前に読んでおきたかった程です。

大学が閉鎖されました

ミラノにもコロナウイルスが上陸し、死者も出てしまいました。そしてイタリア政府により私たちが暮らしているミラノの多くの機能が停止され、FIFAマスターの授業が行われているボッコーニ大学も明日から1週間閉鎖されるとの通達を受けました。

みっちりと予定されていた授業が動画のストリーミングなどで開催されるのかも未定で、連絡待ちという状況です。ひとまず今日は近所のスーパーが開店するタイミングでルームメイトたちと2週間分ほどの食料を買い溜めしました。夕方には以下ツイートのように多くの食料品店の陳列棚が空になっていたようで、朝一番で買い物に行って助かりました。ただし、薬局も含めてどこもマスクは売り切れていたので、余程のことが無い限り1週間は自宅待機となりそうです。

そして来週末はルーマニア経由でセルビアはベオグラードに「レッドスター対パルチザン」のベオグラード・ダービーをクラスメイトたちと観戦しに行こうと前職がレッドスターの同級生が昨秋から企画していたのですが、ルーマニア政府がミラノが州都であるロンバルディア州からの来場者の受け入れを隔離(受け入れない?)との方針を発表しました。

さすがに週末に解除させることは考え難く、旅行は断念となる可能性が高そうです。他にも3月には私が20年前にヨルダンで暮らしていた際の友人が暮らすオーストリアを訪れようと思っていたのですが、上記ツイートではオーストリア政府もイタリアからの列車は入国させないとのこと。

クラスメイトたちとは状況が悪化したら、そもそも4月からスイスに拠点を移す3学期に向けてイタリアから出国できないのではとの懸念も出ています。ちなみに私を含む多くの非EUパスポート保持者はミラノに90日間の観光ビザで滞在しているため、3月末には出国する必要があります。

まだ大学が閉鎖という情報しか受けていませんが、今後どうなるのか不安は募るばかりです。とはいえ今できることは自宅待機と手洗い&うがいの徹底。そして卒業研究やグループプレゼンの準備などやることは多々あるので、引き続きガンバります。

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