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Fieldism必聴新曲リスト May 2023 (Part.2)


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6/24 N.L.N.S / 心斎橋クラッパー


7/8 Sin Scripture 1st Single Release Tour ''Charon'' 大阪編 / 心斎橋SUNHALL West



 とあるゲームのイベントの抽選に全落ち、仕事では貿易上の問題でトラブル(こちらに非があるわけではない)と6月早々災難続きでメンタルが死んでいます…。いつもお世話になっております、Ryotaです。

 ド頭にのせている ''N.L.N.S'' ですが、開催までついに後1か月切りました。先日特集を公開したのですが、すでにご確認いただけておりますでしょうか? タイムテーブルは公演の1週間前までには解禁できるように現在調整を進めておりますので、もう少しお待ちいただけますと幸いです。

 この公演の2週間後にSin Scriptureのレコ発大阪編も控えているので、現在2公演並行でバンド・会場との調整を進めていてなかなか忙しいですが、何とか合間を縫って記事も書けています(ライブレポまで手を付けれているとは言ってない)。7月はANXIOUS, DRAINの来日ツアーと明日の叙景のワンマンとライブも少なめ、8月も現状後半まで予定なしになりそうなのでその時に書きだめしていたレポを何とか放出して行けたらとか思っています。

 


前置きはこれくらいにして、今回も行きましょう。

リストアップの条件ですが、下記2点です。
1. 5/15~5/31にフィジカル/ストリーミング/DL販売/MVのいずれかが解禁された作品(基本的により多くの人にアクセスできる手段を優先します)。
2. フルアルバム or EPのリリース時期がある程度明確にアナウンスされている作品の先行シングル、および既存楽曲のリマスターやカバー等は選出対象外。ただしアルバムのデラックス盤のみetc.に収録予定の楽曲は選出対象。

NORTHLANDPUREHATE - s/t

シングル (5/15)

 Dooms Of Ghetto, Slut Needs A Kongamato, DIVINITISTによる「残虐王国新潟」の公式テーマソング。日本海側唯一の政令指定都市新潟ではデスコア/デスメタル/デスメタリックハードコアの極北3組による活動が近年活発化している様子で、昨年はNORTHLANDPUREHATEとしての初企画とコンピレーションアルバムをリリースし、ハードコア/デスメタルリスナーを狂気に駆り立てたことでも話題になりました。今年に入ってDIVINITISTは活動を東京に移しましたが、上記3組によるユニティ感あふれる楽曲がリリースされました。

 実は年明けに仙台行った際DOGとDIVINITISTが出演していたこともあってライブでの様子をすでに観ていて、実際その極悪ぶりに圧倒されて帰ってきたのですが、音源化されるとなるとさらにその解像度が上がった印象です。No Face No Case, Chamber of Maliceあたりを意識した、ひたすらに刻まれる残虐なリフの応酬・容赦ないスラミング・すべてを地獄に落としていく危険すぎるビートダウンで四肢がちぎれるまでフルモッシュしているオーディエンスの光景が容易に想像できます。

 SLAM WORLDWIDEからリリースされているMVでもクルー全員黒い服に身を包んでいて、間違いなく夜の街で出会いたくない感出していて最高ですね。


I See Stars - Anomaly / Drift

シングル (5/16)

 アメリカ・ミシガン州を中心に活動しているエレクトロニコアバンドの最新シングル。そのEDMとメタルコア/ポストハードコアをミックスさせたサウンドは日本でも人気があり、これまで2度の来日を果たしています。前作5thアルバム ''Treehouse'' はそれまで(悪く言えば)ごちゃごちゃしていた印象のあったEDM x メタルコアのミックス具合が絶妙なバランスでマッチしており、成熟したVo. Devin Oliverのボーカルも相まってキャリア史上最高傑作認定 & 筆者も卒業旅行で彼らのライブをアメリカで観たのですが、今でもベストライブトップ10に入る程度には記憶に残ってます。

 前述の ''Treehouse'' 以来約7年ぶりの新曲となる最新シングル ''Anomaly / Drift'' 、Tr.1 ''Anomaly'' ではDevinが「ここ数年難病による慢性的な身体的苦痛・頭痛・うつ病で入退院を繰り返していた時期を経た自己内省と内観から生まれた楽曲」で、楽曲自体はエレクトロ要素は必要最小限にとどめよりDevinのボーカルを強調させた構成が際立ちます、Tr.2 ''Drift'' は ''Anomaly'' とは対照的に、ドラムンベースやトラップあたりのエレクトロサウンド & よりチューニングを下げたギターをはじめとしたバンドサウンドを土台にしていますが、それでもボーカルのメロディを重点に置いている部分は変わりません。

 9月にはBlue Ridge Rock Festivalで4年ぶりのライブパフォーマンスを控えているだけでなく、12曲ほどストックがあるそうなのでアルバムリリースなど今後の動向にも期待です。


Harper - Weight Of The World 

シングル (5/16)

 アメリカのオーディション番組 ''America's Got Talent'' でSpiritboxの ''Holy Roller'' をカバーしたことで一躍時の人になったHarperちゃん(11)、その後AcresCurrentsで活躍しているバンドマンからサポートを受け本家Spiritboxと同じレーベルPale Chordからデビューシングル ''Falling'' をリリースしました。最近もAlpha WolfのUKツアーのある公演でゲストボーカルを務めていたりと話題を集めていますが、またもやメタルコアシーンを揺るがす衝撃作をリリースしました。

 今作 ''Weight Of The World'' は、先月アルバムをリリースしたデスコアBrand of SacrificeのGt. Leo Valeriが作曲 & We Came As RomansのフロントマンDave Stephensがゲストボーカルで参加した豪華 ''Darkbloom'' ラインナップのサポートによりリリース。本家BoSにも共通するソリッドかつシンフォニックなデスコア/メタルコアスタイルの楽曲にHarperの「年齢は関係ない」と言わんばかりの苛烈なグロウル、さらにDaveのコーラスも加わりヘヴィさだけでなくメロディのキャッチーさも兼ね備えていて死角がありません。

 「商業的な舞台でヘビーミュージックの旗を掲げている彼女にのしかかるプレッシャー」をストレートに表現した楽曲、彼女の活躍は同年代の子供たちにヘヴィーミュージックを普及することができるのか注目です。


Sleep Token - Take Me Back To Eden

アルバム (5/19)

 イギリスを拠点にしているポストメタルバンドの最新アルバム。プログレッシブメタル/Djent・ポップ・R&Bといった多様な影響を融合させた作風、ルーン文字やヒンドゥー教のシンボルをはじめ様々な神話や宗教からの影響を感じさせる神秘性、儀式的な仮面と服装を身にまとっていることで明らかにされていない正体も相まって世界中で話題を集めています。わかっているのはバンドのリーダーがVesselという名前で活動していることと、 彼らの音楽が何世紀も前にルーツを持つ眠りについた謎の神 ''スリープ'' への奉仕であることだけです。

 前作 ''This Place Will Become Your Tomb'' 以来2年ぶりとなる3rdアルバム ''Take Me Back To Eden'' は、Sleep Token自体はもちろんヘヴィーミュージック自体の無限の可能性を提示する作品で、聴けば聴くほど彼らのその奇妙な世界観に引き込まれていきます。Tr.2 ''The Summoning'' ではメタルコアからファンクまでカバーする振れ幅、R&B調のアプローチが来たかと思いきや8弦ギターのブレイクダウンでリスナーを振り回すTr.3 ''Granite''、Loatheあたりを彷彿とさせるブラックゲイズ調のイントロが耳を惹くTr.5 ''Vore'' をはじめ、その多彩なアプローチに脱帽させられること請け合いです。ソウルフルなクリーン・悲痛なシャウト・ラップなどいろんな顔を出すVesselのボーカルも圧倒的な存在感を放ちます。


Decayer - Sonoran Death

EP (5/19)

 アメリカ・アリゾナ州を拠点に活動しているデスコアバンドの最新EP。I Declare WarAs Blood Runs Blackあたりから影響を受けたオールドスクールタイプなデスコアを基軸に、メタルコアやプログレッシブな側面を取り入れたテクニカルかつモダンなアプローチも取り入れた作風で好評を博しており、個人的に彼らのデビューアルバムである ''End Note (2019)'' は結構リピートしていました。前作 ''Pestilence (2021)'' ではオリジナルVo. Sean Labrucherieが復帰、そして昨年にBa. Adam & Gt. Hunterが加入し、新体制初のEPがリリースされました。

 「これまでのリリースとは比べ物にならない」「Decayerの最高傑作」と自信満々に語る今作 ''Sonoran Death'' は、上述したオールドスクールとモダンなスタイルを織り交ぜたデスコアスタイルを一貫させながらも、エレクトロサウンドの導入など意欲的なアプローチも伺えます。Tr.1の表題曲からもその片鱗はうかがえますが、Tr.3 ''Of String and Broken Mirrors'' はその部分が顕著で電子音だけでなくクリーンギターを導入したアンビエントなパートもなかなか彼らの引き出しの巧みさを感じさせます。

 Tr.2 ''The Dark Passenger'' や Tr.4 ''Blood Red Sun'' では、冷酷かつ殺傷力の高いテクニカルなリフワークや凶悪なブレイクダウンを前面に押し出しながらも、どこか物憂げでヘヴィネス一辺倒ではないことも好印象。



Sailing Before The Wind - Vanishing Figure

シングル (5/19)

 東京を拠点に活動しているメロディックメタルコアの極北、Sailing Before The Windが今年初の新曲をリリース。昨年から海外のサウンドエンジニアやアーティストを招いた音源制作に注力していましたが、今年に入って少しずつライブ活層を再開。後輩にあたるSable HillsのFrontline Festivalにも出演を果たしました。さらに、今月に入って長らく「ライブメンバー」としてバンドを支えていたVo. Ryoichi & Gt. Kosuke、そして当もう一人のGt.には新メンバーLikuが加入したことで新体制での活動を表明したことも記憶に新しいですね。

 8年ぶりに正規メンバーの加入を発表したと同時にリリースされた新曲 ''Vanishing Figure'' は、「メタルコア」という音楽に対する研ぎ澄まされた美意識の高さと知性が一貫して感じられるリフワークと構成にSBTWらしさを感じるのはもちろんですが、メロディックハードコアLife ItselfのVo. Sean Hesterのゲスト参加も相まって今作はより叙情/エモーショナルなアトモスフィアを醸し出しています。しかしながら、近年の作品で前面に押し出しているRyoichiの特徴的なクリーンボーカルやメロディックハードロック調のリードギターは健在。

 SBTWの新章の幕開けにふさわしい開拓精神に満ち溢れた新曲、個人的にももう4年くらいライブ観に行けてないので何とか機会を見つけたいところです。



UNWAVERING - SIGNALS

シングル (5/22)

 名古屋を拠点に活動しているメタルコアバンドの最新シングル。ex. Reborn From IsolationのYosukeを中心に結成されたバンドで、一貫してFor Today, Parkway Drive, The Ghost Insideあたりど真ん中の叙情的なタフガイメロディックメタルコアサウンドを提示しています。結成以来常にラインナップが流動的な状況ではありますが(初期メンバーの一部はNicor in Punishment, Decasionなどで今も活動中)、バンド名の通りゆるぎない意思でコンスタントに活動を続けています。

 音源としては2021年のEP ''Dawn'' 以来約1年半かつBa. KAZZ & Gt. Hayate加入後となる新作 ''SIGNALS'' は、上述したメロディックメタルコアスタイルは一貫しながらもこれまで以上にリフワークにこだわった印象を受けます。これはHayateが加入したところが大きいと感じており、イントロや終盤のリードパートはa crowd of rebellionなどから影響を受けた彼の個性が顕著に表れています。Yosukeのどこまでもストレートで力強いリリックは今作も健在ですが、特に盟友Bounce Out Innocenceの企画名を拝借した''We continue to exist forever''はもはや確信犯。

 先日BLOODAXE FESTIVALの裏で開催されていた自主企画 ''SIGNALS OF RESURRECTION'' が盛況に終わったUNWAVERING、当日赴くことはできませんでしたがブレない一貫したスタイルが同じフィールドで戦っているバンド達と共鳴している姿が伺えました。


Blessthefall - Wake The Dead

シングル (5/24)

 アリゾナ州フェニックスを拠点に活動しているメタルコアバンドの最新シングル。このバンドに関しては自分が「メタルコア」「ポストハードコア」という音楽を知ったきっかけであり、特に ''Awakening (2011)'' ''Hollow Bodies (2013)'' は当時の自分にも多大な影響を与えたバンドです。2018年の''Hard Feelings''以来、Dr. Matt Traynorが脱退したり、Gt. Eric Lambertが不動産業に着手したり、Ba. Jared Warth & Gt. Elliott GruenbergがサイドプロジェクトHigh Windを立ち上げたりと「Blessthefallは消えたのか?」という憶測が絶えませんでしたが、今月に入り突如カムバックを果たしました。

 先述の ''Hard Feelings'' リリース以来実に5年ぶりの新曲となる今作 ''Wake the Dead'' は、まさにタイトル通り眠りから戻ってきた彼らを象徴するキラートラック。Blessthefallといえばメタルコアのリフワーク & ポストハードコア調のメロディとJaredのスクリーム & Beauのクリーンの対比が思い浮かびますが、まさにど真ん中ストレートな作風。''Hollow Bodies''期を彷彿とさせるヘヴィネスとメロディアスを両立させたリフワーク、一度聴けば耳に焼き付いて離れないクリーンメロディはまさにファンが期待していたものでここ最近のカムバック枠では抜群に良かったです。


Incendiary - Change The Way You Think About Pain

アルバム (5/26)

 アメリカ・ニューヨーク州ロングアイランドを拠点に活動しているハードコアバンドの最新アルバム。90年代のハードコアをベースに現行のグルーヴもモッシュパートを組み合わせてアップデートさせたスタイルで人気を博しており、特に前作 ''Thousand Mile Stare'' は2017年のハードコアシーンを代表する1枚と高い評価を受けており同年のBLOODAXE FESTIVALにもFirst BloodNastyらと来日。現行のニューヨークのハードコアを代表するバンドとして活動しています。

 2007年の結成以来これまで約15年の活動期間でアルバム3枚と寡作なイメージがありますが、今作 ''Change The Way You Think About Pain'' は前作から約6年のスパンをあけてのリリース。先日多忙なスケジュールを縫ってENDとして来日したWill Putneyプロデュースの生々しくヒリついた音像に、泥臭くヘヴィーな90'sハードコアスタイルをアップデートした作風とモッシーなグルーヴ、何よりVo. Brendan Garroneのラップにも接近した吐き捨てるようなボーカルスタイル(Rage Against The MachineのZack de la Rochaと比較されることが多いです)が楽曲にマッチしていてバチイケです。


Winter Wakes - Wide Awake

EP (5/27)

 東京を拠点に活動しているエモ/オルタナティブ/ポップパンクバンドの最新EP。2020年末に前身Area/45から現在の名義に改名して以来、ポストハードコアを基軸にハードコア・オルタナ・エモ・インディーロックなどPure Noise影響下の唯一無二のサウンドを武器に活躍、昨年はキャリア初の東名阪ツアー・盟友Satylus & LIKE A KIDとのスプリットEP ''Neighborhood'' のリリース・それまでメインコンポーザーを務めていたGt. Shuya (現toro) の脱退など、キャリアのターニングポイントとなる激動の1年を過ごしました。

 4人で活動を再開した彼らが先日リリースした本作 ''Wide Awake'' は、今までのオルタナ/エモ色はそのままによりポップパンクに傾倒した印象。今作からVo. Rukaがコンポーザーを務めていますが、彼のエネルギッシュなハイトーンボーカルを活かしたメロディは健在。4曲で8分強のコンパクトな作品ながらも、初心に帰った彼らの初期衝動と新しい側面を詰め込んだ楽曲には心躍らずには入れません。Tr.1 ''Wide Awake'' & ''Run In place'' では疾走感を前面に押し出しつつも、Tr.3 ''Lost Cause'' & Tr.4 ''Paint It Blue'' ではテンポを落としてより「聴かせる」部分に重点を置いているのも興味深かったです。

 このページ文頭のフライヤー見ればわかる通り、6/24に筆者の個人企画 ''N.L.N.S'' で新体制初の遠征が決まっています。この日以降首都圏外でのライブは現状決まっていないそうなので、興味ある方はお見逃し無いようにお願いします。




HONORABLE MENSIONS

Sugar - Early Days
EP (5/19)

 AGAINST THE GRAINBANEONEなど広島で活躍しているメンバーが集結した新鋭メタリックハードコアバンドのデビューEP。昨年に始動したと同時にシングル ''No Stock'' をリリースしております。ファストなパートとタフなビートダウンを織り交ぜたストップ・アンド・ゴーが激しい作風と、BANEONEとはまた違った初期衝動マックスなVo. MBのボーカルワークには注目。すでに大阪や東京にも上陸を果たしており、今年の台風の目にもなりそう。


Launcher No.8 - City Lights
シングル (5/24)

 大阪・住吉発イージーコアバンドの最新シングル。初ライブが今年の一月らしく、タイミングが合っていればお声掛けしてたレベルで今要注目のニューカマーだと思っています。今作は前半と後半で楽曲の雰囲気がガラッと変わっており、夜を駆け抜けていく疾走感と夜明けを彷彿とさせるような転調も伴っていてタイトルにマッチした構成になっています。N.L.N.S前日に新神楽でライブがあるそうなので、ポップパンク/エモ好きな皆様は華金と土曜パーティーハードでお願いします。


Lost in again - NIX
シングル (5/24)

 東京を拠点に活動しているモダンメタルコアバンドの最新シングル。今作から体制が変わっており、Dr.を務めていたmikotoが脱退(現在はニューメタルコアHERWITで活動) & Gt. Leoが加入しております。Arising Empire直系のソリッドなメタルコアサウンドはより研ぎ澄まされており、そこに大胆に取り入れたエレクトロサウンドと浮遊するようなGt/Vo. Wataruのクリーンボーカルが彩るスタイルは現在の彼らを象徴しています。なぜかあまり注目されませんが、Vo. yutaのデスコアスタイルに接近したスクリームは確かな実力を秘めています。


Octavius - ONE-SIXTH
シングル (5/26)

 東京を中心に活動しているモッシュコア/ハードコアバンドの最新シングル。トレンドに10年くらい逆行しているMediaskare / Facedown直系のダウンチューニングメタルコアサウンドは熱烈なファンの注目を集めており、(中止になったものの)カナダのメタリックハードコアGet The Shotとの来日ツアーの全帯同も予定されていました。先日リリースされた本作 ''ONE-SIXTH'' も一貫したスタイルで、どこまでも暴力的なブレイクダウンと暴走機関車張りの疾走パートはモッシュ不可避。


Mugshot - Left In The Wake
シングル (5/25)

 アメリカ・カリフォルニア州を拠点に活動しているメタリックハードコアバンドの最新シングル。前作 ''Empty Heaven'' ではそれまでのハードコア/パンクスタイルから一転Knocked Loose, END, Jesus Pieceなど現行ハードコアの良いところを濃縮した良盤でした。名門Pure Noise Recordsと契約した彼らが名刺代わりに出した楽曲は前作を踏襲した作風で、ドスの利いたVo. Ringo Watermanのグロウルとタフなビートダウンがイケ散らかしています。今後さらなる注目を浴びるのは間違いないでしょう。


Human Instrumentality Project - LCL SEA
アルバム (5/20)

 中国・広州を拠点に活動するデスコアバンドの最新アルバム。バンド名からもわかる通りアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に影響を受けているわけですが、劇中のBGMやOSTをバックミュージックを残虐なデスコアに取り込むことで作中の病的かつ陰鬱で歪んだ世界観をより極端かつ解像度高く表現すること意識したことが伺えます(ただ、筆者はエヴァ未試聴ですが…)。Tr.6 ''夢Ⅱ:YOU ARE (NOT) ALONE''でニューヨークのニューメタル/トラックメタルZoumeをfeat.しているのですが、個人的に生で観たことあるバンドで秘かにチェックしているのでアツかったです。

Archives - Matriach
シングル (5/26)

 北アイルランド・ベルファストを拠点に活動しているメタルコアバンドの最新シングル。The Ghost InsideやStick To Your GunsあたりのメタリックハードコアとInvent animateやArchitectsあたりのプログレメタルコア/Djentを融合させたソリッドなサウンドが持ち味で、個人的には2010年代中盤のモッシュコア要素も兼ね備えているかと。一見荒々しくも綿密に構成されたリフワーク、Gt/Vo. Stewart Fergusonのクリーンボーカルやリードパートのメロディからもその影響を感じさせます。



Terminal Sleep - Chapter 2: Elicit Fear

EP (5/23)

 オーストラリア・メルボルンを拠点に活動するメタリックハードコアバンドの最新EP。半年前にもデビューEP ''Chapter 1: No Solace'' をリリースし、フラストレーション・憎悪・痛み・怒りに満ちた楽曲陣とVo. Beccieのブチギレボーカルで圧倒させられましたが、今作もスラッシーなリフワークとモッシーなグルーヴ、苛烈なビートダウンでモッシュ必至な作品をドロップしてきました。個人的なお勧めはTr.4 ''Disintegration''、怒りの中にどこか悲痛さが込められている側面もあって惹き込まれます。


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