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福岡インディペンデント映画祭2022 作品紹介 その⑩(1104-P5)

11/4(金)第5プログラム(18:45~20:20)
'フライデーナイト 超強力短編特集'

 
うわつきがちな金曜の夜、強い衝撃を与えてくれる超強力な短編映画4本が集結した、今年度最もハードなプログラムです。

幻想、恐怖、血、裏切り、愛憎、因果…などなど、とにかく色々なものがギュッと濃縮されています。心してご覧あれ…!
(画像クリックで作品ページに飛びます)
 
『うなぎのジョニー』(監督:にいやなおゆき、6.21min)

前作『乙姫二万年』に続き、にいや監督にしか作れない独創的な作品がふたたび。屋根裏には色々な生き物・もののけが棲みつくとはいうけれど、まさかうなぎとは…。

黒く「動く絵」の中に幸福と破滅が入り混じり、タレの焦げたにおいまで感じるダークファンタジー。
 
『あの娘の雫』(監督:田中聡、16.20min)

これは最早『あの娘の』シリーズと名付けるべきなのか…。FIDFF2020コメディー賞『あの娘の神様』に続き、とあるカルト(っぽい)集団内での、男たちの情けない生態を描いたブラックコメディ。前作に増して、変態性の中から浮かび上がる人間の本質は可笑しくもあり、納得もしてしまい。

更に、映画のモチーフになっているのは、この2年半の間にみなさん一度は受けたことがあるであろうあの「検査」。

とろりと光りながら落ちる液体、大画面で観たらどんな気持ちになるのか…。
 
『うまれる』(監督:田中聡、33.06min)

続いても田中聡監督による、こちらはかなりハードで血も噴き出すバイオレンス&復讐短編。

これは日本版『母なる証明』(ポン・ジュノ)なのか?それとも身近過ぎる『復讐者に憐れみを』(パク・チャヌク)なのか?一方でラストの狂乱には『あの娘の神様』にも通じるものがあり。

主演・安藤瞳さんの比類なき怖さはクセになりそう。
 
『cord』(監督:中嶋駿介、24.50min)

一昨年の優秀作品『Share the Pain』で注目を集めた中嶋駿介監督の新作。

今作は異なるシチュエーションながら、前作のタイトルになった“Share the Pain”のフレーズそのままの感覚に襲われる。臨場感あふれる撮影、そしてもちろん出演陣も素晴らしく、観る側に“Pain”がしっかり伝わる、ハイレベルな一作。事前に“アステカ式陣痛緩和法”について頭に入れておくと、より楽しめるはず。
 
ちなみに、夫・テッペイ役の大門崇さんは、10分部門最優秀作品『マンガガールズ』の監督でもあります。

文:大塚 大輔(プログラミングディレクター)
福岡インディペンデント映画祭2022は、11月3日から6日まで開催されます


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