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B2Bにおいてカスタマージャーニーは意味がないか?

「カスタマージャーニーはB2Cのものだよね」みたいなコメントを最近聞いたことをふと思い出して、この文章を書き始めている。

以前記事書いたように、カスタマージャーニーや購買意思決定プロセスみたいのを意識して施策を考えて来たので、「そう思うのは理解できる(がなんか違う、説明したいけど今日は時間もないしやめておこう)」という回答をしてしまったように思う。カッコ書きで書いた心の中の説明を文章にしていこう。


カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、ペルソナ、タッチポイント、情報コンテンツを、購買意思決定プロセスとして整理するフレームワークです。一般的には、AIDMAやAISASなどのフレームワークを活用し、認知→検討→行動(購入)→推奨の流れを整理していく

「カスタマージャーニー」で検索すると様々な例があるので、カスタマージャーニーの整理の仕方などについては、ググってもらったほうが良いだろう。

B2Cの方が”比較的”かんたん

さて、タイトルで提示した「カスタマージャーニーはB2Bにおいては意味がない」とか、「難しい」というコメントをたまに聞く。僕もそう思っていたほうだ。

おそらくこの感覚は、B2Bの場合、B2Cと比較して関係者が多かったり、不明瞭なケースがあったりするから、B2Cと比較してかんたんというイメージが、B2Bにおいてはやる意味がないとか言われてしまう根源な気がする。

どういうことかと言うと、B2Cの場合には、利用者=購買者(意思決定者)という認識があるため、利用候補者にどのような情報を提供すれば、購買の意思決定を促せるのかを考えればよいと、すんなりと考えられる。

B2Cの場合、この利用者=購買者、という方程式があたまの中でイメージしやすいということが、B2Cの方がかんたんというイメージをもたせているが、これは、ある意味ではB2C側のマーケターにとって危険であったりもする。

B2Cにおいても、誕生日のプレゼントだったり、クリスマスのプレゼント、祖父母から孫に送られるランドセルなど、購買者と利用者が異なるケースも中にはあるからだ。B2Cにおいてもステークホルダーを意識する必要がある。

B2Bにおいてはどう考えるべきか

B2Bにおいては、購買意思決定プロセスに様々な人が関わってくるので、難しいというイメージを持たれるし、たしかに難しい。そのため、以下のような情報を、マーケターだけでなく、営業や技術営業、デリバリーチームなどと知恵を出し合いながら一緒に整理していくと、今足りない情報が何で、どのような施策を展開すればいいのかが見えてくるだろう。

1. ステークホルダーマップ
2. 意思決定のプロセス(誰が何を決める・推奨するか)
3. どのような情報コンテンツが必要か?
4. 提供方法の工夫

ステークホルダーの情報をマップというほどでもないが、整理することで、利用者が意思決定者の可能性もあるし、利用者が意思決定者でない可能性にも気づく。このあたりの情報は実際に顧客や見込み顧客と会話している人(営業やデリバリ)の情報を参考にするのが良い。

また、意思決定のプロセスが、認知→検討→行動のようになっていないケースもあるだろう。特に日本においては稟議プロセスなるものがあるので、稟議に出てくるようなペルソナを設定することも重要であるし、その稟議に必要となる情報はどのようなものなのかの整理も重要だ。さらに、その情報をどのように提供するとうまく伝わるのか、SNSを使うのか、紙媒体を使うのかなどの工夫を考慮し、施策を実行していく。

上記のような情報を整理し、施策を検討し、実行する、というのはB2CもB2Bも今の僕には同じに見える。同じくらい俯瞰的になったり、具体的になったり行ったり来たりしながら施策を打つのだ。

おわりに

上記のような情報を全てガッチリと準備して施策を打とうとするとおそらく1年以上かかってしまう。実践にあたっては、仮説検証型で、小さな気付きから、小さな施策を打ち、計測していくというのがおそらく重要になってくるだろう。

また、これの理解を深めるために既存ユーザーがいるのであれば、そのユーザーの生の声を聞きに行く場や仕組みも必要になると思う。UXでは、エスノグラフィー調査をすることがあるようですが、そのあたりの情報を参考にして分析したりするとよいのかもしれません。

参考情報


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