Ghost of Tsushimaの”和風”革命 ~和歌編~
Ghost of TsushimaはPS4で発売されたゲームです。
1274年の文永の役(1回目の元寇:モンゴルの日本侵攻)をモチーフにしたゲームで、舞台は長崎県の対馬。
そして開発したのは、『アメリカ』のゲーム開発会社であるSucker Punch Productions。
アメリカで開発されたゲームにも関わらず細部まで日本文化を反映させており、黒澤明の侍映画を参考にした演出や人物群などとにかく日本人も唸る「日本ゲーム」です。(海外の作品に出てくる日本はよく中国と混同されていたり、ヘンテコな解釈をされていたりする)
実際の対馬の環境や時代に即した文化を忠実に再現するより”日本っぽい作品”を作ることにこだわっており、世界、そして日本のプレイヤーの誰もが違和感なく入り込める日本を再現しつつ、ゲームとしての楽しさや作品としてのエンターテイメント性も両立している素晴らしいゲームだと思います。
その中でも特に私が感動したのは、「和歌」を詠うシステムです。
このゲームでは特定の場所に赴くと和歌を詠めるのですが、これが本当にすごい。
実際のゲーム画面がこちらです。(音量が小さいですが、最後に急に音が大きくなるので注意してください。)
このように 五 / 七・五 / 七・七 それぞれを、周囲の風景を見渡しながらインスピレーションを働かせて思いつくような演出になっており、3×3×3の計27通りの句をプレイヤーごとに詠むことができます。
これ、アメリカのゲームなので日本版は翻訳されてこうなっているわけですが、どれを選択しても和歌として成立するようになっていて非常に素晴らしいですよね。翻訳した方々に称賛の拍手を送りたいです。
そして詠む俳句もしっかり主人公の心情が反映されているため、物語への感情移入を深める効果もあるわけです。
落ち着いた、風流な日本文化を過程も含めてここまで丁寧に抽出しているゲームは日本の作品の中でもほとんどないんじゃないかと思います。
そして、何度も言うようですが元はアメリカ開発のゲーム。当然オリジナル版は英語になるのですが、この和歌という日本語の文化をどうやって再現するのでしょうか。
オリジナル版の動画がこちらです。(こちらも音が小さめです。)
声に出したリズムは少し違いますが、文章としてみると音のリズムがちゃんと五・七・五になっています。
しかも最後は韻まで踏んでる。
すげ~~~~~~~~~~
この和歌(haiku)システムだけでも、このゲームがいかに日本文化を尊重して作られているかが分かると思います。
当然ほかの要素もゲームとしてすごすぎるので、機会があればぜひ遊んでみるか、ゲームを遊ばない人はYouTubeで動画を見てみるかしてみてください。
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