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人間の成長は『アンパンマンのマーチ』の解釈に表れる

(この記事は半分まじめですが、「大人とアンパンマン」という構図を半分冗談で書いているので、あんまり深く考えずに読んでください。)

アンパンマンのマーチ

日本を代表する国民的アニメ「それいけ!アンパンマン」で流れる超有名な曲。

そもそもアンパンマンと言えば一般的には子供向け、それも0~5歳くらいのお子さんを対象にした作品であると認識されている。それゆえに、先述のアンパンマンのマーチも小さなお子さんが楽しめるような曲だろうと思われがちだ。

歌詞の一部を取り上げると以下のように歌っている。

ああ アンパンマン
やさしい 君は
いけ!みんなの夢 まもるため
(引用元:http://www.utamap.com/viewkasi.php?surl=E02014)

わかりやすいヒーロー像である。優しいアンパンマンがみんなを守るのだ。この部分が、言語能力を獲得し始めた子どもにとって一番わかりやすいポイントなのではないかと思う。


アンパンマンのマーチは老いずとも、人は成長する。アンパンマンを見て育った子どもが中学生になった頃、今度は次の歌詞に注目することになる。

そうだ おそれないで
みんなのために
愛と勇気だけがともだちさ

え、愛と勇気だけが友達?  実質友達0人じゃんwww  カバおくんは友達じゃないんかいwwwww

この屁理屈は中高生、特に男子が必ず一回は通る道だ。それでも皆、アンパンマンを馬鹿にする意図などない。言葉の深読みができない未熟な我々を、どうか許してほしい。

ちなみにこの歌詞の解釈として最も有力なのは「戦いに行くのにみんなは連れて行かない、愛と勇気だけで十分だ」というようなもの。どうやら作者やなせたかし氏の弟が戦時中に特攻隊として散ったことを想って書いた詩のようだ。


そして人は疑問や反発を忘れ、与えられた言葉に従順な大人になっていく。しかし、複雑で多面的で正誤も善悪も定まらない人生の途中に、きっと再び『アンパンマンのマーチ』に出会うことがある。この記事を見ているならば、今がその時だ。

もう一度、アンパンマンのマーチに向き合ってみてほしい。

なんのために 生まれて
なにをして 生きるのか
こたえられないなんて
そんなのは いやだ!

答えられないのが嫌なことくらい、みんな分かっている。されども現実をみれば苦労や不安ばかりで、どんな生き方も肯定されず、自分なりの答えなど知らない誰かに棄却されるだけなので、結局答えられないでいる。

個人的にはアンパンマンのマーチは、これに対する明確な答えを出していないように思う。しかしながら、むしろその答えを各々で定義していくうえで大切なことを、こう提示している。

今を生きることで
熱い こころ 燃える
そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも

生きていること、まずはその事実が喜びであり肯定すべきことである、と。今を懸命に生きていれば、いつかどこかのタイミングで心が燃える。それまでは、どんなに自分の生きる意味が見つけられずとも生きていることそのものの価値を肯定していこう。私はこの歌詞をそう解釈している。

大人にとって、アンパンマンのマーチの解釈はこれに触れた各個人の解釈にゆだねられる。ただ、人生の様々な波を幾度となく経験してきた人ほど、中高生の屁理屈のような解釈はしなくなってくると思われる。

むしろ、アンパンマンのマーチに独自の解釈を適用できるようになった者を、大人と呼ぶのかもしれない。

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