肩関節 内転制限と痛みの関連性
こんにちは、理学療法士の藤田(https://twitter.com/hiro24439725)です。
今年度から肩関節疾患を見させていただく機会が多いのですが
そこで気づいたことが
肩関節の内転制限って意外と多い?
ってこと。
立っていると腕が真下に降りているので、見逃しやすいですが意外と多いですよ。
そこでいろいろ勉強していると
内転制限は、可動域はもちろん、痛みとの関連性もかなりあるんじゃない⁉
ってことを知りました。
なので今回は、
肩関節の内転制限と痛みの関係について
まとめていきたいと思います。
肩関節内転制限ー痛みの関連性
肩関節の内転制限は、主に上方組織の滑走不全が関与します。
この上方組織の滑走不全によって出現する痛みは、大きく2つ。
①肩峰下インピンジメント
②夜間時痛
下記でそれぞれについて詳しく書いていきましょう。
内転制限とインピンジメント
肩峰下インピンジメントでは、よく後下方組織(小円筋、後下関節上腕靭帯など)が影響するといわれていますよね。
しかし、
上方組織の滑走不全もインピンジメントの要因となることがあります。
上方組織の滑走不全によって、腱板や肩峰下滑液包が肩峰の下を出入りする動きが制限されてしまいます。この腱板・肩峰下滑液包が肩峰の下を出入りする動きが制限されることで、上腕骨の動きが制限され、インピンジメントが生じます。
内転制限と夜間時痛
肩関節でも問題となるのが夜間時痛。
実は、夜間時痛と内転制限は、大きな関係性があるといわれています。
内転制限があると滑走性が低下している上方組織、特に腱板や肩峰下滑液包は、肩峰下を通ります。なので、上方組織の滑走不全によって肩峰下圧が上昇し、内圧の調整機能が破綻してします。
この肩峰下圧の上昇と内圧調整機能の破綻が夜間時痛が出現する一つの原因ではないかといわれています。
つまり、夜間時痛の訴えがある方に対しては、
上方組織の滑走性を促し、内圧を低下させること
が重要な一つのポイントです。
内転制限に関与する組織は
上記でも軽く説明しましたが
内転制限には、肩関節の上方組織が大きく関与します。
特に『 前上方組織 』は、制限になりやすい部位でもあり、痛みを感じやすい部位なので治療するうえでもポイントとなる部分です。
◆腱板疎部・烏口上腕靭帯(CHL)
滑膜が豊富であり、疼痛閾値も低い組織であるため、痛みを感じやすい部位です。さらに、瘢痕化すると柔軟性が著しく低下しやすい部位なので可動域制限に大きく影響してしまいます。
◆上腕二頭筋長頭腱(LHB)
LHBは、棘上筋前部線維、肩甲下筋上部線維、CHL、上関節上腕靭帯に囲まれています。そのため、それらの組織に何らかの問題が生じると影響を受けやすいです。さらにインピンジメントによって、上腕二頭筋長頭炎など炎症を引き起こしやすい部位でもあります。
内転制限の評価
では、『 内転制限をどのように評価するか 』
肩甲上腕関節(GHjt)の可動域を確認する際に、
上腕骨を内転方向に動かした際に肩甲骨が動かずに内転できるかどうか
をチェックしましょう。
通常は、内転しても肩甲骨は動かないはずなので、
肩甲骨が代償し内転と一緒に動く際は、上方組織の問題を疑いましょう。
他に簡単にスクリーニングで見るためには、
1stでの回旋(外旋:前上方、内旋:後上方)、伸展可動域、結滞動作
で上方組織の柔軟性を確認できます。
一つ可動域の目安として、1st外旋25°、伸展15°、結滞L3レベル以上動くかどうかを評価として見てみましょう。
もう一つ見てほしいポイントが
座位・立位で上肢下垂位での肩甲骨のアライメントです。
内転制限があると、上肢を下垂させた際、
肩甲骨のアライメントが下方回旋、下制位となっている場合が多いです。
私も以前は、肩甲骨が下方回旋位だと肩甲骨の問題と思っていたのですが、上記のようなことがあるのでGHjtの内転制限の可能性があることを考慮しないといけないですね。
まとめ
今回は、内転制限と痛みの関連性についてまとめました。
●上方組織の滑走不全は、インピンジメント、夜間時痛の要因となる。
●肩甲骨の代償なく、内転できるかチェックしよう。
内転制限は、見逃しやすい部分でもあるので、適切に評価し、治療したいですね。
今回は、ここまで。
また、学んだことをまとめていきたいと思ってます。
何かアドバイスや意見交換などできたらうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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