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夏の名残の千疋屋氷菓

思い出したように蝉が鳴いている。高気圧の最終クリアランスセールのごとく、関東はまた少し気温の高い日が続いた。冷凍庫の奥にしまい込んでいて、食べ損ねていた千疋屋総本店のシャーベット日和。

貯めに貯めた某ポイントで購入した「センビキヤスゴイタカイアイス」。

そういえば、シンカンセンスゴイカタイアイス、お取り寄せできるとは知らなかった。新幹線、いっときは毎月乗っていたのに、数年乗っていない。

千疋屋は江戸時代に創業した果物屋の老舗で、常設店は関東のみ。
催事で大阪や福岡の百貨店に出店することがあるが、関東のお土産として重宝されるのか、羽田空港や東京駅にも売店があり、にぎわっている。

バナナ1本税込324円、桐箱におさめられたメロンは税込17,280円と、贈答用高級フルーツ専門店として名を馳せる。果物の他にも、ケーキやゼリーなどの洋菓子、ジャムやフルーツカレーといったグロサリーも取り扱っている。

コンポート

商業施設のくじびきで商品券が当たって購入したコンポート

フルーツパーラーでは、センスアルスゴイタカイパフェや、パスタやカレーなどのお食事を頂ける。お高いだけあって、とにかく果物が、絶品。

全景

天草(オレンジ)とルレクチェ(洋梨)

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真上から見ても見目麗しい

仕事がひと段落したから超贅沢するんだぞ!と鼻息荒くパフェ目的で入店したのに、隣のお客様がマンゴーカレーを召し上がっていると、匂いにつられてカレーを頼んでしまう、という珍現象が発生するから気を付けたい。
カレーも味に深みがあって大変おいしい。

センビキヤスゴイタカイアイスは、パイナップル、オレンジ、バナナなど、複数種の詰合せになっていた。

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シンプルな容器にみなぎる老舗の自信

開けるやいなや、中身を撮る前に食べてしまった。見た目は何の変哲もないやわらかな黄色のシャーベットである。着色料を使っていないので、いわゆる「パイナップル色」ではない。

横

千疋屋の工場って山梨にあるんだ

果汁85%、およそパイナップル。酸味が抑えられていて、なめらかで食べやすい。昔はヤンチャだったけど、歳を重ねて円熟したパイナップル。

アイスは、乳脂肪分と乳固形分の割合に応じて「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」/「氷菓」と種類別名称が分けられている。ラクト、はギリシャ語で乳を意味する。

氷菓はシャーベットやジェラートやかき氷が該当する。アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスが所属する「アイスクリーム類」に、氷菓は入っていない。

恣意的な見解でいえば、人気バンドの頼もしいサポートメンバー的な立ち位置。正規メンバーではないけれど、ライブには必ず帯同するし、何なら音楽番組にも演奏シーンでたまに出てくるような。

Mr.Childrenでいうなら、「キーボード!サニーーーーーー!!」だし、スピッツでいうなら「キーボードはクージーで~す」だ。
しつこいが、恣意的な見解である。

乳が多い方がミルクの濃厚な味わいが感じられるため、いかんせん「アイスクリーム」がもてはやされがちだが、蒸し暑い夏はサクレレモンやガリガリ君が代表を務める氷菓が恋しい。

この種類別名称、文字の大きさは14ポイント以上と決められている。1ポイント0.3528㎜なので、約5㎜。
これが飲用乳になると、牛乳と名のつくものと加工乳は10.5ポイント(約4㎜)以上、乳飲料になると14ポイント以上となる。

そもそも、表示に用いる文字は8ポイント(約3㎜)以上、表示可能面積が150㎠以下のものは5.5(約2㎜)ポイント以上と決まっている。

優良誤認を避けるためだと思うが、もはや1㎜単位での違いは、所属人数の多いアイドルレベルで瞬時に見分けがつかない。

ところで、アイスは商品の特性上、期限表示と保存方法を省略することができる。だから、よくコンビニで季節外れのフレーバーが何食わぬ顔で鎮座していて、見つけた時になんだか得した気分になる。

アイスに期限表示がないのは割と知られているが、期限表示が不要なものは他にもある。

・でん粉
・冷菓
・砂糖
・食塩
・うまみ調味料
・氷
・酒類
・チューインガム
(特定保健用食品を除く)
・アイスクリーム類
・飲料水および清涼飲料水(紙栓ではないガラス瓶入り、またはポリエチレン製容器入りのものに限る)

以上は、品質の変化が極めて少ないとして、期限表示が省略できる。
うまみ調味料を除いて、保存方法も省略できる。

よく見かける赤いキャップの食卓塩に賞味期限が見つけられず、これは、メーカーのミスでは・・・?と不安になったことがあるが、もともと期限表示は省略でよかったのだ。
その代わりといってはなんだが、食塩は製造方法と工程の表示が義務付けられている。

チューインガムに期限表示が不要なのが意外だった。水分が非常に少なく、常温で保存されれば、品質の変化は極めて少ないのだそうだ。
わたしの場合、ガムの類は夏を過ぎるとバッグの底からさまざまな圧に負けた姿で発見されるが、あれは明らかにこちらサイドの保存方法ミスである。

一応、食品表示検定を受け、中級食品表示診断士という民間資格はもっているのだが、知らないこと、というか細かすぎて覚えられないルールが多い。

食品表示は生産者と消費者をつなぐ架け橋、と言われるが、橋の途中でよく迷子になる。ちょっとよさげなレストランで、シェフからお料理について懇切丁寧な説明を頂いても、ほとんど頭に入っていないあの感じ。

学校でプログラミングや英語を教えるのもいいけれど、食育の一環として、自分で食品の情報を取りに行く力も養ってくれたらな、と思う。

センビキヤスゴイタカイアイス、賞味期限がないとはいえ、容器に霜が降りないうちに食べきってしまおう。心理的な賞味期限は意外と早い。

来週2回目のワクチン接種が終わった暁には、センスアルスゴイタカイパフェ、もひさびさに食べに行きたい。

秋パフェ

りんごとぶどうと洋梨の秋パフェ

秋パフェ真上

運んでいる最中に全部落としそうな超絶バランス

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