古湯温泉ってどこそれ?③
1度会った時に、
「この人とタイプ違うなー」と
無意識に思ってしまうことがある。
それは
私があなたと出会ったことがないか
あたなが私と出会ったことがないか
それだけだと思う。
経験があるから、人は人と分かり合える。
オーナーのだいすけさんは、
「奢ってもらったことがあるから
人に奢る時の喜びが分かるんだよね」
と言って佐賀牛を奢ってくれた。
「農家さんの苦労が分かるから
ネギまで残しゃず食べんしゃい」
と言った。
ご飯粒は残さないけどネギは残してたなー
と反省した。
そして、
「ネギまでおいしいっすねって言うと
奢った方は嬉しいで」と付け加えた。
昼間は
パークゴルフに連れてってもらった。
「やったことなかろう?」と笑顔でいうのは
1回やっとことがあるのとないのでは
違うから!という思いだろう。
経験があるから、人は人を慮る。
1度来たことがある土地は
どこか故郷みたいな感じがする
ニュースでインドの話が流れてくると聞いてしまうそれは僕がインドに行ったことがあるからだ
佐賀に来て、古湯温泉の街を知り、
宿の従業員さんと仲良くなった。
「佐賀行くんだ」と友達に言われたら
きっと話をするだろうし
事件があると気になってしまうだろう
「おれはさ、従業員を守らないといけない」
と語るオーナーは
「うちで働きたい。温泉郷でいっぱい他の宿あるけど、うちで働きたい。そう思ってもらいたい」と言う。
「友達じゃないんやから」とおばちゃん達への
タメ口も注意された
感情を言葉にしようとするあまりなのだが、
「従業員を守るため」だという。
でもその違和感に気付くのは
色んな人と関わったからだと言う。
異業種や営業やらいろんな人と関わっているからだろうし、だからこそ、おてつたびを受け入れているのだろう。
初めて佐賀に来たんだから、
色んな経験をさせてあげたいという気持ちから
たくさんの経験をさせてもらった。
結局は対話でしか分かり合えない。
経験がないから、
タイプが違うから、
諦めるのは簡単だ。
けれども話を聞いてみると
分かる部分がきっとある。
なんで宿を継いだのか、どういう経緯なのか
という想いと、
初めておてつたびを受け入れてどうだったか
という感想と、
だいすけさんの目に僕はどう見えたのか聞き、
逆にこう思って言ったんですよ
と心の中を話した。
「友達じゃないんだから」と怒りの釘も
背景を伝えると、
そうだったのかと納得してもらえた。
(もちろん言葉は気をつけた方がいい。
結局は言葉に表れるのだから)
たった2日間なのだが
過去の話、考え方の違いも知れた。
知らない土地にやってくるというのは、
色んな経験をし、色んな話を聞き、
故郷が増える
そんな出会いの幅が広がるチャンスなのだ
自分の目で見て経験し、
感じたことすべてが自分のものだ