奈落に突き落とされる

ずっと楽しみにしていた舞台が開催直前に中止になった。

V6の坂本昌行さん目当てだったが、「ドキュメント72時間」のナレーションでもお世話になっている鈴木杏さんも出演されることや、中高と在籍していた合唱部の大会や鑑賞教室(演劇とか音楽とかを鑑賞する行事)と学生時代から縁がある会場が入っていて、これは行くしかないと発表当時からチケットを申し込んだ。
高倍率の壁を乗り越えて、当選を知った時は発狂した(車内にいた)。

当日は車で行くからとフライヤーをもらうついでとして、通院の日に実際に会場まで車で行ってみた。
地図上で確認したこともあり、わりとすんなり行けた。
敷地内に足を踏み入れた時、何とも表現しがたい高揚感や興奮や独特の空気感が足元からのぼってくるような感覚がした。
とにかく、学生時代には感じなかった感情。
舞台や演劇に関心を持ちはじめたのが数年前だったが、学生時代から観劇の機会が多かったら、どんなことを感じていただろう。

2週間前、アイシャドウやマニキュアを舞台の(個人的な)イメージカラーに合わせ、新調したり、当日着ていく服を決めたり、荷造りしたり、当日の計画(何時に家を出るかとか)と完全に浮かれていた。

そして24日。この日行われるはずだった東京での千秋楽が中止になった。
坂本さんが感染した。
それに伴い、数日後に本日行われるはずだった公演の中止が発表。
あと何日仕事して夜を越えれば、地元で推しが観れる。
そうやって数えながら生きていく日々は唐突に終わりを告げた。
もう楽しみがなくなった。すべてに対する気力と体力を失いつつある私は悲しみに沈んだ。

今、地元は落ち着いている方だが、東京や大阪は倍以上に多いから、このご時世はまだまだ終わらない。
何度夜を越えれば、制限なく遠出が出来る世の中になるんだろう。
もしかしたら、そんな未来は私が生きている間に来ないのかもしれない。
果てしなく遠い未来に涙が出そうになった。

そんな今日、会場に向かった。
分かっている。中止だってことは。
それでも入口をくぐり、劇場に向かい、メインビジュアルを撮って、一礼して帰ってきた。
その後、徒歩3分の所にあるマックでお昼にしたり、公園寄ったり、どんぐりといちょうを拾って小さな秋を感じたり、推しも観るはずだった秋空や会場を写真に収めた。

また来ような。
ドが付くほどの地元(会場周辺はまだ栄えている方)だが、はじめて地元を好きになれたと感じながら、車のエンジンを掛けて、道を走り出した。