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人生には余白が必要だ、と思ったウソみたいなホントの話

昨年の6月に新卒から約20年続けた会社を辞めて、サバティカルタイム(と言う名の人生のエアーポケット)を味わっているmomomiです。
こんにちは。

前の会社では本当にいろんな経験をさせていただきました。

全く希望ではなかった技術系研究職でのスタート、
恋愛と仕事が上手くいかなくてメンタルをやられた20代、
まったく先が見えず、何がなんだかわからない日々をくぐり抜け
一念発起して、大きなキャリアチェンジを叶えたこと。

気づけば部署で初めてのママになり、不安しかない毎日を送り
マミートラックどころか、キャリアプランを考える暇もなく
ただただ、がむしゃらに過ごした日々。

そんな超多忙な日々から、ふとしたきっかけで主婦になり、
もう一度自分の人生について考えるという選択をした2023年6月。
その2か月後、私は徳島県の神山町を訪れました。

オンライン読書会を通じて知り合った、素敵な友達がそこに住んでいたからです。

*****

その一週間は息子をキャンプに送り出していたので、神山では久しぶりに家族のことなんかさっぱり忘れて、自分の時間を過ごすことができました。

美しい自然、美味しいごはん。
クラフトビールを楽しみながらのガールズトーク。
神山町に暮らす人たちの、魅力的なまちづくりの話。

普段なら”そろそろ帰って、夕飯の準備しなくちゃ”とか考えないといけないのに、そんなことを全く考えなくてよい時間は、私にとって久々の完全なOFFでした。自分のために100%時間が使えるなんて、なんて贅沢。

でも終わってほしくないときほど、無情にも過ぎていくのが時間というもの。

一緒に訪れた友人が一日早く帰ることになったため、思いがけず旅の最後の夜、神山に住むくだんの彼女と私は徳島駅前のホテルで一泊することになりました。
せっかくだから、駅前で温泉でも入ってから夕飯でも食べにいこ。
そんなこんなでたっぷり話し込み、あっという間に夜。

金曜の夜に駅前でご飯をたべようと思ったら、これがまた全然空いてない。

散々彷徨って結局入ったお店は、鉄板焼き屋さん。
旅の疲れのせいか、あんまり食べられなくなってしまった私のお腹も考慮しつつ、お好み焼きやら焼きそばやらをつまみながら飲みながらしゃべる私たち。

ふと、家族の話になりました。
「そういえば、弟夫婦が○○(私が住んでいる市)に住んでいるんだよね、行ったことないんだけれど」

確かにその話は聞いたことがあった。
でも私が住んでいるところはそこそこ大きな市だから、それ以上は聞いたことがなかった。
「小学生の女の子と、男の子がいるの」

えーそうなんだ。
うちの子は小4だよ。何年生なの?

「うーん、上は小3だったかな。どうだったっけ?」
お互いに酔ってたし、そもそも自分の子どもでもなければ学年なんて覚えてないよねー。

スマホを取り出して、何かを探しだそうとする彼女。

「あ、これこれー。こんな感じ。」
あ、写真出してくれるの。見る見る。







「え・・・・・あれっ・・・・○○ちゃんと、△△。。」




「え、、、、、
              
        なんで知っているの?!」



その写真には私が良く知っている姉弟が写っていました。

なんと、オンラインで知り合った彼女は、息子の保育園からのお友達の、叔母さんだったんです。

一学年最大でたった14人しかいない、小さな保育園のお友だち。
小学校も学童も一緒。
今でもキャンプに行ったりすることもある、数少ないお付き合いのあるご家族で、家族ぐるみで仲良くさせていただいていたのでした。

え、こんなことってあるの?!

あまりの偶然にそれまで話していたことはすべて吹っ飛んで、二人とも頭の中が真っ白に。

え、だって子どもたちが一緒に写っている写真たくさんあるよ。
私の息子と彼女の姪っ子甥っ子が写った小さなころからのたくさんの写真を見ながら、不思議なつながりに驚く私たち。

飛行機にのってはるばる徳島まで来て出会ったのは、なぜかつながる家族のご縁。

*****

人生の話、パートナー、キャリア、本について、などなど。
それまでたくさんいろんな話をしていたのに、びっくりする偶然に言葉を失い、一瞬で家族に全てを持っていかれる私たち。
これはダメだ、ちょっと店変えようよ、ということで彼女が行ってみたかったBarに行ってみることに。


そのBarのコースターにはこんな言葉が書かれていました。

現代人はどうも忙しい。
忙しいとは心をなくすこと。
Bar余白は、
心の『余白』を取り戻せる店。
一日の終わりにゆっくりと
お寛ぎくださいませ。

知的な彼女の、ウイスキーを飲む美しい横顔を見ながら
私は今人生の余白を味わっているんだなぁとしみじみ思った、そんな夜。


きっと私は、会社を辞めなければ多分徳島なんて行かなかった。

思いつきで旅行を計画して、飛行機に乗ったりなんかしなかった。

子どもがいるから、家を空けようなんて思わなかった。

仕事と人生に悩まなかったら、オンラインの読書会なんて参加しなかった。

そうしたら今ここに座っている彼女との縁なんて、もしかしたら一生気がつかずに通り過ぎていたのかもしれない・・・


いろんな偶然に導かれ、思わぬ人生の余白に驚いた夜。

もしかしたら、人生は余白の方が意義深いのかもしれない。
本当はご縁がある人とすれ違っていても、気がつかない方が多いのかもしれない。

会社を辞めるという選択が正しいのかなんてわからないけれど、私のこれからの人生にはもう少し余白があった方がいい。
その方がきっと意外な広がりがありそうだから。

頭でっかちに思考に頼る人生を止めて、もう少し大きな何かを信じて進むのも悪くはないのかもしれない。

そんな風に感じた、ウソみたいなホントの話。



読んでくださって、ありがとうございます。


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