読むたびにいつも自分の大切な心に還るありがたい"お経"🙏🏻スペイン語訳付き✨
『こぞうさんのおきょう』
新美南吉
やまでらの おしょうさんが びょうきに なりましたので、
かわりに こぞうさんが だんかへ おきょうを よみに いきました。
おきょうを わすれないように、
こぞうさんは みちみち よんで いきました。
キミョ
ムリョ
ジュノ
ライ
すると なたねばたけの なかに うさぎが いて、
「こぼうず あおぼうず。」
と よびました。
「なんだい。」
「あそんで おいきよ。」
そこで、こぞうさんは うさぎと あそびました。
しばらく すると、
「やっ しまった。おきょうを わすれちゃった。」
と こぞうさんが さけびました。
すると うさぎは、
「そんなら おきょうの かわりに、
むこうの ほそみち
ぼたんが さいた
と おうたいよ。」
と おしえました。
こぞうさんは だんかへ いきました。
そして、うさぎの おしえて くれたように、
ほとけさまの まえで、
むこうの ほそみち
ぼたんが さいた
さいた さいた
ぼたんが さいた
と かわいい こえで うたいました。
きいていた ひとびとは びっくり して 目を ぱちくり させました。
それから くすくす わらいだしました。
こんな かわいい おきょうは きいた ことが ありません。
そこで、ごほうじが すむと、
だんかの ごしゅじんは すました かおで、
「はい、ごくろうさま。」
と、おまんじゅうを こぞうさんに あげました。
「ごちそうさま。」
と こぞうさんは おまんじゅうを いただいて たもとに いれました。
こぞうさんは、かえりに その おまんじゅうを、
さっきの うさぎに わけて やる ことを わすれませんでした。
ー了ー
青空文庫サイトに原作が公開されています。
新美南吉童話集はたくさんありますが、ハルキ文庫版は幼年童話がたくさん載っています。
ご縁があって、スペイン語訳も作成しました😊
スペイン語にご興味のある方は是非お楽しみくださいませ✨
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