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会社経営に出る経営者の価値観

就業規則のヒアリング

こんにちは。
フェリタス社会保険労務士法人の石川です。

就業規則のヒアリングをしていると、その会社の経営者の価値観が良く分かります。
ヒアリングをしていて、それぞれの経営者の考え方に触れるのは、とても勉強になります。

私は社労士の立場として就業規則作成のアドバイスをする際には、やはり「リスクに対応できる」ということを念頭に考えています。
ですので、ある程度、枠を作ったり、制限を設ける方向でアドバイスをすることが多いです。

例えば、休職制度や短時間勤務制度などは、一定の制限をかけないと収拾がつかなくなるのでルールを決めます。
会社には様々な価値観や事情をもった人が集まるので、個人の事情に向き合うということは、それだけ面倒で手間がかかります。
集団を動かすためには、ルールに則って運用するのが一番「楽」です。
なので、私はお客様にアドバイスする際は、組織の人数にもよりますが、集団を動かすのに一番やりやすい方法を前提としたアプローチをしてます。

フェリタスの場合

ですが、私個人の考えは実はちょっと違っています。

私は社員1人1人に向き合ったり、寄り添ったりすることができる組織というのが理想です。

例えば、「配偶者の転勤で通勤できなくなった」となったときに、会社にフルリモートの規定がない場合は「仕方ない、退職だね」となります。

ですが、配偶者と別居はしたくない、でも仕事は続けたい、というその人の価値観に可能な限り寄り添う組織でありたい、というのが私の考え方です。
もちろん、そうはいっても出来ることと出来ない事がありますし、自分の要求を通すために組織を利用する、といったことを容認するという意味ではありません。

ただ、私という人間が組織を経営する以上はどうしても私の人間観が反映されるので、
「できるだけ個人に向き合う」ということが前提となります。

組織内で社員それぞれに向き合うことは、効率や生産性で言うと、あまり合理的ではありません。
「ルールだから」
の一言で片づけた方が、組織の秩序を維持するという面では、はるかに合理的です。

全ての個人の事情を汲み取って希望をきくことは出来ませんが、「まずは向き合う」ということは大切にしたい価値観です。

そういう意味では、私はあまり組織の経営に向いているとは言えない性格です。。
社員の中でも私の判断に対して、疑問を感じる人もいるのだろうなと思います。
ですが、私が経営する組織には私の価値観はどうしたって反映されますし、
そこから発生する様々な事も引き受ける覚悟があるからやっていることです。

間違ったり、後悔したりすることも多々ありますが、
自分が作り上げ、今も関わっている組織については、責任も引き受けているつもりです。

私はフェリタスに単に利益をもたらすことが目的で経営しているわけではありません。
利益をもたらすと同時に、社員が組織内で自分の居場所を見つけられたり、お客様や同僚に感謝されたり、成長を実感できたりと、
何かしらの意味を見つけられる場所であるようにしたいと思っています。

ただ、それを見つけるのは、私をはじめ組織に所属しているそれぞれ個人の課題です。
(組織が見つけてあげるものでは無いですね)
個人が組織を通して何かを見つけたり、実感できたりするためにも
個人に寄り添える組織作りをこれからもしていきたいと思っています。