二度目の別れ

3月に彼女と2度目の別れを果たした。
1度目と同じ、桜が咲く直前のことだった。
一番の原因は私の感情が爆発したこと。
でも爆発の原因はたくさん思い当たるところがある。
別れから1ヶ月経って冷静に考えて、
自分のために振り返りたいと思う。

私は昨年夏からうつ病で休職していた。
秋頃に未読無視していた彼女からのLINEに返事をしたのが始まりだった。
友人も数少ない私には、心配してくれる彼女の存在が嬉しかった。
彼女は気分転換にと食事に誘ってくれるようになった。
そしてそのまま私たちはいわばセフレになった。

食事をして、彼女の家に行き、体を重ねて、一緒に眠る。
それは付き合ってた頃と変わらないものだった。
そんなある日、彼女のスマホにマッチングアプリが入っているのを見かけてしまった。
私は彼女が離れることが、いなくなることが怖くなった。
そして私から復縁を申し入れ、受け入れられたことでまた恋人同士に戻ったのだ。
そしてその日から体を重ねることがなくなった。

仲良く時間を共にする中で少しずつ触れ合うことが減っていった。
体を重ねることはなくなり、キスをしなくなり、手を繋ぐことすらなくなっていった。
私は寂しかった。彼女に近づいたはずなのに、彼女が遠くなっていく気がした。

そんな二人の関係にヒビが入ったきっかけは2月半ばのこと。
その日は土曜日。土日は共に過ごすのはいつものことだった。
都内で遊ぶ予定を立てていて、いつものようにその夜は彼女の家で過ごすつもりでいた。
しかし彼女にそれを断られてしまった。
私はショックだった。

私は気が重く、二人で歩いていても空気は重い。
カフェに入ると彼女は口を開き、次のようなことを言ったのだ。

夜を共に過ごす理由が見つからない。
自分や友人との時間を大事にしたい。
自分の勉強や読書のために時間を使いたいので、
それでも構わないなら会う時間を作ってもいい。
それが叶わないなら私と会わなくてもいい。
異性の友達と遊びに行きたい。

私は悲しくて、手が、声が震えた。
もしかしたら、それは彼女の本心かもしれない。
しかし私から気持ちが離れたと感じてしまい、私はその言葉通りに受け入れることはできなかった。
付き合いたてに職場の後輩とご飯に行くというだけで涙を流していた同じ人間の言葉だと思えなかった。

私の気分は憂鬱そのものだった。
私の器が小さいのか、毎晩悩んだ。
数少ない友人に片っ端から相談した。
そんな思い悩むことないよ、という励ましの言葉も響かなかった。
そこから私は不満を溜め続けてしまい、些細なことで爆発してしまったのだ。

私が悲しみをうまく伝えられなかったこと、
彼女の気持ちを受け入れられなかったこと、
爆発させることでしか伝えられなかったこと。
正直後悔はたくさんある。
しかし冷静に振り返っても、他の結末は無かったのではないかとも思うのだ。

お互いの荷物を受け渡しがてら、別れて1ヶ月ほどして食事をした。
会話はするものの、楽しい気分にはならない。きっとお互いそうだったと思う。
「まぁいつでも会えるし」
そう言って彼女は駅に消えていった。

その夜、彼女をマッチングアプリで見かけた。
私と会ったあとに登録したのであろう、NEWマークが輝いていた。
いい人と巡り会えますようにと彼女の幸せを願う。
もう二度と会うことはないだろうし、話すこともないだろうけど。
どうか私の知らないところで、どうか幸せになってください。

お元気で。
お幸せに。
さようなら。

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