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秋の夜空の月を

たとえば、
江戸時代の長屋のくまさんは
どんなふうに見上げたのだろう?


足利義政は銀閣の縁側で
月明かりに照らされて
なにを思ったのだろう?

縄文人は
ドングリを土器で煮ながら
どんな風を肌に受けたのだろう?

仲間を思い
家族を思い

自分がどこから
何を果たしにきたのかを思い
滲み入るような細かい粒子を肌に受ける

どんな時代にも

安心とくつろぎ
高揚と滋味
歓びと感動の涙

葛藤と迷いと、希望と失望があり

ただ目をそらしてやり過ごすか
好奇心でその内を見るか

どっちでもいいけど


十三夜の月はそこにある


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