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あなたの弱さが 世界を変える。わたしを変える。

たかまつななさんのnoteを読んで “しまった“。

マリエさんの話。
セクハラ・パワハラについて。


読んで “しまった“と書いたのは、自分の身にも起きた過去と向き合う勇気がなかったから。



たかまつさんは この記事の中でこうつづっています。


私が胸が苦しくなったもう1つの理由。

それは、私が今まで何もしなかったことだ。

共犯者なんじゃないかと。


この言葉を目にしたのは、深夜一時。

「共犯者」という単語が目に留まり、涙が止まらなくなった。


わたしも自分の過去と向き合うため、記事を書こうと思う。




***


出版業界。
デビューさせてやる代わりに、愛人に。

ふざけてるのか本気なのか。
狂気じみた男性編集者の言葉を ヘラヘラして流した。

デビューの話は自分の実力が認められたから。
そう信じていたのに。

マジか。

狭き世界。
みんなライバル。

目の前で仲間の小説家、脚本家デビューが決まっていく。
作品がドラマ化され、その広告が渋谷の街をジャックする。

そんな様を眺めているだけで精一杯だった。

直木賞受賞作家が隣に座り、有名売れっ子作家さんと出会える世界。

でも、わたしができること、やりたいことは一つだけ。

「ことば」で わたしを表現したい。

それだけでいい。
それが したいこと、やりたいことなら、じゅうぶん夢は叶っているはずだった。

でも、目の前で繰り広げられる華やかな努力の結果だけを見て、フワフワした。
これこそが憧れの世界。そして目指すべき場所。
そんな世界を近くに感じることができる団体に「所属」しているという安心感があった。

なんだか自分が誇らしく、自分ではない素晴らしい何者かになれた気がしたから。

もちろん、わたしだって それなりに挑戦と努力はし続けてきたと自負しているが、新人賞の壁に、何度も何度も、そして何度もペシャンコになる。

小説を書いている時点で自己満足なのだけれど、せっかく書いたのだ。誰かに読んでもらいたいのが本心で。

でも、わたしの「ことば」は、選考委員に届かない。


そんなわたしに訪れた出版のチャンス。

自信も度胸もないけれど、恐る恐る掴んでみた作家デビューの話は、「愛人」への道と同時履行の関係にあるようだった。

「愛人」という昭和レトロな単語。使い方さえわからない。
こんなありきたりで使い古されたストーリー、どんな作家が描くだろう。

悩んだわたしは、男性編集者さんと仲の良い、元・校閲の女性の方に相談することにした。

その人は、わたしが当時所属していた作家団体をまとめている女性の一人で、同じく小説家を目指す同志でもある。

小説家としてデビューしたい。でも、愛人にはなりたくない。なれないのだ。

きっと彼女ならわかってくれるはず?


甘かった。


わたしはそれから、その女性、そして所属していた団体から無視されることになった。


仲良しごっこするために、所属していたワケじゃない。
無視されても、嫌われても構わない。

でも、そこは出版業界と深いつながりがある団体。
あの出版社も、その出版社も、あそこも、ここも、そして あの男性も、あそこの出版社の元編集者だった。


そこで、やっと気がついた。

自分を守るために取った行動が、わたしの夢や目標にどう影響を及ぼすのか。

ヤル気があれば、そんなこと関係ないし、問題ない。

というか、問題にもならないのだ。

そう思える今となっては笑える話。
こうやって、ネタにもできる。

でも、当時のわたしの世界や思考はミジンコで、メジャーな出版社で本を出版することこそ、自分の夢が叶えられる唯一の方法。

夢は叶えるものじゃなく、選ばれてこそ叶うもの。誰かが叶えてくれるものだと信じていた。


でも、その代償が「愛人」って・・・。


男性編集者はわたしの親ほど年齢が離れている。
「愛人」つったって、ヤルことはヤルのだろう。
って、まずもってデキんの?(やる気満々発言)

どちらでもモチロン良いのだが、対象外にもほどがある。


しかし、スカート穿いて髪を長くして、ネイルして香水もリップも塗っていた わたしにとっての「女」を楽しむ行為は、その男性にとっては違っていたのだろう。

あの時のアレがいけなかったのかな。
それとも、あの発言のせい?
あの作品がマズかったのだろうか。 
気付かない所で期待させるような行動を取っていたのだろうと、キリがない自分責めが始まった。

そして、たどり着いた答えは



「やっぱり、わたしのせいだ」。マッテマシタ!



わたしが女だから。
わたしが、わたしだから いけなかったんだ。


でも、今だから言える。

「わたしのせい」とか、「女だから」


この思考って、こんなことが起きる ずーっと前からあった わたしの思考癖だ。

被害者や弱者になることで、世間から嫌われないように生きてきた。
自分では どうすることもできない現実のせいにして、責任から逃れようとしてきた。

でも、その時は必死だったし、本気でそう思い、自分を責めて責めて責め抜いた。


今思えばバカ過ぎる。
そしてあまりにも端的な発想なのだけれど、当時は真剣に悩んだ。苦しんだ。

自分を大切にすることが悪とされる世界で抹消されるのであれば、むしろソッチの方がラッキー。

創造の塊、性が脅かされる世界で「夢」が叶っても、わたしは幸せを感じられただろうか。

わたしには、そうは思えないよ。

“愛人“ なんてコトバ、軽く受け流せば、よかっただけのこと?

せめて、「もっと上手く誘ってくれたまえ」とさえ思う。

人の弱みに付け込んだ挙句、わたしという人間を「愛人」の枠にはめ込もうとした男性編集者の創造性の無さに萎える。品がない。セクシーじゃない。マジで陳で腐ってる。

と、今はそう思える。

でも、当時の わたしは案の定、男性を、女性を、世界を、そして自分さえ敵に回して、絶対的な揺るぎない不自由な正義や真実や正解を探していた。


でも、ここ数年でわたしの世界はすっかり変わってしまった。
私がわたしを見る目が変わったからだ。


アンタはいい女だった。
才能もあったからこそ嫉妬されただけのこと。(違ったとしても、そうだったことにする)

そして、あの出来事があったからこそ、今、こうやって自分の好きなこと、言いたいこと、自由に発信する覚悟が決まった。

そう思ったら、あの女性も男性編集者も変人から「恩人」に変わってしまった。

思えば、男性編集者と仲が良かったあの女性。
わたしと同じように長身だった。

あぁ、そうか。
彼女も「愛人」の一人だったのか。

と、男性編集者の性癖というか好みを想像したところで、正解や真実はわからない。
他人の正義や悪も、やっぱり わたしには、わからなくって。


セクハラ、パワハラ、痴漢やストーカー。
性が脅かされる話は、難しい。


ー「誘われるだけ、声が掛かるだけ いいじゃない」

ー「女はそういう武器が使えるから良いよな」(男性が使う場合もあるけれど・・・)


こんな風に、羨ましがられることもある。

誰かにとっての不幸は幸せで、誰かにとっての悪は善だったりする。

だからこそ、思う。

自分の真実を、正解を、事実を話す大切さ。

マリエさんも たかまつさんも有名な方だ。それをするのに、どれだけの勇気が必要だったろうか。
想像するだけで、涙が身体の奥から噴き出してくる。

わたしは、どう頑張っても肉体的に「女」で、どう足掻いたって「わたし」にしかなれず、大したヤツでも、小さくも、中でもないし、そうでもアルし、そうでもない。


ただ息吸って、ごはん食べて、寝て、排泄して、今日も生きてる。

そんだけー。


何者でもない わたしがこうやって過去を掘り下げたところで、彼らは三十億光年の記憶の彼方にわたしという存在を葬り、人生を楽しんでいるのだろう。

わたしだって、自分の生や性を誰かのせいにして押し殺す必要はない。

自分自身を肯定して楽しんだ方がいい。

いや、楽しみたい。楽しむんだ!


あらゆる側面によって、見えてくる世界が違うから、正解や常識や正義や真実なんか放っておいて、本当にやりたいこと、なりたい自分。諦めたくない。

それがもし、理想のカタチと違っていても、自分のことを大切にした結果なら、大成功だと わたしは思う。

挑戦した。経験できた。

それだけで、すごいこと。

十分過ぎるほど、眩しく尊い。


そう、わたしは思う。


弱くて強い、過去のわたし
そして、この文章を読んでくださっているあなたへ

あなたは今、安心で安全を感じていますか。
自分のことが、好きですか。

もし、そうでないのであれば、深呼吸して、ゆっくり感じて欲しい。


大きくても、小さくても、高くても、低くても、膨らんでいても、へこんでいても、曲がっていても、折れていても、男でも、女でも、「ふつう」じゃなくても、誰も作ることも、所有することも、できない、あなたの身体、そして心を。

どんな権力者やお金持ちやセレブリティだって買えないんだぜ。

あなたが許さない限り。


わたしは、そんな唯一無二のあなたと、性を大切に生きていきたい。

たった、それだけのこと。

たった それだけがいつも言いたいだけなのに、今日も書くのが怖かった。

そんなわたしの背中を押してくれた たかまつさんの活動、そして言葉に揺さぶられる。


どの世界もそうだと思うけど、「変えよう」としてきた人に敬意をしめしつつも、現状に嘆くだけでなく、どうやったら変わっていくか、そのためにできることをやりたい。

まずは、声を無視しないこと。

忖度しない。

言うべきこと、言いたいことを言う。

それが言えるために、私は自分でメディアをもつ。


羽の生えた言葉が持つ、ちから。


わたしにできることは、なんだろう。



あぁ、そうか。
あれだった。



今日も深く息吸って

心と身体に正直に




気持ちいいこと、しよう!!!




たかまつななさんのnoteはこちら▼


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