北海道移住生活30日目「やりたかったこと」
私はいま富良野に取材旅行に来ています。
「よし、富良野に行こう」と思ったのが、おとといの昼過ぎ。昨日の朝イチのバスに乗って帯広へ。そのままノースライナーで富良野までやってきました。
旅行記は追々書くとして、私はこの旅で大事なことをひとつ思い出したのです。
「私はこれがやりたくて北海道に来たんだった」
というわけで、こんばんは。私は埼玉から十勝に移住してきた画家です。
今日で30日、つまり1ヶ月が経ちました。まだ、住まいのこととか町での仕事のこととか、ふわふわとした中で、漠然とした不安が私の中にあるのは拭えない事実でした。
慣れないひとり暮らし、
たくさんの書類のやり取り、
進まない絵画の制作、
疲労で回らない頭、
引き落とされる高額な引越し費用。
バタバタと落ち着かない毎日の中で増していく、行き場のない焦りと不安感。
本当に北海道に来て良かったのかな。
(良かったに決まってる)
本当にひとりで生活していけるのかな。
(自分で決めたんだからやらなきゃ)
そうやって自分を奮い立たせる毎日にちょっとだけ疲れてしまった。
取材旅行であることは前提として自分への1ヶ月頑張った慰安も込めて、旅行にでも行ってみようかな。しかも、スケジュール的にも今週は絶好のチャンス。
気がついたらバスの予約を取っていました。
どこに行こうか考え始めたら、モヤみたいになっていた思考が急に回り出すのを感じました。
あ、ワクワクしてる。
この感情が嬉しかった。
翌日、朝イチのバス停。
朝焼けの中ふと、考える。
「私って、やっぱり旅に出るこの澄んだ瞬間が、すきだな。深夜バスの待合室、空港、始発の電車、そういう空気感。
…ていうか、私は、このために北海道に来たんだった!
まだ知らない広大な北海道の風景をたくさん見て、旅したい。知らない事を知りたい。そういうことを関東にいた時よりもっと、都会のリズムに惑わされずに、自分のペースで、価値観で、判断したいから移住しようって決意したんだ」
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旅が好きだ。
ライブや舞台で地方に行ってみたりはもちろん、理由もなく、行きたい場所に行ってみる。そういう時間が好きだった。
私は、そういうことをもっとしたくて…そういう人生に身を置いてみたかったから、関東を飛び出してこんな遠くまでやってきたんだった。
生きることに精一杯すぎて、
大事なことを見失っていたんだね。
昨日の夜、母に電話でこのことを話したら「そうそう、そういうことやりたいって言ってたよね。私も思い出してたよ」って言われた。そうなんだよね、私ってそれで北海道きたんだよね、って笑った。
先の生活が不安すぎて、節約節約と思って毎日を過ごしてた私が「旅に行くか」と思えたキッカケのひとつに、大きめな絵が売れたこともある。
いつもいつも、応援してくれる皆さんには救われるばかりだ。
本当に感謝しています。
本当に来てよかった。
来るきっかけをもらえてよかった。
今回の旅で感じたことも作品にしていきます。あと旅の覚書もね、書きますね。
きっとね、明日からも大丈夫だって思えました。なんで北海道に来たのかを思い出せたから。
なんでここに来たのか。
何を大切にしたくてそうしたのか。
どこに移住するにしても大切な事だと思う。いや、移住までおおごとじゃなくても、何でも、そうなのかもしれない。
生きることって結構大変で、油断するとすぐ生活に飲まれていくから。
忘れないように、30日目の記録としてのこしておきます。
画家の傍ら自分の考えを文字にしています。 頂いたサポートは制作費用や書籍代として活用させて頂きます(^^)