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ミッドナイトインパリをみて

自分が憧れる人たちがいる時代に行って交流ができるとしたらどんな気分になるのだろう。

パリの深夜に鐘がなり、あるところに現れる車に乗ると、フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、ピカソなどの一流の芸術家が集まる1920年パリの夜にタイムスリップをしていく。

どういう人物が出てきて、どんな展開が繰り広げられるのか、いつの間にかワクワクさせられながら映画をみていた。


主人公は脚本や小説を書いて生計を立てる2010年代を生きるアメリカ人だ。懐古趣味で特に昔のパリに魅かれている。


ある日から自分の理想どおりの過去にタイムスリップができるようになって、興奮冷めやらぬ日々を過ごしていたものの、なんとなく不安を感じているようだ。その原因があれほど憧れた芸術面でなくて、日々の生活にあるというところがおかしいし、凡人的な感じがして好きだ。

タイムスリップを幾度か繰り返して最終的に自分なりの結論にたどり着く。

「価値のあるものをつくるならば幻想を捨てることだ」

そういって、主人公は過去への憧れる思いから目が覚めた。

婚約者との関係も終わりにして、もう一度パリに住んでみようとしたら、主人公の背中を後押ししてくれるように、映画の最後には素敵なシーンが待ち受けている。


自分は、過去のある時代に強いあこがれを抱くことはないまでも、ある時代の音楽やアニメや漫画はよかったと思うことはよくある。マイケルジョーダンがいたシカゴブルズのバスケットボールの試合をみるために、その時代に行ってみたいとか、高度経済成長期などのバブルの雰囲気を感じてみたいなと思ったことはあった。だが、今の時代は平和で暮らしやすいし、昔のある時代に生きてみたいと思ったことはない。


過去のすばらしい作品を味わいその時代感に浸るのもいいが、それはそれ。その体験を糧に、自分に与えられた今の環境で心の声を聞いて、できることを精一杯しよう。そうしたらこの映画の最後みたいに、素敵なことが起きるかも⁈なんて思ったりした。


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